ニュースのポイント
国内最大の家電・情報技術の見本市「シーテック ジャパン」が開幕しました。日立製作所、ソニー、東芝という家電の「大御所」が参加していない一方で、近畿日本ツーリストや楽天が初めて参加するなど業種が広がっています。キーワードは、あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT=アイ・オー・ティー(Internet of Things)」。今後さらに業種が広がりそうです。大規模な見本市や展示会では、各業界の最新事情や状況がわかり、未来を垣間見ることもできます。(編集長・木之本敬介)
今日取り上げるのは、経済面(8面)の「電機の未来 ネット旋風/見本市『シーテック』開幕/買い物や旅行 次世代を提案/出展 幅広い業種から」です。
記事の内容は――千葉市の幕張メッセで開幕した「シーテック ジャパン」には、IoTの広がりで幅広い業種が加わった。初出展した楽天のブースでは、デジタルサイネージ(電子看板)とスマホをネットでつなぎ、スマホをかざせば買い物ができる仕組みを展示(写真)。近畿日本ツーリストは、めがね型の端末「スマートグラス」をかけると目の前に古い街並みが映し出される「次世代型の旅行」を提案した。いずれも、IoTの進化でモノがネットにつながった実例。電機メーカーもIoTを使った家電を前面に打ち出す。「ともだち家電」を掲げるシャープは「冷蔵庫にある食材でご飯をつくりたい」と話しかけると、画面にレシピが表示される電子レンジを出品。パナソニックのブースでは、就寝中の心拍数などから体調を判断して、おすすめの料理や化粧の仕方が鏡に映し出された。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
2000年に始まったシーテックの主役は家電メーカーでしたが、2013年に日立、2014年にソニーが参加を見送り、今年は不正会計問題がおきた東芝を加え、大手3社が参加しませんでした。各社とも、国際競争に敗れたテレビなど消費者向けのBtoC(Business to Consumer)ビジネスを縮小し、より収益が安定している企業向けのBtoB(Business to Business)事業に重点を移しているためです。一方で、2012年から自動車メーカーが目立つようになり、電気自動車が並びました。今年も自動運転技術関連の展示が目立ちます。
昨年は電子部品メーカーによるロボットの展示が注目されました。今年も、電子部品大手のロームが、人が振った杖の動きに応じて音を出すロボット「カラクリ音楽隊」を出展、オムロンは昨年出展した「卓球ロボット」の進化形を展示しました。
そして、今年の主役はIoTです。記事にあるパナソニックやシャープのほか、富士通も食材にスマホをかざすとお薦めメニューを表示する仕組みや、スニーカーに埋め込んだセンサーでデータを集めて健康管理に役立てるシステムを出展しました。電子部品メーカー各社も、IoTに欠かせない通信部品などを中心に、独自の技術をアピールしています。
幕張メッセや東京ビッグサイトなどの展示場では、自動車のモーターショー、電機、住宅、建設、エネルギー、IT、教育、福祉、書籍など多様な業界の見本市や展示会が開かれます。業界・企業の新製品やサービスに触れ、最新情報をゲットするまたとないチャンスです。社員と直接話をすることもできます。興味のある業界の見本市や展示会に足を運んでみましょう。
電機業界の展示会に通い詰めたことが音響メーカーの内定につながったという先輩もいます。「就活体験レポート 展示会に通い詰め企業に本気度アピール」を読んでみてください。
ちなみに、シーテックは公式ホームページで事前登録すれば無料で入場でき、最終日の10日(土)は事前登録なしでも無料で入れるそうです。
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