2018年03月09日

大震災7年…「東北コットンプロジェクト」で知る仕事いろいろ【今週のイチ押しニュース】

テーマ:経済

 東日本大震災から7年。津波による塩害で稲作ができなくなった土地で綿花を栽培し、製品をつくって売る「東北コットンプロジェクト」が成果を上げています。いまや、宮城県内の3カ所は日本最大級の綿花の産地に育ちました。プロジェクトには、農家、紡績会社、アパレルメーカーから、百貨店、通販、航空会社まで、70もの会社が名を連ねています。一つの商品が消費者の手元に届くまでには、実に様々な会社が関わっています。企業選び、仕事選びのヒントが詰まっていますよ。(編集長・木之本敬介)

(写真は、2017年11月に収穫したふわふわの綿花=宮城県東松島市、写真家・中野幸英さん撮影)

紡績から航空会社まで

 「東北コットンプロジェクト」がスタートしたのは震災3カ月後の2011年6月。津波に襲われた仙台市荒浜地区の農地で、塩害に強い綿の栽培が始まりました。農家がつくった綿花を紡績会社が買い取って綿糸に加工。アパレルメーカーが製品にして販売しています。大正紡績など10社が被災地を応援するために企画しました。

 記事に登場する企業を紹介します。
◆大正紡績(大阪府) 収穫された綿を全量買い取り、綿糸に加工
◆新藤(横浜市) 東北コットンを使ったタオルなどを「天衣無縫」ブランドで販売
◆高島屋 東北コットン販売
◆日本航空 機内誌で定期的に事業を紹介
◆通販大手フェリシモ 東北コットンを使ったアクセサリー販売

(写真は、被災地に実ったふわふわのコットンボール=2015年10月、宮城県名取市、写真家・中野幸英さん撮影)

コーポレートサイトを見てみよう

 プロジェクトのホームページには、これまでの活動の経緯や、東北コットンを使ってつくった商品などが紹介されています。「チーム紹介」のコーナーには、「綿生産」「生産支援・調整」「紡績」「商品企画・製造・販売」「協賛」「クリエイティブ」の項目ごとに、企業のロゴが並びます。アパレルやタオル、布団などのメーカーやセレクトショップ、商社など多様な業種が関わっていることがわかります。各社のコーポレートサイトにもつながっています。気になる商品や会社があったら、調べてみましょう。

「世界は誰かの仕事でできている」

 この記事を読んで私の頭に浮かんだのが、日本コカ・コーラの缶コーヒー「ジョージア」のテレビCMです。俳優の山田孝之さんが登場して、「世界は誰かの仕事でできている」のキャッチコピーのあのCMです。その中の「つながっている」編はこんなストーリーです。

 道路工事の作業員がスマホアプリをいじりながら「つくったやつすげーな」→アプリ制作者は弁当を食べながら「この弁当企画した人、マジ神」→お弁当の会社で「お弁当は素材が命。生産農家さまさまね」→農家「野菜は鮮度やけん。運んでくれる人に感謝やね」→トラック運転手「この道完成したんだ。助かるわあ」→道路作業員「つながってんのかもなあ」

 そう、世の中はつながっています。たとえば、お弁当を食べるとき、缶コーヒーを飲むときに、その商品に関わっている仕事を想像してみてください。ただ食べる、飲む「消費者目線」から、自分が働く姿を考える「ビジネス目線」への転換です。企業選びの材料はそこらじゅうにころがっています。

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