(写真は、日本電産の永守重信会長兼社長=右=と吉本浩之新社長=京都市)
(写真は、日本電産の永守重信会長兼社長=右=と吉本浩之新社長=京都市)
日本電産、知ってる?
その社長に6月20日付で吉本浩之副社長(50)が社長に昇格することになりました。初の社長交代で、永守氏は代表権のある会長と最高経営責任者(CEO)として経営を担いつつ、吉本体制に移行する方針です。
(写真は、昨年、日本電産が創業以来初めて制作したCM=同社提供)
村田製作所の原点は清水焼
京都市には日本電産のほかにも、電子機器、精密機器などのモノづくり企業が多くあります。各社、独自の高い技術を持ち、すぐにマネができるような汎用製品をつくっていない共通点があります。
村田製作所は、電気を一時的にためる積層セラミックコンデンサーで世界最大のシェアを占めています。1台のスマートフォンに500個ほど使われるこの部品で、世界最小サイズをつくる技術を持っていて、米アップルのiPhoneや韓国サムスンのスマホにたくさん使われています。
その原点は、京都の伝統工芸、清水焼だといわれます。創業者の故村田昭氏が、耐熱性や電気を通さない性質を持つ「特殊陶磁器」をつくるようになり、それが化学材料を焼き上げてつくるセラミックコンデンサーにつながったわけです。
「一流」を大事にする京都
「京都は『一流』をすごく大事にする土地柄です。和菓子屋さんでも割烹(かっぽう)でも、問われるのは一流かどうか。売り上げや従業員数は関係ない。だから人のマネをするような、プライドがないようなことはしない。自分の柱、文化がないと、この土地では評価してもらえないんです」
「(国の)規制が絡む商品では不利でした。東京の官庁に呼ばれても、昔は行くまで7~8時間かかった。『代わりにどこに声をかけるか』となると、1時間で行ける東京企業。それで多くの会社が、東京に本社を持って行ってると思うんです。ただ我々は幸か不幸か、日本の市場だけでは食っていけなかった。その環境が、グローバル化に成功した理由です」
関東の学生、もっと来て!
一方、採用の面では、京都に本社があるデメリットもあるようです。京都を代表するメーカーの一つ、女性用下着大手ワコールの採用担当者に「人事のホンネ」でインタビューしたのですが、これだけ知名度の高い企業なのに、「男子学生と関東の学生にもっと受けてもらうのが課題です」と話していました。「京都に本社がある会社」として有名ですから関西の学生には大人気ですが、東京本社の会社が圧倒的に多い中、選択肢に入ってこないのかもしれませんね。
京都には、独自の技術やこだわりをもった素晴らしい企業がたくさんあります。関東のみなさんもぜひ目を向けてみてください。
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2021/01/16 更新
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