ニュースのポイント
米国の大統領選挙が事実上スタートしました。今のオバマ大統領は2期8年で来年1月に退任するため、誰が選ばれるのか世界中が注目しています。秋までの長丁場ですから、これから大統領選関連のニュースがたくさん報じられます。これからの米大統領選報道を理解するため、まずは仕組みを知っておきましょう。(編集長・木之本敬介)
今日取り上げるのは、1面トップの「米大統領選 指名争い開幕/民主 僅差(きんさ)でクリントン氏/共和 クルーズ氏先勝/アイオワ州」です。総合面(2面)の「いちからわかる! 米国の新しい大統領 どうやって決めるの?」「反主流候補 勢い」、国際面(13面)「党員集会 候補どう選ぶ」、オピニオン面(16面)「社説・世界の難題、論戦を」も関連記事です。
記事の内容は――米大統領選の本格的な幕開けとなる民主、共和各党の候補者選びが1日、アイオワ州党員集会で始まった。民主党は、クリントン前国務長官(68)が勝利宣言をしたが、サンダース上院議員(74)との支持者獲得率の差は1ポイント未満で、ほぼ互角だった。共和党は、保守強硬派のクルーズ上院議員(45)が、実業家のトランプ氏(69)を抑えて勝利した。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
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昨年11月6日の今日の朝刊「誰がなっても『初』づくし? 米大統領選の『基本のき』学ぼう」でも基本的な構図を説明しているので、読んでみてください。民主党は「クリントン氏vs.サンダース氏」の争いで変わりませんが、共和党はこの時に書いた「トランプ氏vs.カーソン氏」から「クルーズ氏vs.トランプ氏」の戦いに変わりました。アイオワ州でカーソン氏は4位と出遅れました。
大統領選の本番は今年の11月8日です。それまでの9カ月もの間に何が行われるのでしょうか。
米国は民主党と共和党の「二大政党制」の国なので、大統領選はたいてい両党の一騎打ちになります。今回は、それぞれの党の公認候補を決めるための党内の戦いが始まったところです。これから激しいトップ争いが繰り広げられ様々なドラマが展開されますから、「レース」として見てもとても面白いと思いますよ。
「米国大統領選の流れ」の図にもありますが、これからの流れを整理します。
【2~6月】全米50州などで、民主党と共和党が
予備選挙や党員集会を順次開く。党員の中から「
代議員」と呼ばれる地域の代表を複数選び、間接的に大統領選の候補を指名する。党員集会は主に話し合いで、予備選は投票で選ぶ。代議員の数は州ごとに決まっている。
【7月】民主、共和両党が全国大会で公認候補を決める。最も多くの代議員から指名を受けた人が正式な候補になる。
【8~11月】両党候補による選挙戦を経て、11月8日に大統領選挙が行われる。大統領選も、国民一人ひとりが候補者に投票する
直接選挙ではなく、全米535人の選挙人を選ぶ
間接選挙。選挙人は誰に投票するかを誓約している。
大手企業で今年の採用選考が始まる6月には、両党の候補が事実上決まっているかもしれませんし、まだデッドヒートを繰り広げているかもしれません。いずれにしても、誰が大統領になるかは日本の企業にとっても大きな関心事ですから、どこで話題になるかわかりません。これからの報道に注目してください。
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