ニュースのポイント
(朝日新聞社教育コーディネーター 一色清)
今日取り上げるのは、3面の「ロッテ創業者ら在宅起訴 政界工作遠い解明 韓国検察」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。
(写真は、ソウル中心部にあるロッテホテルとロッテ百貨店。韓国のロッテは、化学からデパートまで幅広い事業を展開しています)
最近、どうして創業家と経営陣との内紛が多いのでしょうか。おそらく「会社は誰のものか」という考え方が変わってきたためではないでしょうか。
かつてなら、会社は創業家のものと当たり前に考えられ、経営者の世襲も当たり前でした。それが、「上場企業であればすべての株主や関係者を視野に入れた統治が必要」という考え方にかわってきています。そのあたりで創業家と経営陣との考え方にズレが出てくるわけです。
一方で、経営陣も昔のように自由にはできなくなりました。会社とのつながりの薄い社外取締役が義務づけられ、おかしな人事などはチェックされます。創業家が何でもやりたいようにできる時代でなくなったわけです。
いずれにしても、内紛のある会社は不安定です。これから内紛が起こるかどうかの見極めは難しいと思いますが、ヒントはあります。そのひとつは、「あまりに強い経営者」(創業者でなくても)の存在です。強い経営者がいる会社は、強力なリーダーシップで大きく成長する魅力的なところも多くあります。一方で、どんなに優秀な人でも老いると判断を間違えることがあります。わが子可愛さからおかしな人事をすることもあります。そのときに経営者に異論を言って聞き入れられるような民主的な会社でないと、経営者が衰えたり、亡くなったりすれば、不満が噴き出ることになります。会社もある程度民主的でないと、長期的にはリスクがあるのだと思います。こうした会社の雰囲気は、OB・OG訪問などで社員にじっくり話を聞けば感じ取れるものです。直接、社員に話を聞くことが大切です。
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2025/04/02 更新
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