ニュースのポイント
全日空(ANA)が2014年度以降に入社する客室乗務員(キャビンアテンダント、CA)を、契約社員ではなく当初から正社員として採用すると発表しました。背景には優秀な人材の獲得競争があります。CA志望者にとっては朗報です。
今日取り上げるのは、1面の「全日空、客室乗務員を正社員採用/来年度から 人材確保狙い転換」です。
記事の内容は――ANAは1995年度から、人件費削減のためCAをすべて契約社員として採用し、入社3年後に正社員化する方式をとってきたが、来年度以降入社するCAは正社員として採用することにした。不安定な契約社員としての入社を嫌って内定を断る学生もおり、ANAは「海外も含む航空会社や新幹線などとの競争が激しく優秀な人材を確保したい。先手を打って採用環境を整える」としている。正社員化すると年金や退職金などの人件費が増えるが、離職率が下がれば採用を押さえられ社員教育の経費も減るため、大幅な経費増にはならないと判断した。2014年度は450人の新卒採用を予定している。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
CAは昔も今も人気の花形職種。華やかな印象がある一方、立ち通しの仕事で、乗客の様々な要求にこたえ、事故やトラブルが発生すれば安全確保のための重要な任務を担います。にもかかわらず、航空各社は経費削減のため正社員採用はせず、入社3年後に正社員となるか契約社員としてさらに3年間働くかを選べる仕組みをとってきました。8割が正社員を選ぶそうですが、必ず正社員になれる保証はなく、安定した働き口とは言えませんでした。「それでもなりたい」という学生が多いため、人材は確保できてきたわけです。
ところがこの数年、格安航空会社(LCC)の相次ぐ就航による人材獲得競争激化や、羽田空港、成田空港の発着枠拡大による増便などでCAの増員も必要になり、ANAは人材確保のためには安定した雇用環境が必要と判断しました。450人の採用数は15年ぶりの高水準です。航空業界志望のみなさんは、ANAに採用方針転換を迫った背景や業界の事情を、新聞記事などをもとに研究してみてください。日本航空(JAL)など他社の動向も注目です。
ANAは、一般学生向けのCA養成講座を今秋開講することでも話題になりました。費用は30万円と高額ですが、スクールの責任者は「全日空のCA育成プログラムを提供するので、実力勝負の就職活動では力になるはず」と話しており、優秀な学生を早めに囲い込む狙いがあるともいわれています。
朝日新聞社も就活生を応援する「就職フェア」を開いており、9月26日(木)は「めざせ!あこがれのCA&GS(グランドスタッフ) エアライン業界研究フェア」がテーマです。元CAの就職コンサルタントによる講演、現役社員や内定者の生の話を聞くことができます。参加無料。CA、GSの志望者はぜひ申し込んでしてください。申し込みは下記URLから。
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