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さあ、いよいよ日曜日は衆議院選挙の投票日です。これまで投票に行ったことがない人もいると思いますが、今回は必ず投票してくださいね。就職は、いわゆる「社会人」の第一歩。もちろん、学生も社会の一員ですが、これまでの教えてもらう立場から、企業や団体の一員として世の中の経済活動を生み出す重い立場になるのが就職です。政治は私たちの暮らしのあり方を決める基盤です。「政治のことはわからないから」と人任せにせず、参加することが大切です。就職先を考えることは世の中のことを考えることでもあります。今回の選挙をそのきっかけにしてください。今回の選挙の構図を簡単に説明し、投票するときの材料、ヒントをお伝えします。(編集長・木之本敬介)
(写真は、衆院選候補者の演説を聞く有権者=10日、宮城県内)
(写真は、衆院選候補者の演説を聞く有権者=10日、宮城県内)
政権選択選挙?
まず、選挙が決まってからの流れを整理します。衆院選は、選ばれた議員たちが次の首相を決めるので「政権選択選挙」と呼ばれます。安倍内閣が衆議院を解散した直後は、希望の党ができて民進党の多くの議員が合流。野党がある程度結集して「自民・公明の与党vs.希望など野党」の間で文字どおり政権を選ぶ選挙になるのではないかと思われました。
しかしその後、希望の党が考え方の違う人たちを「排除」したことで選挙の構図が変わりました。排除されたり考え方が違ったりする人たちが立憲民主党を立ち上げ、希望の党は勢いを失いました。今では、5年近く続き「安倍1強」と呼ばれる状況を続けるのか、ストップをかけるのかを問う選挙になりました。
「3極」の争い
今回の選挙は結局、以下の「3極」が争う構図になりました。①自民党と公明党の連立与党
②希望の党と日本維新の会
③共産党、立憲民主党、社民党
の三つの固まりです。比較的考え方の近い政党同士が選挙協力をしています。このほか、日本のこころという保守系の政党も比例区に候補者を立てています。「保守」「リベラル」「中道」といった各党の政治的なスタンスの違いについては、「今さら聞けない?! 『保守』『リベラル』ってなんだ?」(10月6日のイチ押しニュース)を読んで見てください。
若者が投票に行かないから「シルバー民主主義」
これまでの衆院選投票率のグラフを見てください。20代の投票率は中高年世代に比べて極端に低く、2014年の衆院選では60代の68.28%に対し20代は32.58%となんと半分以下でした。いまや65歳以上の高齢者が全人口の27.7%。4人に1人を超えました。人口が多いうえに投票に行くわけですから、高齢者の意向が選挙結果に大きな影響を及ぼし、政治家は高齢者重視の政治を行います。これに対して、投票率が低い若者の意見は当然ながら政治に反映されにくくなります。そんな「シルバー民主主義」と呼ばれる状況が日本では続いてきました。さすがに今回、各党は教育無償化などの政策を打ち出していますが、大きな流れを変えるには、若い世代が投票に行って意思表示するしかありません。安倍首相にYES? NO?
まずは安倍首相が続いてほしいか、もう誰かに変わってほしいかを考えて、続けてほしいと思う人は与党に、変わってほしいと思う人は野党に投票しましょう。それぞれの中で、どの党、どの人に入れるかについては、各党の公約や候補者の主張を見て決めましょう。主な争点は、
・憲法9条改正に賛成か、反対か
・原子力発電を続けるか、原発ゼロをめざすか
・消費税を予定どおり2019年10月に10%に上げるか、凍結するか
朝日新聞デジタルの「2017衆院選」「2017衆院選」特集も参考にしてください。
みなさんより先輩の社会人も、政治のこと、各党や候補者の主張や政策すべてを理解している人なんていません。それでも、少しでも自分の考えに近い政党や人、これだけはやってほしいという政策を掲げている党や人に投票しています。就活スタートの第一歩だと思って、投票に臨んでください。
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