2014年12月19日

米・キューバ国交交渉で歴史を学ぼう

テーマ:国際

ニュースのポイント

 米国とキューバが国交回復に向けて動き出しました。53年ぶりという大きな転換点とあって国際的な大ニュースになっています。キューバといえば、野球と観光くらいしかイメージがわかない人、今日はキューバをめぐる現代史を学びましょう。

 今日取り上げるのは、総合面(2面)の「いちからわかる!/米国とキューバ なぜ仲が悪かったの?」です。ほかにも、1面「秘密裏交渉、1年半/ローマ法王が仲介」、1面「天声人語」、2面「時時刻刻・国交交渉 透ける実利」、12面「接近どうみる」、13面「亡命キューバ人 反発と期待」、16面「社説・正常化への流れ加速を」も関連記事です。
 記事の内容は――100年以上前、キューバはスペインから独立したが、独立戦争に米国が参戦して、事実上、米国の支配下に置かれた。1950年代には、米国の半植民地の状態で国民は親米政権に反発。反政府勢力としてフィデル・カストロ氏やチェ・ゲバラ氏が率いるキューバ革命軍が親米政権を倒した。カストロ政権は1960年に米系資産を全面接収し一気に米国と対立。米国は援助打ち切りや輸出禁止措置などで対応し、1961年に国交断絶に至った。米国と旧ソ連が対立する冷戦時代、キューバは旧ソ連に近づき、社会主義体制に転換。1962年にはソ連のミサイルのキューバへの搬入を巡って米ソが対立し、あわや核戦争かという「キューバ危機」も起きた。その後、ソ連崩壊で支援物資が途切れてキューバ経済は困窮、米国に経済制裁解除や国交正常化を訴えてきた。日本とキューバは1929年に国交を樹立してから基本的に良好な関係にある。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

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 キューバは米国の南、フロリダ半島の目と鼻の先にあるカリブ海の小さな島国です。カリブ海は「米国の裏庭」とも言われますが、ずっと対立が続いてきました。有名な「キューバ危機」は教科書で習ったと思いますが、復習です。
【キューバ危機】1962年、ソ連がキューバにミサイル基地を建設していることがわかり、ケネディ米大統領がキューバを海上封鎖。核戦争寸前まで緊張が高まったが、米国がキューバに侵攻しないことを条件に、ソ連のフルシチョフ首相がミサイルを撤去して衝突は回避された。

 今日の記事に出てくるフィデル・カストロとチェ・ゲバラは、キューバ革命の中心人物です。2人についても押さえておきましょう。
【フィデル・カストロ】キューバの政治家で社会主義革命の指導者。ゲリラ戦で1959年に当時のバティスタ政権を倒し首相に就任。長年、国家元首である国家評議会議長職と軍最高司令官としてキューバを率いてきたが、2008年に高齢を理由に退任。現在は弟のラウル・カストロ氏が国家評議会議長に就いている。

【チェ・ゲバラ】南米アルゼンチン出身の革命家。キューバ革命に参加し、カストロ政権で要職を務めたのち,ボリビアの革命運動に加わり政府軍に殺された。「キューバ革命の英雄」と称され、その生涯はたびたび映画化されている。

 国交正常化はオバマ米大統領の悲願でした。ロシアや中国がキューバとの関係を深めており、これに対抗する思惑や、大統領の残りの任期2年で歴史的偉業を残したいという思いもあると言われています。ただ、オバマ大統領の民主党に対し、米国の上下両院で多数を握る共和党は国交正常化に反対しており、簡単には進まない可能性もあります。一連の動きは来年の採用試験での時事問題で出るかもしれませんよ。

 日本とキューバの経済関係はそれほど大きくはありませんが、米国との関係正常化を受けて交流は盛んになるでしょう。商社や観光関係の業界志望者は注目です。キューバのロドリゲス外相は昨年、朝日新聞の取材に「医療研究や医薬品、バイオテクノロジーの分野で日本と協力したい」「先端技術やクリーンエネルギーなどの分野で、日本企業の誘致を期待する」と語りました。こうした先端技術分野でも関係が深まりそうです。

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