2017年06月21日

変わる放送業界!テレビとネットの最新事情を知ろう

テーマ:メディア

ニュースのポイント

 テレビ局といえば、華やかなうえに給料など待遇も良いといわれる大人気の業界です。その放送業界が今、大きな変革を迫られています。スマホでネット配信の動画を見る人が多くなり、テレビを見ない若者も増えているためです。これからテレビ局、放送業界はどうなっていくのでしょう? ネットに飲み込まれる? 共存? 融合? 最新事情をわかりやすくまとめます。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、総合面(5面)の「教えて! テレビとネット⑧ 地方局も独自番組を配信しているの?」と、以下の連載記事です(いずれも東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)。
「変わる習慣 動画はスマホ/配信、数十社が参入」
「若者に影響力 ユーチュ-バ-って?」
「自分好みの動画を『おすすめ』?」
「番組、動画配信に移っていくの?」
「動画配信 テレビ局の強みは?」
「『ネット同時配信』実現はいつ?
「番組の同時配信 著作権の扱いは?」

いつでもどこでもスマホで動画

 みなさんはテレビをどのくらい見ますか? 情報通信白書によると、2015年の10代のテレビ視聴(リアルタイム)の平均時間は平日が約1時間半、休日が約2時間半。SNSやオンラインゲームなどを含むネットの平均利用時間は平日が約1時間50分、休日が約3時間40分で、いずれもテレビの視聴時間を上回りました。大画面の前で家族でテレビを見る時間は減り、家でも移動中も学校でも、いつでもどこでも好きな動画をスマホで見るのが当たり前になってきました。

ユーチューバーが憧れ?

 動画のネット配信サービスには、国内外から数十社が参入しています。主なサービスはを見てください。調査会社のGEM Partnersによると、2016年の定額制動画サービスの利用者は国内でのべ1630万人、市場規模は1256億円にのぼります。市場シェアはトップがdTVの23.6%、2位フール-12.7%、ユーネクスト12%でした。

 ソニー生命の調査で今春、男子中学生の将来なりたい職業の3位に「ユーチューバーなどの動画投稿者」が入りました。個人の発信が多いユーチューブは小学生から高校生に人気ですが、釣りや車など大人の趣味の分野でも人気のチャンネルが増えています。

テレビ局の対応

 テレビ番組を見る人が減ると、困るのはテレビ局です。民放は視聴率が下がれば広告収入が減り、NHKも受信料の支払いに納得してもらいにくくなるおそれがあるためです。テレビ局を所管する総務省も、経営が苦しくなると優れた番組を作れなくなり、番組を海外に輸出する「クールジャパン」戦略に影響が出るため、危機感を強めています。

 そこで、総務省とNHKは、若者にもテレビ番組を見てもらおうと、ネットを通じてテレビ番組をそのままスマホなどに配信する「ネット同時配信」の実現を目指していますが、簡単ではありません。大きな壁は著作権。テレビ番組をネットで流すには出演者や脚本家、音楽関係者などの許諾が必要です。さらに、難しい対応を迫られているのが民放です。キー局の番組をネットで見られれば、地方局は視聴者が減り、経営を直撃しかねません。このため、地図のように独自の番組づくりに力を入れる地方局や、コンテンツの外部販売に活路を見いだそうとする局もあります。

 自ら動画配信に乗り出すテレビ局もあります。日本テレビは2014年、米国のフール-の事業を買収。テレビ朝日は2016年、IT大手のサイバーエージェントとともに原則無料の「AbemaTV」を開局しました。

番組制作会社には追い風

 ネットフリックスなどの動画配信会社は、過去のテレビドラマや映画の配信だけでなく、オリジナル作品にも力を入れています。お笑い芸人・又吉直樹さんのベストセラー小説「火花」は、民放各局との競争の中、ネットフリックスが配信権を勝ち取りドラマ化しました()。

 オリジナル作品の増加は、テレビ番組などを下請けでつくっている番組制作会社にとっては追い風です。全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)の倉内均理事長は「配信会社に企画を売り込むのは日常になっている。まだテレビ局への売り上げ規模には及ばないが、選択肢は増えた」と話しています。配信会社のドラマ1話あたりの制作費は3000万円前後で民放キー局の水準と並びます。加えて、ネットのオリジナル作品は暴力描写や言葉遣いなどの表現の自由度が公共の放送であるテレビよりも広く、著作権が制作会社側にあることも多く、契約上テレビ局より有利だといいます。テレビ局と動画配信会社の間で、優れたコンテンツの取り合いになるとみられています。

 放送局、番組制作会社、通信・IT系、エンタメなどコンテンツ産業を目指す人は、こんな最新事情を踏まえたうえで、業界・会社の将来や自分のやりたいことを見通すことが大切です。

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