ニュースのポイント
働くことは老後まで含めた人生の「安全網」を張ることであり、働き続ける土台の上に結婚や出産がある――「婚活」を広めたジャーナリストの白河桃子(しらかわ・とうこ)さんが「自活女子」を目指せと語りました。新入社員へのメッセージですが、就活中のみなさんにも贈りたい言葉です。
今日取り上げるのは、「働く」面(25面)の白河さんインタビュー「新社会人の君へ 私が贈る3カ条⑤/『自活女子』を目指して」です。
白河さんが贈る3カ条は、▽仕事は、老後までの「安全網」▽働き続けることは結婚の早道▽女性のお手本、職場で探して――。白河さんは、仕事には必ずしも崇高な理念ややりがいはなくてもよく、自分の食いぶちを自分で稼ぐ「自活女子」を目指せと言う。男性中心の会社での作法を学んで仕事の土台をつくり、いつかは子どもがほしいと思うのなら、仕事と子育てを両立している女性の先輩を観察することを勧める。若い女性に専業主婦志向が強まっているが、妻子を養うのに十分な収入のある男性はほんの一部。働き続けることが大事で、結婚や出産はその土台のうえにあると説く。「女性が働き続けると腹をくくれれば、結婚も出産もしやすくなります。結婚して辞めようと思うと、逆に結婚が遅れると思った方がいい」とも語った。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
「結婚できますか?」。会社説明会で学生からこんなストレートな質問が出ることがあります。ワークライフバランスが叫ばれる時代。忙しい仕事をしながら結婚できるのか、仕事と子育てを両立できるのかは、男女を問わず、会社選び、仕事選びにおける最大の関心事の一つでしょう。
多くの企業はまだ男性中心なのが実態です。厳しい仕事の環境や、妊娠、出産した女性に対するマタニティー・ハラスメントもある中で、仕事と子育ての両立を初めから諦める女性が多くいます。でも、白河さんは若い男性は収入が低い人が多く、夫婦が働き続けることを前提にすべきだと主張します。仕事と子育ての両立のポイントとしては「働きながら子育てをする女性の先輩をよく観察してください」「両立している女性のお手本を社内で探してみましょう」とアドバイス。就活中のみなさんは、OB・OG訪問などで「子育て中の女性社員を紹介してほしい」と頼んでみてください。直接話が聞ければ、少しは会社の実情がわかると思います。
今日のオピニオン面(17面)には、元派遣社員の女性のインタビュー「ある派遣社員の体験/一番低い所にいる 仲間扱いされない モノじゃないのに」が載っています。数社の正社員を転々としたあと、やむなく派遣社員として働いたものの、正社員やパートとの待遇の違いや「モノ」扱いされた経緯や思い、制度への疑問を語っています。正社員、契約社員、派遣社員、パートタイマーとさまざまな働き方があります。一人ひとりが自分のライフステージに応じて選ぶことができればいいのですが、望んで派遣社員になったわけではない人にとっては厳しい現実が見えてきます。こちらも参考に読んでみてください。
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