2024年06月17日

経団連が選択的夫婦別姓導入を政府に要望 自民党はどう動く?【週間ニュースまとめ6月10日~16日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週は、日本の女性の社会進出に関する2つのニュースがありました。ひとつは、経団連が選択的夫婦別姓制度の早期導入を政府に求めたというニュースです。もうひとつは、世界の男女格差の状況をまとめた報告書で、日本の男女平等の度合いは世界で118位、主要7カ国で最下位だったというニュースです。

 日本は政治や経済の分野で女性の進出が遅れており、それが順位の低さにつながっています。ただ、日本も状況を改善しようという動きは出ていて、経済界では女性の役員や管理職が増えています。経団連の役員にも少しずつ女性が入るようになり、女性の声が以前より届くようになりました。働く女性にとって結婚で姓が変わるのは不便な面があり、旧姓をそのまま通称として使うケースが増えています。ただそれでもパスポートやクレジットカードには戸籍姓が必要で、国際的に活躍する女性にとっては不便があります。経団連はこの状況を「ビジネス上のリスク」ととらえています。女性が社会進出することと夫婦同姓を強制している今の制度は相性が悪いということです。経団連は自民党のスポンサーでもあり、選択的夫婦別姓に反対してきた自民党がどう動くのか、注目されます。(ジャーナリスト・一色清)

(いまの日本は女性にとって働きやすい? 「夫婦別姓」と「賃金格差」から考える【就活イチ押しニュース】はこちらから

(写真・記者会見する経団連の十倉雅和会長=2024年6月10日)

【社会】夫婦同姓の強制「ビジネスでリスク」 経団連、早期の別姓導入求める(6/10.Mon)

 経団連は10日、選択的夫婦別姓制度の早期導入を政府に求める提言を公表した。ビジネスの現場では旧姓の使用が進むが、弊害も多く出ているとして、夫婦別姓を認めるべきだとした。主な政党で制度導入に反対しているのは自民党だけで、主要経済団体からの提言を受け、導入への動きが強まる可能性がある。提言では、経済界でも旧姓を通称として使うことは定着したが、通称では口座やクレジットカードを作れないなど「解決できない課題も多い」と指摘。通称使用は日本独自の制度のため、海外では理解されづらく、不正を疑われるなど「トラブルの種になることもある」とした。

【社会】「富士山の眺望への影響」 積水ハウス、マンション解体の理由を公表(6/11.Tue)

 東京都国立市に建設中のマンションをめぐり、完成直前に解体する方針を公表した積水ハウスは11日、解体の理由について「建物が富士山の眺望に与える影響を再認識した」ためだと発表した。建物が完成に近づいて現況を確認したところ、「景観に著しい影響があると言わざるを得ず、眺望を優先するという判断に至った」としている。解体後の用地の利用計画は未定という。問題となっているのは同市に建設していた分譲マンション「グランドメゾン国立富士見通り」。着工前から「富士山が見えなくなる」といった景観への影響を懸念する声があり、高さを下げるなど2回、計画を変更。地域に配慮した設計をめざしたという。

【社会】ジェンダー平等118位、G7最低 男女格差の解消、停滞続く日本(6/12.Wed)

 世界経済フォーラム(WEF)は12日、世界の男女格差の状況をまとめた2024年版「ジェンダーギャップ報告書」を発表した。日本は調査対象となった146カ国のうち118位で、前年の125位からは改善したが、主要7カ国(G7)では最下位だった。報告書は教育・健康・政治・経済の4分野で、男女平等の度合いを分析。男女が完全に平等な状態を100%とした場合、世界全体での達成率は68.5%で、前年から0.1ポイント改善した。日本の達成率は66.3%で前年から1.6ポイント上乗せした。しかし、G7では87位のイタリアを下回る最下位。対象国数は異なるが、2006年に報告書が始まって以降、日本の順位は下落傾向にある。

【経済】日銀、国債の買い入れ減額の方針 金融正常化へ一歩 利上げは見送り(6/14.Fri)

 日本銀行は14日の金融政策決定会合で、国債の買い入れ額を、現在の月6兆円程度から減らしていく方針を決めた。3月の大規模な金融緩和の終了後も維持してきた買い入れ額を減らし、保有残高も減らしていくとみられる。金融正常化に向けた一歩となる。発表によると、次回の会合までは、現在の買い入れ額を維持。次回7月の会合で、今後1~2年程度の具体的な減額計画を決める。2013年から始まった大規模緩和を通じて積み上がった日銀の約580兆円に及ぶ保有国債は減ることになり、「量的引き締め」の局面に向かうとみられる。

【経済】三菱UFJ銀と系列証券の役員も関与か 顧客情報無断共有で処分勧告(6/14.Fri)

 顧客企業の非公開情報をグループ内で無断で共有したなどとして、証券取引等監視委員会は14日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の銀行と証券会社2社の計3社に対し、行政処分を出すよう金融庁に勧告した。監視委によると、三菱UFJ銀行の役職員が三菱UFJモルガン・スタンレー証券との間で、少なくとも10回にわたり、顧客の意思に反して、非公開情報を共有していた。一部の非公開情報については同行の専務(当時)が自ら提供していたという。モルガン・スタンレーMUFG証券にも顧客の非公開情報が共有されていた。共有された情報を使って証券2社は顧客に勧誘を行っていたという。

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