2018年10月22日

サウジ記者殺害疑惑が就活に無関係じゃないわけ【週間ニュースまとめ10月15~21日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 とても怖いニュースが世界を騒がせています。トルコにあるサウジアラビア総領事館(在外公館)で、結婚の手続きのために訪れた米国在住のサウジアラビア人記者が殺された疑いがあるというニュースです。記者はサウジの実質的リーダーであるムハンマド皇太子を批判する記事を米国の新聞などに書いていました。サウジは当初、「記者は総領事館から出て行った」などと殺害を否定していましたが、国際社会の批判に押される形で総領事館内で死亡したと認めました。ただ、ムハンマド皇太子の指示があったことや計画的だったことなどは否定しています。しかし、皇太子の指示によって計画的に殺害されたとの見方は消えていません。民主主義には「報道の自由」が欠かせません。為政者にとって不都合な事実や論評も報道されなければ、独裁を許すことになってしまいます。だから民主主義国では、憲法で「表現の自由」や「報道の自由」がうたわれているのが一般的です。サウジは王政をとっている厳格なイスラム教国でもともと民主主義国ではありませんが、原油収入によってとても豊かな国になっていますので、アメリカや日本、 EU (欧州連合)などの民主主義国も経済的なつながりを求めてきました。しかし、批判的な記者を殺すような国とは仲良くできないということになる可能性があります。そうなると原油価格が急騰するなど世界経済に影響が出ます。当然、日本の企業の業績にも影響が出ます。トルコでの殺人事件は日本の就活戦線にも無関係ではないのです。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

週間ニュースまとめ

【教育】昭和大医学部でも不正入試 現役や一浪に加点、親族優先(10/15.Mon)

 昭和大(東京都)は15日に会見し、医学部入試で現役と1浪の受験生に加点をする不正が行われていたことを明らかにした。また、一部の試験で合格者を決める際、同窓生の親族を優先させていたという。今後、第三者委員会を設置して調査するとともに、不利益を受けた受験生への対応を検討するという。

【就職】就活、大学2年生は現行のルール維持 政府など大筋合意(10/15.Mon)

 政府は15日、就職活動の日程の新ルールを検討する会議の初会合を開いた。現在の大学2年生にも「会社説明会は3年生の3月、面接は4年生の6月解禁」とする今のルールを維持することで大筋一致した。29日の次回会合で正式に決める見通しだ。ただ、守らない企業への罰則は設けない方針で、ルールが形骸化した状態も続きそうだ。就活ルールは従来、経団連が指針として定めてきたが、罰則のない「紳士協定」で、加盟企業でさえ守らない例が多かった。このため、経団連は今の大学2年生にあたる2021年春入社の新卒学生から、指針を廃止すると今月9日に決定。それ以降のルールをどうするかは、政府に委ねられることになった。

【社会】ビル免震・制振装置,検査データ改ざん疑い 全国1千棟(10/16.Tue)

 国土交通省は16日、自動車や建設向けの油圧機器で大手のKYB(本社・東京、中島康輔社長)と子会社のカヤバシステムマシナリー(同、広門茂喜社長)が、共同住宅などの建物で地震の揺れを抑える免震制振装置の検査データを改ざんしていた、と発表した。改ざんの疑いがあるものを含めると、全国の共同住宅や事務所、病院、庁舎など986件で使われているという。KYB は1919年創業で、自動車向けショックアブソーバーで世界シェア2位の大手メーカー。今回不正を起こした建物用の免震や制振ダンパーでは国内シェアトップ。同社のホームページによると、東京スカイツリーの制振装置にも使われているという。鉄道や航空機向けなどの油圧機器も幅広く製造している。戦時中は戦闘機「零戦」の主脚部品も製造した。2018年3月期の売上高は3923億円、グループ従業員数は約1.5万人。

【経済】中国の経済成長率、前年比6.5% 低水準に落ち込む(10/19.Fri)

 中国国家統計局が19日発表した2018年7~9月期の中国の実質経済成長率は前年同期比でプラス6.5%だった。4~6月期より0.2ポイント減速し、リーマン・ショック直後の09年1~3月期以来の低水準に落ち込んだ。

【国際】記者は総領事館で死亡、サウジ認める「口論で殴り合い」(10/20.Sat)

 トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館でサウジ人記者のジャマル・カショギ氏が殺害された疑惑で、サウジ政府は20日、カショギ氏が総領事館内で死亡したと認めた。国営通信が伝えた。18人を拘束し、取り調べているとしている。サウジ国籍のジャーナリストのカショギ氏は2日昼過ぎに総領事館に入った後、行方がわからなくなった。トルコメディアや米CNNなどによると、トルコの捜査当局は、カショギ氏が総領事館内で殺害され、遺体が切断されて館外に運び出された疑いが強いとみている。




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