2015年04月23日

君のES、情景浮かぶ? 新聞投稿にヒントあり!

テーマ:就活

ニュースのポイント

 そろそろエントリーシート(ES)に本格的に取り組み始めた人も多いと思います。ESで何より大切なのは、あなたがどんな人間なのかを、あなたを全く知らない人にわかりやすく伝えることです。新聞の読者投稿欄も、見ず知らずの多くの読者にわかりやすく伝えるのがポイントです。朝日新聞生活面の投稿欄「ひととき」にESの書き方を学びます。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、生活面(28面)の「みんなのひととき/私の言葉 社会とつながる」です。
 「ひととき」は60年以上続く女性読者からの投稿欄で、育児の悩みや喜び、趣味の楽しみや介護の大変さなど、日常生活にまつわるさまざまな投稿が毎日載ります(日曜日だけは男性読者からの「男のひといき」)。「みんなのひととき」では、昨日はエッセイストの岸本葉子さんに、今日は実際に投稿している読者に、投稿のコツを聞いています。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 「みんなのひととき」から、ESでも活用できるポイントをピックアップしてみます。
◆「若い人の中にはブログやSNSで文章を書いている人も多いでしょう。こうした情報は、年代や趣味など共通の土台がある人の間で共有される傾向が強いと思います」
◆「『自分の書きたいこと』を『他者が読みたくなること』にするのがポイントです。投稿は読み手がいて完結する文芸です。自分以外の人も興味が持てる題材を選び、読みやすい文章を心がけましょう」
⇒みなさんもLINEやフェイスブック、ツイッターなどで、毎日のように文章を発信している人が多いと思います。こうした知っている人とやりとりする文章とESの文章は別物です。ESも投稿と同じで、自分が書いて満足すればいいという文章ではありません。「読み手=企業の採用担当者」に興味を持ってもらえる内容を、読みやすい文章で書かなければなりません。ESには質問項目がありますから、的外れにならないよう的確な内容を考え、わかりやすくて読みやすい文章を心がけましょう。

◆「ひとときは500字以内。この文字数で読み手に伝えるには、エピソードを具体的に記す一方、書くことを絞って無駄を捨てる勇気が必要です。いろいろ詰め込むと、一番言いたいことが伝わりにくくなるからです」
⇒ESは1項目200~400字程度の場合が多いと思います。ESにも具体的なエピソードを盛り込めと言われますよね。すると長くなりがちです。はじめは書きたいことを書きたいだけ書いて、そこから削っていく作業が重要です。何を伝えたいのかを見極めて絞り込んでいくと、無駄のない読みやすい文章になります。

◆「他人に読んでもらい、感想を聞くのも参考になります」
⇒ESも必ず他人に読んでもらいましょう。自分の文章の善し悪しは、自分では客観的には判断できません。新聞社でも、記者が書いた原稿は「キャップ→デスク→編集者→編集長→校閲記者」と多くの人の目を通って、よりよい内容のよりわかりやすい記事にして紙面化されます。ESを誰にも見せずに提出するなんてあり得ないと心得てください。できれば志望企業のOB・OGや社会人などあなたを知らない人に、無理ならキャリアセンターなどで見てもらいましょう。いなければ友人や親でも構いません。

◆「一息ついて走り書きを見返すと、『自分が何を一番書きたいのか、頭の整理ができる』という。難しい言葉は使わない。1日置いてから見返すと、思いがけず気に入った表現が浮かぶことがある」
⇒他人に読んでもらう前にも、読んでもらって書き直した後にも、何度も読み返しましょう。文章は読み返し、書き直すほど良くなるものです。世の大作家も文章を何度も推敲(すいこう)して書き直します。1日置いて読み直し、書き直すのもオススメです。

◆「必ず読み返し、情景が浮かぶかを確認する」
⇒これ、とっても大切です。ESに盛り込んだエピソードを読んで、情景、場面が浮かぶかどうかがポイント。頭の中にそのときの映像が浮かぶようなESは、読み手に必ず伝わります。誰かに読んでもらって確認してください。

 ESには新聞投稿と異なる点もあります。ESはじっくり読んではもらえません。人気企業の採用担当者が1通のESを読むのにかける時間は2~3分だと思います。わかりやすいように見出しを付ける、結論から書く――など、投稿(エッセー)とは違う工夫も必要です。

 今日の教育面には、「いま子どもたちは/ユーチューバー①動画投稿 青春みつけた」が載っています。最近は、自己PRの動画を提出させる企業もあります。PR動画提出の課題がある人には参考になりそうです。

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