2017年06月08日

「育児もキャリアも!」 両立できる会社の見分け方

テーマ:就活

ニュースのポイント

 女性の多くが結婚や出産で会社をやめたのは昔の話。今、多くの企業は、いかに女性にやめずに働き続けてもらうかに知恵を絞っています。出産を機に仕事の第一線を退く「ゆるキャリ」ではなく、早めにフルタイムに復帰してキャリアアップを目指せるようにする支援策を打ち出す会社も目立ってきました。「育児もキャリアも」目指せる時代です。一方で、マタニティー・ハラスメント(マタハラ)をする会社が後を絶たない現実もあります。ワーク・ライフ・バランスは男性にとっても大問題。会社の見極めが大事です。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、経済面(7面)の「けいざい+ 育児もキャリアも㊦/フルタイム復帰 企業後押し」と、7日掲載の「育児もキャリアも㊤/『ワーママ』自分らしく/『5年目』の悩み 共有し本に」(いずれも東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)です。
(連載㊤で取り上げた「パワーママプロジェクト」のメンバー。右から、高村奈津子さん、柴田広夢さん、千田絵美さん、椿奈緒子さん)

昔は「寿退社」

 「寿退社(ことぶきたいしゃ)」という言葉を知っていますか? 結婚を機に女性が会社をやめることですが、ほとんど聞かなくなりました。第1子出産を機に仕事をやめた女性の割合は、1985~2009年は6割ほどでしたが、2010~2014年は46.9%と半数を割りました。結婚・出産を経ても働き続ける女性が増えています。

 男女平等や女性が働き続けることに対する社会の意識が変わったことなど様々な要因がありますが、政府も「働き方改革」「女性活躍」をキーワードに、女性が働き続けやすい環境を整えようとしています。労働力人口の減少を補って経済成長につなげようという狙いです。

 背景には、日本が世界の中でも男女格差の大きな国だという実情があります。経済、政治、教育、健康の「男女格差ランキング」(世界経済フォーラム、2016年)で、日本は144カ国中なんと111位。上場企業の役員に占める女性の割合も、わずか3.4%と先進国の中で極端に低いことがあります(内閣府、2014年)。

フルタイム復職を後押し

 今日の記事では、産休・育休後に早めにフルタイムで働けるよう支援している企業の取り組みを紹介しています。
ライオン 2008年以降、出産が理由の退職者はほぼゼロになる一方、管理職に就く女性社員の少なさが課題に。復職後もキャリア形成への意欲を維持してもらうため、2015年から復職前セミナー、短時間勤務(時短)者が始業・就業時間を自分で決められるフレックス制度、時短が不利にならない人事評価制度を導入。
ダイキン工業 生後6カ月未満で復職した社員に、ベビーシッター代や延長保育料に使える補助金を1年間、通常の3倍の60万円に増額する制度を2014年に導入。ベビーシッターを無料で1カ月使えるサービスも。2015年にはフルタイム移行支援策として、小学生までの子をもつ社員対象の在宅勤務も制度化。
群馬銀行 今年2月から、子が1歳半になるまでにフルタイムで復職した行員に月3万円を支給。親との同居が多い地域性から、親に預けて復職できる人の背中を押す狙い。
三菱東京UFJ銀行 昨秋「子どもと一緒に親も伸びよう」と呼びかける冊子をつくり、「自分の人生も大切に」「時短解除=残業宣言ではない」とのメッセージ掲載。キャリア志向でない行員にもフルタイムへの復帰を促す。同行では約1600人が産育休を取り、約1100人が短時間勤務をしているが、3歳以上の子を持つ女性の時短率が5割超から4割に下がった。

(写真は、ライオンで営業職で復職した福原裕子さん=右。入社3年目の後輩とペアを組んで働く。同期の女性社員は皆、営業の一線を離れた=名古屋市内)

増えるマタハラ相談

 一方で、妊娠や出産を理由に不利益な取り扱いをするマタハラが社会問題になっています。2015年度に全国の労働局にあった相談件数は4762件で、2年連続で過去最多を更新しました。妊娠を理由とした降格を違法とした2014年の最高裁判決などが影響しているとみられますが、まだまだ古い意識の会社も多いことがわかります。

どうやって見極める?

 働き続けやすい会社とマタハラをするような会社をどうやって見分けたらいいのでしょう? まずは、採用ホームページなどで志望企業の制度や取り組みを調べましょう。今年はとくに「働き方改革」「女性活躍」が注目されているため、説明会などで「働きやすさ」を強調する会社が増えました。休みや残業の話はこれまで聞きづらい質問でしたが、今はそんなことはありません。説明会やOB・OG訪問で社員に遠慮なく尋ねて下さい。ただ、しょっぱなからこうした質問をすると、仕事への意欲を疑われかねませんから注意してくださいね。

 「就職四季報 女子版」などで客観的なデータも調べてみましょう。男女別の離職率や女性の採用実績のほか、産休・育休の期間・給与と取得人数、女性の既婚者数といった数字を見ることができます。企業の回答欄には「NA(ノーアンサー)」もありますが、それも一つの情報です。

 女性の働き方については、「あきのエンジェルルーム」(連載は終了)のコーナーにアドバイスがたくさん書いてあります。見出しを選んで読むことをお勧めします。

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