2015年10月27日

常陽銀・足利HD統合へ 有力地銀がなぜ再編?

テーマ:経済

ニュースのポイント

 常陽銀行(水戸市)と足利銀行を傘下に持つ足利ホールディングス(HD、宇都宮市)が経営統合に向けて交渉していることがわかりました。この数年、地方の金融を支える有力な地方銀行の再編が全国各地で進んでいます。背景にあるのは、人口減少と地域経済の衰退。地銀は、金融志望者や地元で働きたい人には有力候補だと思います。今後の動きに注目してください。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、1面の「常陽銀・足利HD統合、地銀3位へ/総資産15兆円 来月にも合意」です。経済面(6面)に関連記事「有力地銀 進む再編/人口減・産業衰退を懸念」があります。
 記事の内容は――常陽銀と足利HDの統合が実現すれば、総資産は約15兆円と、全国の地方銀行グループ3位の規模になる。隣接する茨城、栃木両県の最大手地銀同士の統合で、互いに経営基盤の強化を狙う。関係者によると、11月にも基本合意する見通し。常陽銀は茨城県を中心に北関東に展開する地銀大手で、総資産は約9兆円と地銀トップクラス。足利銀は2003年に経営破綻(はたん)して一時国有化されたのち2013年に再上場した。総資産は約6兆円。地銀業界では規模拡大の動きが相次ぐ。深刻化する人口減少で、預金者や預金量の目減りに加え、地場産業の衰退によって企業への貸し出しが減る恐れがあるからだ。経営が苦しい地銀の「救済色」は薄れ、有力地銀が統合する事例も目立つ。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 昨日、人気企業の採用担当者インタビュー「人事のホンネ」で、りそな銀行を取材しました。中小企業の経営者にじっくり話を聞き企業の未来のあり方を提案したり、地域の多様な企業・団体の間をとりもって振興に貢献したりする仕事を熱く語る姿に感銘を受けました。インタビューの詳細はしばらくお待ちください。

 一方で、いま話題のテレビドラマ「下町ロケット」(TBS系)では、資金繰りに行き詰まった中小企業「佃製作所」への追加融資を冷たく断るメインバンクが登場します。25日の第2回放送では、佃製作所の資金繰りが好転すると、銀行の支店長が態度を一変させて取引継続を求めて頭を下げに来ました。しかし、佃側は「一番困っているときに助けてくれなかった」として一蹴。メインバンクを別の銀行に乗り換えると宣告します。視聴者としては、胸がすく場面です。ドラマですから分かりやすく描いているとはいえ、地域密着型の銀行の意義や役割を考えさせられます。

 地銀はまさにこうした地元に根付く企業のメインバンクとして、地方の経済を支える存在です。図を見てください。その地銀の再編が相次いでいます。常陽銀、足利HDの両行をはじめ統合に動いている地銀の多くは、いま経営が苦しいわけではありません。しかし、人口減少と地場産業の衰退は全国の地銀が抱えている共通の課題です。今後30年以内に、すべての都道府県で人口が減少に転じるという試算もあります。手を打たない限り、長期的にはじり貧に陥るのは間違いないため、各地の有力銀行同士が手を組む再編が多くなっているわけです。規模の拡大による経営効率化や、過度な競争をやめられるといったメリットがあります。

 大正銀行と統合するトモニHDの遠山誠司社長は「経営統合は体力があるうちにするのがベスト。しんどくなってから統合しようとしても、誰がそんなところ引き取りますか」(15年6月11日、朝日新聞朝刊)と言い、肥後銀と統合した鹿児島銀の上村基宏頭取は「これから預金が減り、貸し出しが減る。10年後では遅すぎる」(同4月7日朝刊)と語っています。統合した銀行も含め地銀は全国に105行がひしめいています。今日の6面の記事で北関東の地銀幹部が「今度こそ関東でドミノが起きる」と言っているように、これからも再編が続く可能性があります。

 地銀再編については、2014年11月13日の今日の朝刊「続く地銀再編、志望業界の厳しい面も知ろう」でも取り上げました。こちらも読んでみてください。

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