ニュースのポイント
売れ筋の商品は作らない、価格競争はしない――。そんな会社があります。小さなオーディオメーカー・アキュフェーズと、ジーンズ大手のエドウイン。まったく違う業界ですが、共通するのは「戦わない」姿勢と、こだわりの商品づくりです。
今日取り上げるのは、①オピニオン面(15面)の「リレーおぴにおん 老舗の流儀9/オーディオメーカー・アキュフェーズ会長 斎藤重正さん/『会社大きくせず』で40年」と、②第3社会面(37面)の「ニュースQ3/日本人とデニムに深い関係?」です。
記事の内容は――①大手オーディオメーカー副社長らが辞めて作ったアキュフェーズの主な製品はアンプとCDプレーヤー。40年間、会社を大きくしない、たくさん作ろうとしないということを掲げ、世界的に知られるブランドに成長した。年に5000台作って約21億円を売り、社員は七十数人。アンプは29万円から250万円。売れ筋の安い価格帯の製品は作らない。製品作りでは趣味性を追求し、徹底的にとことん作り込んでいきたいという。
②証券投資で多額の損失を出し経営再建を目指すジーンズ大手エドウインだが、同社幹部は「本業のジーンズ販売は順調」という。リーマン・ショック後に西友などで低価格ジーンズが売られた時、同社は「戦わない姿勢」を貫いた。価格競争では勝てないが、顧客に戻ってきてもらえるための開発力を高め、夏はひんやり、冬は温かい商品が定番になった。日本のデニム加工技術は世界から注目され、いまや「デニム加工王国」だという。岡山発の純国産「桃太郎ジーンズ」は「一生穿(は)ける」を売りに、原綿からこだわった作りで海外でも売り上げを伸ばす。国の「クールジャパン」事業でも国産デニムは注目されている。