ニュースのポイント
今日取り上げるのは、総合面(7面)の「教えて!改正個人情報保護法㊤ ビッグデータ 活用進む?/企業が匿名に加工 懸念も」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)です。
(写真は、パソコンの画面越しに面談をする企業の人事担当者と大学生=5月下旬、東京都新宿区)
このAI面接を導入する予定の会社があります。鶏卵生産全国2位のアキタ(広島県)は、今は1次面接を広島と東京で実施していますが、「畜産に関する学部がある北海道や東北などの学生を取り逃がしてしまっている」(採用担当者)と言います。大手銀行などのウェブサイトを運用支援するメンバーズ(東京都)も約1000人にのぼる1次面接にAI面接導入を検討しています。
記事では、就活中の都内の女子学生の声も紹介しています。「対面の面接は印象で左右されやすいと思う。AIの公平な基準で決まるのはいい」「どう評価されるのか、少し不安」と賛否両論です。
すでにAIを選考に活用している会社もあります。ネット広告大手のセプテーニ・ホールディングス(東京都)は、今年から地方学生向けに「オンライン・リクルーティング」を実施。自宅のパソコンなどで最終面接まで行い、社員と会わずに内定を出す制度です。過去に選考を受けた学生と社員約6000人のデータを2009年から蓄積し、採用時と入社後の活躍度合いから「活躍予測モデル」を開発しました。性格診断テストなどで約100項目の情報を取得。AIによる分析を活用して面接を簡略化。2018年卒で採用予定の100~120人のうち、約3割をオンラインだけで採用します。今年3月末の時点で地方からの応募は前年の2.3倍に増えたそうです。
5月30日には「ソフトバンク 選考にAI/エントリーシートの一部、文章採点」という記事が載りました。ソフトバンクは昨年12月から受け付けているESのうち5月中旬以降に提出された分については、二つの設問のうち1問の評価を日本IBMのAI「ワトソン」が採点しています。人間がつけた高い評価や低い評価約1500人分を学習させて3段階で評価します。AIが「低い」と評価した回答は人間が改めて評価します。AIは瞬時に文章を分析して評価を出すため、評価時間を4分の1に短縮できるそうです。
企業がAIを採用選考に導入する目的は二つあります。ESの評価や面接の効率化と、人による評価のぶれをなくし活躍できる人材を見極めることです。人による面接では「第一印象」に左右され感覚で評価する傾向が強いといわれますが、AIはより公平に評価するでしょう。AI面接はどこでも同じ条件で受けられますから、地方の学生や海外留学生にとってはメリットが大きいと思います。ただ、ビッグデータの分析でぶれはなくなる一方、過去のデータにはあまりなかった「個性的な学生」は切り捨てられてしまうかもしれません。
では、AI選考に学生はどう対応したらいいのでしょう? それほど不安がることはありません。AIは過去に社員が読んだES評価、社員が会った面接評価をもとに判断するわけですから、実はみなさんのやるべきことは変わりません。気をつけてほしいのは、AI選考だからといって、社員にほとんど会わないまま、受ける企業や入社する企業を決めてしまうことです。会社が過去のデータから「活躍できる」と判断したとしても、みなさんは社員に会って話を聞かなければ、会社の実像や社風はわかりません。AI選考の時代になっても、「社員に会う」ことの重要性は変わりませんよ。
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2025/04/03 更新
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