ニュースのポイント
JR横浜線の踏切で男性を助けようとして亡くなった村田奈津恵さん(40)を悼む声が絶えません。もし、あの現場に居合わせたとしたら自分ならどうしただろう、と思いをめぐらせた人も多いのではないでしょうか。世の中で起こるさまざまな出来事について、ひとごとと思わずに「私なら……」と考えるのはとても大切なことです。自分に引きつけて考えることで物事をより深く考えることができ、その出来事について発言するときに説得力も増します。
今日取り上げるのは、オピニオン面(14面)の声「もし事故現場に居合わせたら…」です。
事故の20分後に付近を通り過ぎた女性からの投書。20分早く通ったら自分ならどうしたかを、2人の子どもとじっくり話し合って、「どんな形にせよ救助に協力したと一致した」と書いた。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
本当に痛ましい事故でした。村田さんの勇気ある行動と「助かった男性には長生きしてほしい」と語るお父さんの姿に心を打たれました。心からご冥福をお祈りします。
この事故では、「声」に投稿した女性のように、多くの人が「自分なら……」と考えたと思います。僕は、自分なら足がすくみ、躊躇(ちゅうちょ)している間に電車が来てしまったのではないかと想像しました。
この事故に限らず、新聞で報じられるさまざまな出来事について、「私なら……」と考えてみてください。今日の声欄だけでも、小泉元首相の「原発ゼロ」発言、被災地の消費税特区提案、福島県産の食品の風評被害、シリア内戦と多様な出来事が取り上げられています。民主党政権が掲げたものの安倍政権になって消えてしまった「原発ゼロ」方針について、あなたはどう考えますか。体制派と反体制派に分かれて家族が銃を向け合う悲惨な報道が続くシリアの内戦については、「自分が逃げ惑うシリア人だったら」と遠くで想像することしかできないと思います。でも、想像してみることがこの問題を考えることにつながります。風評被害防止について投稿した大学生は、福島県産の食品を食べてはいけないと誤解していたとしたうえで「大部分は汚染されていません。正しい情報を集め、一人一人が自分で判断することが大切」と書きました。
声欄には毎日6~7本の読者の投稿が載ります。1日1本でも構いません。声欄の投書を選んで、「私ならどうするか」「自分はこう思う」と考えてみましょう。意見を鍛えることは、就活の面接やグループディスカッションで必ず役に立ちます。
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