2013年06月24日

都議選から参院選へ、まず投票を

テーマ:政治

ニュースのポイント

 東京都議選は、自民、公明両党が全員当選で圧勝し、7月21日投開票の参院選に弾みをつけました。次世代のための政策を実行させるために、参院選で候補者の選挙を手伝ってみては、と提言している人がいます。手伝いは難しくても、選挙権のある人は必ず投票に行きましょう。

 今日取り上げるのは、オピニオン面(11面)の「私の視点/政策と民意/参院選を手伝ってみては」です。
 大学院生・神奈川県議秘書・介護士の鈴木晃地さんの意見の概要は――「反原発デモ」が政策に反映されないように、政治家は国民の意思を無視し続けている。政党が支援を頼む特定の団体、企業の方を向いているためだ。嘆くばかりでは仕方ない。政治家が意見を聞いたり、耳を傾けたりする存在を目ざすほうが現実的だ。一つの方法が「政治家に近い支援者になる」ことで、政治家にもっとも感謝される選挙の時に応援する。その政治家が当選すれば、その後の政策づくりに支援者の声が反映される可能性は高い。私は、過酷で人手も不足している介護の現場の労働環境不備への憤りから選挙運動支援に携わってきた。街頭演説で福祉の充実を訴えていた県議候補の選挙を手伝い、当選後、県議会の一般質問でこの問題を取り上げてくれた。その後も政策実現に至った体験が幾つもある。参院選で若い人は思い切って選挙を手伝ってはどうか。次世代のための政策を政治家に実行させるには、若者の具体的な行動が必要なのだ。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 今日取り上げた鈴木さんは、みなさんと同じ世代の23歳。なかなかできないことだと思います。参院選まで1カ月もありませんから、今から選挙の手伝いをするというのはハードルが高いかもしれません。それでも、今の政治への不満、望むこと、変えてほしいことはあるのでは? 厳しい就活の現状や、大学教育のあり方もその一つかもしれません。投票が行動の第一歩です。

 鈴木さんも書いているように、政治家は投票してくれない人には目もくれません。どの選挙をみても、年代別投票率を見ると、若者の投票率は、他のどの世代よりも低いのです。このため政治家は、社会保障などで、投票してくれる中高年重視の政策を続け、みなさん若い世代に負担を先送りしてきました。意見に耳を傾けさせるには、若い世代全体の投票率を上げるしかないのです。「どうせ何も変わらないし」と言う友人がいたら、「みんなが行かなきゃ変わらないよ」と声をかけてみてください。6月19日の朝日新聞オピニオン面「半分で決める民主主義」では、熊谷俊人・千葉市長がこう語っています。「投票すれば、任期中もその政治家の行動に責任を持ち、次の選挙では自分の投票は正しかったのか顧みて、一票を投じられる。その繰り返しで有権者は学び、政治家は鍛えられる」「棄権はノーにはならない。オール・イエスですよ。選挙結果を追認するだけだし、後で文句も言えない」

 今回初めて選挙権を得た人もいると思います。まずは投票に行きましょう。誰に、どの党に一票を入れるのか決めるために、事前に各党、各候補者の主張を見てみましょう。今回の参院選では、みなさんが得意のネットによる選挙運動も解禁されました。こうした準備が、身の回りの暮らしから政治や経済を考えるきっかけになるのです。

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