2018年12月17日

景気拡大の長さ戦後2番目!でも少子高齢化で盛り上がらず【週間ニュースまとめ12月10 ~16日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 2012年12月に始まった国内の景気拡大が、高度成長期だった1965年11月から1970年7月までの「いざなぎ景気」を超えて、戦後2番目の長さになりました。一番長かったのは、2002年2月から2008年2月までの「いざなみ景気」ですが、今の景気拡大が来年1月まで続けば戦後最長となります。就活戦線は人手不足で売り手市場となっているので、就活生は好景気を実感しているかもしれませんが、多くの人は実感していないのではないでしょうか。景気拡大といっても経済成長率は1%程度で、いざなぎ景気のころのふた桁の成長率には遠く及びません。給料は物価の上昇ほど上がらないため、実質賃金はマイナスのありさまです。そもそも好景気と不景気を繰り返すという景気循環論自体が、成熟した経済にはあてはまらなくなっているのではないかという気がします。実は、就活生が実感している人手不足も、多くの人が感じている景気の停滞感も根底にあるのは少子高齢社会です。働き手が減っているので人手不足が起こり、少子高齢化が進むという将来図のために投資が盛り上がらないのです。大学生にはこの社会の構造そのものについてしっかりした考えをもってほしいと思います。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

(写真は、「いざなぎ景気」の終盤に開かれた大阪万博=1970年3月)

週間ニュースまとめ

【経済】革新機構 社長ら9人辞任 「信頼毀損」と経産省批判(12/10.Mon)

 高額報酬問題をきっかけに経済産業省と対立を深めていた国内最大の官民ファンド、産業革新投資機構(JIC)は10日、民間出身の取締役9人全員が辞任すると発表した。田中正明社長が10日午後、東京都内で記者会見し、「新産業創出の理念に共感して集まったが、経産省の姿勢の変化で目的を達成することが実務的に困難になった」「経産省による信頼関係の毀損(きそん)行為が9人の辞任の根本的な理由だ」と説明。「お騒がせしたことをおわびする」とも述べた。経産省は今月3日、JICが導入をめざす経営陣への高額報酬について、世論の理解を得られないとして認めないと発表。官民ファンドと所管官庁が対立する異例の事態となっていた。

【経済】景気拡大長さ「いざなぎ」超え 実感ある?成長率1%台(12/13.Thu)

 景気拡大の長さが、高度成長時代に4年9カ月続いた「いざなぎ景気」を上回り、戦後2番目になった。内閣府の景気動向指数研究会(座長=吉川洋・立正大教授)が13日に認定した。2012年12月に始まった景気の拡大は、足元も続いているとみられる。年明けの2019年1月まで続けば、2008年2月までの6年1カ月だった戦後最長景気(いざなみ景気)も超える。

【政治】政府、辺野古沿岸部へ土砂投入を開始 移設反対押し切る(12/14.Fri)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、政府は14日、辺野古沿岸部へ土砂を投入し、海の埋め立てを開始した。沖縄県は辺野古移設反対を繰り返し訴えてきたが、政府は押し切って工事を進める。移設計画が浮上して20年余りで、大きな節目を迎えた。
 土砂は名護市内の民間の桟橋から船で運び、キャンプ・シュワブ北側の護岸に接岸できる台船に移す作業をすでに終えていた。14日午前、土砂をダンプカーに移し替え、シュワブ内を走行した上で海に投入を始めた。
 計画では、全体で約160ヘクタール(東京ディズニーランド3個分超)の海域を2062万立方メートル(東京ドーム16・6杯分)の土砂で埋め立て、シュワブの陸地分と合わせ2本の滑走路をV字に配置した約205ヘクタールの基地を造る。

【社会】東名あおり、懲役18年の判決 危険運転致死傷罪認める(12/14.Fri)

 神奈川県大井町の東名高速で昨年6月、一家4人が乗るワゴン車を「あおり運転」で停車させ、大型トラックによる追突事故で夫婦を死なせたなどとして、危険運転致死傷罪などに問われた石橋和歩被告(26)=福岡県中間市=の裁判員裁判の判決公判が14日、横浜地裁であった。深沢茂之裁判長は同罪の成立を認め、「強固な犯意に基づく執拗(しつよう)な犯行。夫婦の無念は察するにあまりある」として懲役18年(求刑懲役23年)を言い渡した。停車前のあおり運転が追突事故を引き起こしたと判断した。


【国際】パリ協定の運用ルール採択 すべての国が温暖化対策へ(12/16.Sun)

 ポーランドで開かれている第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)は15日深夜(日本時間16日早朝)、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の運用ルールを採択した。先進国と途上国に大きな差を設けず、すべての国が対策に取り組むという協定の骨格は維持された。詳細な運用ルールが決まったことでパリ協定は2020年以降に実施される。パリ協定は、産業革命前に比べ世界の平均気温上昇を2度未満に抑えた上で、1・5度未満にすることを目指す。



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