2015年04月22日

入社式に親も参加…就活で親に相談していますか?

テーマ:就活

ニュースのポイント

 入社式に新入社員の親を招く企業があります。親子関係が密になってきたことに加え、企業には、家族を商品のファンに取り込んだり、どんな会社か理解してもらったりする狙いもあるようです。就活で親が前面に出るのはNGですが、相談に乗ってもらうなど親を頼るのも一策ですよ。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、社会面(37面)の「ニュースQ3/親も一緒に入社式…って時代の流れなの?」です。
 記事の内容は――4月1日、紳士服チェーンのはるやま商事(岡山市)の入社式には、新入社員の母親が2人参加した。参加できるかとの問い合わせがきっかけで昨年から父母が同席できるようにした。佐賀県を中心に薬局を展開するミズ(佐賀市)は2012年から、新入社員の隣に座ってもらう形で入社式をしている。親子関係の大切さを再認識し、社員同士も家族のように接していけるようにするためだ。親からは「(子の勤め先として)安心できた」といった感想が聞かれたという。社会保険労務士の庄司英尚さんは「(企業には)商品に愛着を持ってもらったり、会社をすぐに辞めさせないよう親を『味方』にしたりする狙いもあるのでは」と話す。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 私が若いころは、入社式はおろか、大学の入学式にも親が出席するなんて考えられませんでした。今は入学式への親の参加は普通のことです。記事で東大大学院教授の本田由紀さんや千葉商科大専任講師の常見陽平さんが言っているように、親の教育への関わりが強くなり、「親離れ」「子離れ」が後ろにずれ込んだのでしょう。

 入社式に親を招く会社にはIT系やベンチャーも少なくないと言われます。創業間もない会社や、若者の間では知られていても親世代には知名度の低い会社が、親にどんな会社かを知らせて安心してもらう戦略です。「そんな知らない会社はやめなさい」と親が入社に反対するケースもあるため、中には内定式に呼ぶところもあります。

 もう一つが自社の商品のファンを増やそうという会社です。サッポロビールなどのサッポログループの入社式は家族参加OKで、今年は新入社員89人と家族97人が参加しました。以前にも行っていたようで、サッポロホールディングスのホームページには「最も身近なご家族にサッポログループの商品・サービスを知っていただくため、1985年まで実施していた家族参加型の入社式を2013年より復活させています」と記されています。広島市のお多福ソースは30年以上、家族参加の入社式を開いています。消費者に近い食品・飲食業ならではと言えるかもしれません。

 今日の記事の中に、リクルートキャリアがまとめている「就職白書」の数字が載っています。「就職活動の相談相手」として「家族」を選ぶ大学・大学院卒業予定者の割合が、2012年の45.1%から2015年には53.9%に増えました。みなさんは就活のことを親に相談していますか? 親はもっとも身近な社会人です。相談したり、就活を機に親の仕事について聞いたり、知り合いの社会人を紹介してもらったり、スーツやカバン、交通費などの資金的援助をお願いしたり……頼らない手はありません。昨年7月30日の今日の朝刊「就活、親に頼らない手はない!」でも書いています。読んでみてください。親に今の就活を知ってもらうことも大切ですが、3月16日の朝日新聞朝刊には「就活 親の過干渉NG」も載っています。こちらは親に読んでもらってください。

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