2014年03月18日

隣国・北朝鮮の実態を知ろう!

テーマ:国際

ニュースのポイント

 国連が北朝鮮の人権侵害に関する報告書を公表、これに合わせて朝日新聞と韓国・東亜日報は脱北者60人に共同調査を行い、北朝鮮による拷問や思想統制の実態を確認しました。北朝鮮は閉ざされた謎だらけの国ですが、その動向は日本の経済・社会に影響を与えます。どんな国なのか、いま何が起きているのか、知っておきましょう。

 今日取り上げるのは、1面トップの「北朝鮮、重い『人道への罪』/日・韓・カナダ 脱北者60人証言/本社・東亜日報共同調査」です。関連記事が総合面(2面)「ニュースがわかる!/北朝鮮から脱出した、脱北者ってどんな人?」「独裁国家 抑圧と腐敗/崇拝強要・密告促す・外国文化阻む」、国際面(13面)「脱北者が語る北朝鮮の日常/朝日新聞・東亜日報共同調査」です。
 記事の内容は――朝日、東亜日報の共同調査での証言は、収容所を使った恐怖政治や経済崩壊など多岐に及ぶ。50代女性は9歳のとき「父が朝、仕事に行ったきり、戻ってこなかった」と語った。周囲から政治犯になったと聞かされたが、何が原因かもわからない。政治犯収容所の解体作業に動員された60代男性は「土の中から子どもの人骨が出てきた。子ども用工具もあり、強制労働させられていたようだ」と証言した。配給制崩壊や特権層優遇に関する証言もあった。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 拉致被害者・横田めぐみさんのご両親が、めぐみさんの娘キム・ウンギョン(ヘギョン)さんと初めて面会して記者会見し、孫娘に会えた喜びと、そこに娘がいない複雑な心境を吐露しました。北朝鮮による拉致事件は、何の罪もない普通の人を突然連れ去り、家族から引き裂き、自由を奪い、意のままにするという、あまりにむごい犯罪行為です。日朝間の最大の問題である拉致については、別の機会に詳しく書きたいと思います。この拉致事件の根底にあるのが、北朝鮮という国の人権侵害であり、今日取り上げる脱北者の証言はそれを裏付けるものです。

 「正直な人間は餓死」「縛られ、12時間殴られた」「子の半数は字読めず」……国際面に並ぶ見出しは、脱北者の証言からとったものです。日本で生活している私たちにとって、北朝鮮で起きている人権侵害は、この現代社会で起きているとはとても思えない、信じがたい内容です。でも、たった今この時間にも、すぐ隣の国で起きている現実なのです。私たちは、人としてそこから目を背けてはいけません。北朝鮮の人権侵害をやめさせるために、直接できることはなかなか見つからないかもしれませんが、まずは事実を知ることが大切です。知ったうえで、日本政府の対応、対策を見守りチェックし、私たちにも何かできることがないか、考えてみましょう。

 北朝鮮は2445万人、日本の5分の1の人口を抱えています。金正恩体制が崩れるなど国家が崩壊するようなことがあれば、どんな政治・経済的な混乱が日本に、世界に及ぶのか想像もつきません。核開発の行方も気がかりです。北東アジアの一国の動向は、日本や韓国はもちろん世界の情勢をも大きく揺さぶります。だから金融機関、商社をはじめ、日本の経済界は北朝鮮の動向をいつも注意深く見守っているのです。みなさんも、こんな視点をもって、隣国に関する記事を読むようにしてください。マスコミ志望のみなさんは、時事問題への関心度として、北朝鮮問題について面接などで聞かれるかもしれませんよ。

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