ニュースのポイント
3月1日の会社説明会解禁まであと1カ月を切りました。2月はあっという間に過ぎてしまいますから準備を急いでくださいね。「就活には新聞」という話をよく耳にすると思います。日本航空(JAL)と大手IT企業に内定した先輩2人が、紙の新聞や朝日新聞デジタルをどう就活に活用して成功したかを語ってくれました。面接でよく聞かれる「最近気になるニュース」対策から、とっておきの活用法まで、すぐに実践できるものばかりです。(編集長・木之本敬介)
今日取り上げるのは、朝日新聞デジタル特集面(17面)の「就活 朝デジ効いた/面接前 ニュースチェック・業界の記事 自動で収集」です。朝デジ活用法を語ってくれたのは、JAL客室乗務職(CA)に内定した立教大4年の伊藤紗弓さん(写真左)と、大手IT企業に内定した上智大4年の長坂舞さん(写真右)。
記事の内容は――長坂さんは先輩の体験談から「みんなが行きたい業界・企業の内定をもらっている人は、新聞を読んでいる」と知り、3年生になってからしっかり読み始めた。伊藤さんは大学1年で参加した就職フェアで「新聞と就活はリンクしている」と気付き、天声人語の書き写しを始めた。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
2人とも新聞の活用方法を具体的に語ってくれていて、とてもわかりやすいので、以下に整理してみます。
【1面コラム「天声人語」の書き写し】
・「天声人語書き写しノート」の左上欄に、その日の1面の見出しをメモし、面接の「最近の気になるニュース」対策に利用。書き写すことで頭に入るうえ、簡単に見返すことができた(伊藤さん)。
・文章力がつき、手書きのエントリーシート(ES)が苦ではなくなった(長坂さん)。
【最新ニュースチェック】(長坂さん)
・面接前にスマホで朝デジの最新ニュースをチェック。
・集団面接で「我が社に関係する気になるニュース」を聞かれ、自分だけ答えられたことが2回あった。
【志望業界の追っかけスクラップ】(伊藤さん)
・キーワードを登録すれば記事を自動的に集めてくれる「MYキーワード」機能を活用。CA志望の伊藤さんは「日本航空」「全日本空輸」「客室乗務員」「空港」「
LCC」を登録。記事を印刷してファイルにスクラップし、大切なところに線を引いて、自分の考えを一言書き込んだ。(写真は、伊藤さんが作った「エアライン追っかけスクラップ」とMYキーワードの画面)
【新聞の1面だけ保存】(長坂さん)
・1面だけをビリッと破って保存し、時間があるときにパラパラと見返した。1面には絶対に押さえるべきニュースや天声人語があり、裏の2面にはニュースをQ&A形式でわかりやすく解説した「いちからわかる!」があり効率的。
伊藤さんは「志望業界追っかけスクラップ」が実際の面接のネタになった例を挙げています。どんな記事かに注目してください。
◇JAL→障害者対応やサービス介助士の記事
◇銀行→振り込め詐欺の記事
◇ホテル→入れ墨・タトゥー客の温泉入浴の記事
いずれも各業界にとって大切なうえ、面接で話しやすいテーマですよね。でも企業のホームページや会社説明会ではなかなか出てこない話題です。採用担当者に「企業研究がよくできている」「うちの会社のことをよく調べてくれている」と感心されたそうですが、新聞を使って業界・企業研究をしておくと、こういうホットで身近なネタに出会えます。新聞を読んでいるかどうかで決定的に差がつくポイントです。
長坂さんは「経済専門紙だと専門的過ぎるが、朝日新聞は身近な話が多く、面接で自分に引きつけた問題として話しやすかった」と語っています。「気になるニュース」など時事的なテーマについて語るとき、評論家のようにただ事実をなぞるだけでは相手に響きません。「自分ならどうする」「自分はこう考える」と、自分に引きつけて語ると説得力がぐっと増します。伊藤さんのように、印刷した記事をスクラップするときに自分の意見を一言でも書いておくと、面接ですぐに使えますよ。
なぜ企業は「気になる記事」や時事問題を問うのでしょう? 今日の記事で篠原真喜子・朝日新聞社就活キャリアアドバイザーは「社会人になって自分の身の回りのことにしか興味がないようでは困るからです」と語っているように、企業は社会に関心のない人は求めていません。人気企業の採用担当者インタビュー「人事のホンネ」のコーナーには、「アンテナ」という言葉がよく登場します。世の中にアンテナを張るのに、新聞ほど身近で便利なツールはありません。
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