就活ニュースペーパーは、連休中は休載し、5月7日に再開します。
(写真は、今年の就活解禁日の合同企業説明会=3月1日、福岡市中央区)
リクルートが発表した大卒求人倍率調査によると、企業の求人総数は81万4000人と前年比7.7%増えました。これに対し民間企業への就職を希望する学生は前年並みの43万2000人。大卒求人倍率の上昇は7年連続です。1.88倍ということは学生1人に椅子が2個近く用意されているということ。選り好みをしなければ、余裕で全員が椅子に座れる計算です。この時期に就活ができるのはとてもラッキーなことです。
でも、1.88倍という全体の数字だけを見て安心してはいけません。企業の規模別に見ると、甘くないことがわかります。従業員5000人以上の大企業は0.37倍と過去最低を記録しました。なんと、3人に1個しか椅子がない「超買い手市場」なんです。一方で、300人未満の中小企業は過去最高の9.91倍。大企業と中小企業の倍率差は拡大しました。
◆大手と中小で求人倍率こんなに違う!
従業員規模 2017年卒 2018年卒 2019年卒
300人未満 4.16倍 ↗ 6.45倍 ↗ 9.91倍
300~999人 1.17倍 ↗ 1.45倍 ↘ 1.43倍
1000~4999人 1.12倍 ↘ 1.02倍 ↗ 1.04倍
5000人以上 0.59倍 ↘ 0.39倍 ↘ 0.37倍
(リクルート調べ)
従業員1000人未満と1000人以上で分けると、3.97倍と0.70倍です。どうしてこんなことが起きるのかわかりますか? 「売り手市場」になると、「自分も人気企業に入れるかも」と思う学生が増え、「大手志向」が強まるからです。企業が採用数を増やしても、それ以上に人気の大企業にエントリーが集中して、競争率が高まるんですね。大手人気企業ばかり受けていると痛い目にあいかねません。中堅・中小企業に視野を広げることが大事です。
業種別の求人倍率にも注目してください。
◆業種で求人倍率こんなに違う!
流通業 12.57倍
建設業 9.55倍
製造業 1.97倍
サービス・情報業 0.45倍
金融業 0.21倍
(リクルート調べ)
流通、建設業は学生1人に椅子が10個もある「超売り手市場」。これに対して、金融は5人に1個、サービス・情報業は2人に1個しか座る椅子がない「買い手市場」です。これも、全体としては買い手市場が続いているため、人気の業種を希望する学生が増えているためだと思われます。でも、流通にも建設にも優れた企業がたくさんありますし、職種も多様です。就活がうまくいっていない人は、選択肢を増やすことをお勧めします。
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2025/04/02 更新
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