2021年03月15日

三菱電機、相次ぐ労災認定 社員大事にする企業かも選択基準に【週間ニュースまとめ3月8日~14日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 3月11日は東日本大震災から10年の節目の日でした。その前後の新聞は大震災に関連する記事でかなりのスペースが占められました。悲劇を忘れないことで備えの手を抜かないことにつなげる意味があります。その3月11日、「三菱電機で2年前にあった新入社員の自殺が労災として認定された」という遺族側弁護士による記者会見がありました。この新入社員は入社した年の8月、社員寮近くの公園で命を絶ちました。当時の教育主任から「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」とか「殺すからな」とか言われたというメモが残されていました。ひどいパワハラです。パワハラという言葉がなかった昔でも、私はここまでひどい上司による暴言を耳にしたことはありません。三菱電機では自殺や過労による労災認定が相次いでいます。2012年から2019年までに7件(子会社での1件含む)もが認定されています。これだけ相次ぐと、たまたま重なったとは思えません。パワハラや過重労働を容認する社風があるのではないかと想像します。加えて、二度と起こさないようにするという意識があまりにも薄いのではないでしょうか。志望企業を選ぶときには成長性とか給料の水準とか勤務地などを考慮するのでしょうが、社員の心身の健康について十分配慮しているかどうかという点もとても大切だと思います。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、三菱電気の新入社員が残していたメモ)

【経済】経団連の副会長にDeNA南場智子会長 女性の就任は初(3/8.Mon)

 経団連は18人いる副会長の一人にIT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長(58)をあてる人事を固めた。副会長に女性が就くのは初めて。経団連は企業の役員に占める女性の割合を「2030年までに30%以上」にする目標を掲げており、経済団体として正副会長職への女性登用が課題となっていた。6月の定時総会を経て正式に就任する。南場氏は津田塾大を卒業し、米コンサルタント会社マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、1999年にディー・エヌ・エーを設立。2015年から会長。プロ野球12球団オーナー会議の議長も務めた。

【社会】午後2時46分、列島で祈り「後世まで」と誓う遺族(3/11.Thu)

 日本社会を揺さぶった東日本大震災から11日、10年がたった。関連死を含め死者・行方不明者は2万2192人。東京電力福島第一原発の廃炉作業は遅れ、4万1241人がいまも避難生活を送る。地震のあった午後2時46分、全国で犠牲者への追悼の祈りが捧げられた。震災は、日本の人口が減少に転じた後、初めての巨大災害だった。約32兆円が投じられたが結果的にインフラ偏重となり、なりわいやコミュニティーの再生といったソフト面に課題を残した。震災後も全国で激甚災害が相次ぎ、新型コロナウイルス感染症も猛威を振るう。財源が限られる中、首都直下地震南海トラフ地震といった次の大災害に備え平時から持続可能な地域の将来像を考えておく必要性が増している。

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【労働】三菱電機の新入社員、労災認定 上司から「殺す」(3/11.Thu)

 2019年夏に三菱電機の男性新入社員(当時20代)が自殺したことをめぐり、尼崎労働基準監督署(兵庫県)が労災だと認定したことがわかった。教育主任だった上司から「殺すからな」などと言われたことが原因だったと判断したとみられる。遺族側の弁護士が11日、会見して明らかにした。三菱電機では心身の健康を害する社員が続出している。労災認定が判明するのは、14年12月以降ではこれで6人目で、このうち3人が自殺している。ほかに子会社でも2019年10月に社員の過労自殺が労災認定されている。

【政治】東北新社の放送認定、取り消しへ 対象契約者数は700(3/12.Fri)

 総務省幹部らを接待していた放送関連会社「東北新社」が放送法で定める外資規制に違反していた疑いがもたれていた問題で、武田良太総務相は12日の閣議後会見で、同社の子会社「東北新社メディアサービス」が持つ衛星放送事業者としての認定の一部を取り消す手続きを始めると発表した。東北新社は、認定の申請時に外資比率が2割未満と申告したが、実際は2割を超えていたことが新たにわかったという。今回の認定取り消しの対象となるのは、同社の衛星放送事業の認定のうち、「ザ・シネマ4K」に関するもので、この放送の契約者数は約700。東北新社グループが提供するほかの衛星放送への影響はないとしている。

【経済】日本郵政が楽天に1500億円出資「最高のパートナー」(3/12.Fri)

 日本郵政楽天は12日、資本業務提携すると発表した。楽天が日本郵政から約1500億円の出資を受け入れる。日本郵政は楽天の約8%の株式を握る第4位の株主となる。物流や楽天の携帯電話事業の拡大に向けた協業に加え、金融事業などでの連携も視野に入れる。日本郵政グループの日本郵便は、郵便事業の成長が望みにくい状況から宅配事業に力を入れるが、ヤマト運輸などに差を付けられている。国内のネット通販で米アマゾンと並ぶ「2強」の楽天と組むことで、宅配事業の強化につなげる。一方、楽天グループが提供する携帯電話サービスについて、郵政グループの郵便局で申し込みを受け付け、配達網を活用した販売促進なども実施する。両グループがそれぞれ展開する決済や保険など金融分野での将来的な協業も今後検討する。都内で会見した日本郵政の増田寛也社長は「楽天は最高のパートナー。デジタルとリアルの双方の特徴を掛け合わせ、相乗効果を最大限に引き出したい」。楽天の三木谷浩史会長兼社長も「歴史が長い日本郵政とベンチャー企業との提携は、世界で類をみない」と語った。

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