2019年06月10日

年金減り老後に2000万円必要!? 高齢社会のニーズ考えよう【週間ニュースまとめ 6月3日~9日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週は少子高齢化社会について考えさせられるニュースが続きました。昨年生まれた赤ちゃんは統計をとり始めてから最も少なく、人口はこれまでで最もたくさん減りました。若い人口が減る時代になると苦しくなるのが年金です。少し前に「100年安心」と政府が言っていた年金制度ですが、金融庁は「老後の生活は公的年金だけでは足りず、自助努力が必要だ」という報告書をまとめました。高齢化が進む社会にとって深刻になりつつあるのが、高齢者による交通事故です。福岡市であった交通事故は81歳の高齢者が運転していた車が猛スピードで暴走し、6台の車を巻き込みました。最近、高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違えたとみられる事故が目立っています。あと5~6年で戦後すぐに生まれた「団塊の世代」が後期高齢者になります。資産運用や移動手段など、高齢化社会が進めば進むほどニーズが高まるものはいろいろあります。「伸びる会社」といえば若者が興味を持ちそうな最先端のニーズにこたえる会社というイメージがあるかもしれませんが、高齢化社会のニーズにこたえる会社も伸びる会社であるのはまちがいないと思います。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、複数の車両が絡んだ福岡市の事故現場=4日、福岡市早良区)

週間ニュースまとめ

【経済】「年金減る事実を」揺れた報告書 国民に「自助」勧める(6/3.Mon)

 人生100年時代に向け、老後に必要な蓄え「資産寿命」の延ばし方の指針を、金融庁が3日まとめた。公的年金を老後の収入の柱とする一方で、若いころからの資産形成など「自助」を勧める内容。議論の過程では、年金という「公助」の限界を十分説明しない政府の姿勢に疑問も出た。報告書「高齢社会における資産形成・管理」は、現役期・退職前後・老後の高齢期に分け、資産形成や運用などの自助に取り組む必要性を国民に訴えている。報告書によると、年金生活の高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)の場合、年金などの収入約21万円、支出約26.3万円で、月約5万円足りない。それを貯蓄で補う計算になり、20~30年間生きるには約1300万~約2000万円必要だ。
 報告書について、麻生太郎金融担当相は7日の閣議後会見で、「(年金だけでは)あたかも赤字ではないかと表現したのは不適切だった」と述べた。報告書に野党が反発していることを問われ、答えた。(6/7)

【社会】暴走してきた車が交差点に…乗っていた高齢男女が死亡(6/4.Tue)

 4日午後7時5分ごろ、福岡市早良(さわら)区百道(ももち)2丁目の市道交差点付近で、少なくとも車6台が絡む事故があり、「けが人が多数出ている」と通行人から110番通報があった。福岡県警によると、男女計8人が病院に搬送され、70~80代の男女2人が死亡した。県警早良署によると、現場は市営地下鉄藤崎駅の近くで、市内を東西にのびる市道「明治通り」の早良口交差点。死亡した男女が乗った乗用車が南側から交差点に入り、車と次々とぶつかった。交差点に入る前に1台とぶつかり、交差点付近で4台を巻き込んだとみられるという。

【経済】FCA、ルノーへの統合提案を撤回 仏政府の介入に反発(6/6.Thu)

 仏自動車大手ルノーに対して経営統合を提案していた欧米大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、提案を取り下げる意向をルノーに伝えていたことが6日、わかった。関係者によると、ルノー筆頭株主のフランス政府が、経営統合でフランスの雇用を一切減らさないことなど、条件を重ね続けて返答を遅らせていることに、FCAが不満を募らせたという。5日に開かれたルノーの取締役会でも、フランス政府の代表者が統合提案の受け入れに待ったをかけたという。

【社会】昨年生まれの赤ちゃん、最少91万人 出生率3年連続減(6/7.Fri)

 2018年に国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は91万8397人で、統計がある1899年以降で最も少なかった。これまで最少だった前年を2万7668人下回った。出生数から死亡数を引いた自然減は44万4085人で過去最大の減少幅となり、少子化と人口減少が続く。厚生労働省が7日、2018年の人口動態統計を公表した。1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、前年より0.01ポイント低い1.42で、3年連続で下がった。人口の維持に必要とされる2.07を大きく下回っている。都道府県別では沖縄が1.89で最も高く、東京が1.20で最低だった。政府は、子どもを作りたいという希望がかなった場合に見込める出生率「希望出生率1.8」の実現を掲げて少子化対策を進めているが、低下傾向が続いている。

日本最大の課題「少子高齢化・人口減」…企業はどうする?(就活生のための時事まとめ)も読んでください。

【経済】トヨタ、加速する「電気自動車シフト」目標5年前倒し(6/7.Fri)

 トヨタ自動車は7日、電動車の世界販売台数を550万台以上とする目標の達成時期が、当初の2030年から5年ほど前倒しされそうだと発表した。電気自動車(EV)の普及に向けて、車載用電池メーカーと協業。国内では2020年に超小型EVを売り出す。「世界各地で電動車への期待が高まっている。我々も準備を急ぐ」。トヨタの寺師茂樹副社長は7日、都内で開いた説明会で「電動車シフト」を拡充する考えを示した。


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