ニュースのポイント
月曜日の「ニュース★あらもーど」で紹介した
人工知能(AI)搭載のスマートスピーカーを、米国のアップルが年内に米国、英国、オーストラリアで売り出すと発表しました。スピーカーに話しかけるだけで、音楽を聴けたり、ほしい情報を得たり、家電を操作したりできる便利グッズです。「スマホの次」を左右するとも言われ米国で大ブレーク中ですが、日本での発売はこれから。いったいどんなものなのでしょう? 日本企業はどうするのでしょう?(編集長・木之本敬介)
今日取り上げるのは、経済面(8面)の「AIスピーカー参入/強みの音楽でアップル勝負」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)です。
(写真は、米サンノゼで発表されたアップルのスマートスピーカー「ホームポッド」を撮影する報道陣)
スマートスピーカーって?
写真(アップル提供)はアップルが発表した「ホームポッド」(349ドル=約3万8000円)です。高さが17センチほどの円筒形で、音声を聞き分けるアップルのAI「シリ(Siri)」を搭載しています。
スマートスピーカーとは、AIによる音声認識機能を備えた、ネットにつながるスピーカーのこと。「今日の経済ニュースは?」「今日のプロ野球の結果は?」「明日の天気は?」などと聞けばネットで調べて音声で答えてくれます。「○○の曲をかけて」「今週のヒット曲をかけて」と言えば、自動で再生してくれます。ほかにも、レストランの予約や飛行機のチケット購入、通販での買い物なども。さらに、IoT(Interet of Things、モノのインターネット)でつながった電灯やテレビ、冷暖房など家電も操作できます。家から持ち出せば、車で移動しながらアポイントを変更したり、音声通話でミーティングしたりできるようです。
スマホに音声での検索機能はありますが、これまではキーボードやタッチパネルで行っていた様々な操作が声でできるようになるわけです。IT機器が苦手なお年寄りも含めて、幅広い世代に広がる可能性がありますね。
米国で大ヒット、競争激化
スマートスピーカーで先行したのは米ネット販売大手アマゾンです。「エコー」(写真)(約180ドル)は2016年だけで500万台を超える大ヒットを記録。グーグルも「グーグルホーム」(定価129ドル)を出し、マイクロソフトも今年の秋に米国で発売する予定です。後発にもかかわらず、アップルのホームポッドは、約4000万曲を聴ける音楽配信サービス「アップルミュージック」とつながることと高音質を売りに349ドルと強気の価格設定で挑みます。
米国市場ではエコーシリーズが7割を占めて独走していますが、米調査会社ガードナーは2020年までにスマートスピーカーの世界市場が20億ドル規模になると見込んでいます。iPad、iPod、iPhoneなどで世界のIT市場をリードしてきたアップルがどこまで追い上げるかに注目してください。
日本では?
日本では、グーグルホームが今年中に発売される予定ですが、ホームパッドの日本での発売は来年以降になりそうです。そんな中、日本語に対応したスマートスピーカー「WAVE」(写真はイメージ=LINE提供)を、今年の夏に日本と韓国で売り出すと発表しているのが無線通信アプリのLINEです。LINEが手がけるニュースや音楽の配信サービスと連携して先行展開し、顧客を囲い込む狙いです。
NTTドコモなどの通信・IT系企業のほか、シャープなど家電メーカーもスマートスピーカーを開発中と言われています。さらに、iPadやiPhoneもそうですが、小型のIT機器には日本の電子部品メーカーのパーツが多く使われています。スマートスピーカー市場の広がりは、IT分野に強いメーカーには追い風になるかもしれません。
面接でこんな最新機器の最新ニュースについて語れると、業界への熱意が伝わりますよ。
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