2015年08月20日

甲子園にヒントあり 裏方の経験が就活で響く!

テーマ:スポーツ

ニュースのポイント

 夏の甲子園の熱戦は今日の決勝戦で幕を閉じます。今大会は、早稲田実業の清宮選手や関東一高のオコエ選手ら、スター選手の華やかな活躍で盛り上がりましたが、彼らだけで野球はできません。試合に出られなかった選手やアルプス席で声を枯らした部員、ユニホームの洗濯に追われたマネジャー、記録員……。自分の役割を一生懸命に果たした人たちがいます。みなさんにもそんな経験があるはず。面接で大いに語ってください。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、スポーツ面(21面)の「はま風 コンバート、成長の糧/早稲田実・佐藤純平選手」です(写真は佐藤選手)。
 記事の内容は――小1から捕手だったが、強肩の加藤が捕手にコンバート(専門の守備位置を変えること)され自分は一塁手に。この春、レギュラーになった矢先、今度は清宮が入部し一塁手の座を奪われた。でも、気持ちをすぐ切り替えられるくらい清宮はすごかった。捕手に戻った。西東京大会決勝で代打に起用された。和泉監督は「ブルペンの様子の報告が冷静で、佐藤に賭けよう、と」。適時打で逆転の足がかりを作った。4人の継投で戦う今年のチームは、そのタイミングや投手の状態の見極めが勝敗を分ける。監督はどっしりと構える姿勢を認めてくれていた。甲子園の準決勝でも、監督から継投の相談を受け、代打で打席にも立った。これからもくじけるもんか。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 朝刊のスポーツ面には連日、各校の中心選手の活躍が大きく報じられてきましたが、その片隅に「はま風」というコーナーが載っています。グラウンドで活躍した選手より、裏方としてチームを支えた高校生にスポットをあてるコラムです。
 
 レギュラーとして活躍した人の話は魅力的です。でも、レギュラーになれなかった、ベンチに入れなかった、それでもチームで自分の役割を見つけて一生懸命頑張った人。マネジャーとして裏方に徹して毎日コツコツとチームを支えた人。挫折したり、失敗したりしても、それを乗り越えて何かに取り組んだ人。こうした人の経験談も人の心に響くものです。

 企業もチームです。エースや4番打者だけで試合はできません。野球に、足の速い選手、堅い守りの選手、送りバントのうまい選手が必要なように、企業もいろいろなタイプの社員が必要です。記事で取り上げた佐藤選手のように、挫折を努力で乗り越え、冷静な判断力がある人を求める企業も多いはずです。

 甲子園に出場した49代表だけでなく、地方大会に参加した3906校のすべての野球部員、マネジャー、応援部、ブラスバンド部……一生懸命に取り組んだ一人ひとりにドラマがあります。いや、高校野球だけではありません。他のスポーツでも、文化部でもサークルでも同じです。学園祭で裏方に徹した人、ゼミ運営の中心を担う人、アルバイトの現場責任者を任された人。失敗しても頑張った経験がありますよね。企業が求めているのは、特別な経験ではありません。そうしたみなさんの頑張りです。その経験を説得力あるストーリーとして語れるかどうかにかかっています。

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