(写真は、日本記者クラブでの党首討論会=2019年7月3日、東京都千代田区)
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(写真は、日本記者クラブでの党首討論会=2019年7月3日、東京都千代田区)
そもそもどんな制度?
裁判でも争われています。「夫婦同姓」は個人の尊重や男女平等を定めた憲法に違反するとの訴えでは2015年に最高裁が「合憲」判決を出しましたが、その後も訴訟が続いています。世界的には日本の制度は特殊です。国連の女子差別撤廃委員会が2003年、「夫婦同姓」を「差別的な規定」として民法改正を勧告。以来、勧告が繰り返されてきました。政府も「『法律で夫婦の姓を同姓とするように義務づけている国』は、我が国のほかには承知していない」(2015年の参議院の政府答弁書)としています。
どんな不便が?
仕事を旧姓で通す人も増えていますが、具体的にはどんな不便さがあるのでしょうか。最近の朝日新聞に載った人のケースを紹介します。
◆マーケティング会社を経営する東京都の50代の女性 結婚して夫の姓に変えたが、仕事では旧姓で通してきた。それでも、仕事で戸籍名を使う必要がある場面があり、多くの面倒や苦痛を経験。離婚や再婚をした際、会社の登記や印鑑、銀行口座の名義を変える作業に追われた。取引先に「社長は交代したのか」と聞かれ、私生活の事情を伝えざるを得なかったことも。「旧姓は自分のキャリアであり、アイデンティティーそのもの」と言う。
◆広島市の女性(48) 姓を変えたくなかったが、義父の猛反対で結婚時に夫の姓に。「体が半分もがれる思いだった」。職場では旧姓を使ってきたが、自己喪失感が深まり、夫と相談して「ペーパー離婚」した。しかし、事実婚では配偶者控除が受けられない。控除の算出基準日の年末に結婚し年明けに離婚――を毎年繰り返す。「自分自身の名前を選びたい、ただそれだけなのに」と語る。
同姓強制は人権問題
一方でこんな女性もいます。
◆北九州市の会社員女性(38) 「姓が変わることになぜこだわるのか。全然気にならない」。28歳で結婚し、職場では旧姓を使ってきたが、戸籍は違和感なく夫の姓にした。「姓が変わっても変わらなくても、私は私。問題意識を持っているかどうかの踏み絵を踏まされるような選択的夫婦別姓は、禍根しか残さないような気がする」
選択的夫婦別姓は「選べる」制度ですから、別姓を強制するわけではありません。この女性のように同姓にしたいカップルはそうすればいいのです。逆に、同姓を苦痛に感じる人に強制しているのが今の制度です。安倍首相はインターネット番組の党首討論で選択的夫婦別姓制度への意見を聞かれて「経済成長とは関わりがないというふうに考えている」と答えました。別姓問題に取り組むNPO団体代表の坂本洋子さんは「経済よりも優先されなければならない人権問題だとの認識がない」と指摘します。
同性婚、LGBT支援の公約も
夫婦別姓を選択できない戸籍法の規定は憲法違反だとして、2018年に損害賠償を求めて国を訴えたソフトウェア会社「サイボウズ」の青野慶久社長は「参院選で争点化されたことで、議論の機は熟した」と、参院選後の国会で夫婦別姓の法制化に向けた論議が進むことに期待しています。参院選では、同性婚実現やLGBT差別解消法なども各党が公約に掲げました。言いっ放しになっていないか、参院選後も報道などを通じてチェックしてください。
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