2016年08月23日

商社・メーカー・インフラ…アフリカ市場を狙え

テーマ:国際

ニュースのポイント

 日本が主導してアフリカ54カ国が参加する「第6回アフリカ開発会議(TICAD6)」が、今週末、ケニアのナイロビで開かれます。安倍晋三首相、経団連の榊原定征会長のほか、日本企業150社以上も商談などに訪れるため、総勢2000~3000人の大訪問団となります。アフリカは「最後のフロンティア」とも呼ばれます。みなさんが会社の中軸として働くころには、アフリカは多くの企業にとって最大級の市場になっているかもしれませんよ。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、総合面(3面)の「アフリカ市場 狙う企業/開発会議にあわせ150社現地へ/中間層拡大 消費財に商機」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。

TICADとは

 TICAD(ティカッド)は、Tokyo International Conference on African Developmentの略。アフリカの開発をテーマにした国際会議で、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行と共同で開催しています。1993年以降、東京や横浜で5年ごとに開いてきました。6回目の今回は初めてのアフリカでの開催。今後は3年ごとに日本とアフリカで交互に開かれます。

 現在、約11億人のアフリカの人口は2050年には倍以上の約25億人になるとみられています。日本など企業にとってアフリカはこれまで、主に原油などの化石燃料や金やダイヤモンドなどの鉱物を先進国に供給する資源開発ビジネスの場でした。でも、これからは経済の発展とともに食料や生活用品などの消費が拡大するため、巨大な市場になるのは間違いありません。当初は貧困層支援の側面が強かったTICADも、現地から日本企業に投資してほしいとの求めがあり、大挙してナイロビ入りすることになりました。

日清、マキタ、豊田通商

 今日の記事では、日清食品ホールディングスの即席麺がケニアで人気商品になった例や、電機工具大手マキタがカメルーンにショールームをつくったケースを紹介しています。マキタは、住宅の建設が増えてドリルなどの需要が拡大すると見込んでいます。マキタの進出のパートナーとなったのは、トヨタ自動車系商社の豊田通商です。

 発電、交通、通信網などのインフラ整備、食料、日用品などの生活用品、小売り・流通などありとあらゆる業界にチャンスがありあそうです。自分の志望する業界・企業がアフリカでどんなビジネスをしているのか、これから展開する可能性があるのか、企業ホームページなどで調べてみてください。

中国に追いつけ!

 大きなビジネスチャンスがある市場を他の国も放っておくはずがありません。日本が先鞭をつけたアフリカ支援ですが、表にあるように今ではいくつもの枠組みがあります。中でも支援額が突出しているのが中国です。日本がTICADを初めてアフリカで開き、3年ごとに開催間隔を縮めた背景には、経済・外交面で勢力を拡大する中国に対抗する意味もあるわけです。

 ただ、アフリカにいる日本人が1万人ほどなのに対し、中国人は100万人以上いるそうですから、存在感もかないそうにありません。日本企業ならではの商品やサービスの質で市場を広げてほしいものです。

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