ニュースのポイント
学生のみなさん、就職情報サイトの使い方には気を付けてください。「今日の朝刊」で最初に紹介するのは、情報サイトに頼り切る就活の危うさを描いた記事です。「朝日学情ナビ」の否定にもつながりかねない内容ですが、これから就活に臨むみなさんにぜひ読んでほしいのです。サイトの情報に頼り切った就活は必ず壁にぶつかります。記事は、自分で動き、社員に会い、自分の目と耳で確認することの大切さを伝えています。「朝日学情ナビ」はこんな情報も伝える新しいサイトです。
今日取り上げるのは、生活面(26面)の連載記事「就活のかたち③/良縁、情報サイトの外に/中小でもやりたい事を」です。
記事の内容は――今春、小さな家事代行業者の内定を得た女子学生は当初、八つの就職情報サイトに登録して企業探しを始めたが、うまくいかず疲れ果ててしまった。「女性を応援する仕事をしたい」という原点にかえり、情報サイトには載っていない企業の採用ホームページを見つけ、メールで直接応募して成功した。別の女子学生はサイトから170社以上に申し込んだが、電話やメールの対応に困り果て、「アナログ重視」に切り替えた。サークルの先輩社員に会い、採用担当者に電話で疑問をぶつけ、不動産会社に内定した。金融業に内定した学生は、サイトは説明会予約の「道具」と割り切り、社員訪問を繰り返したという。
就活アドバイス
いま、就職情報サイトなしの就活は考えられません。基本情報を打ち込んでクリックすれば、複数の会社に一括エントリーできる便利な時代です。誰もがたくさんの企業の情報を簡単に入手できます。ただそれだけに、情報の洪水に溺れてしまう学生が多くいます。サイトでの情報収集だけで就活をしている気になったり、多すぎる情報の中で冷静な判断ができなくなってしまったり。
記事の最後に登場する学生の動き方をぜひ見習ってください。第1志望の会社には大学の先輩が1人だけだったため、アルバイト先や大学の先生に頼んで社員を紹介してもらい、会ってくれた社員にさらに別の社員を、と芋づる式に紹介してもらったのです。働く人の声を直接きいてみたい。そんな動機からの行動でしたが、頼んで職場の雰囲気もみせてもらい、「自分の働く姿が想像しやすくなった」と言います。
今日の記事には、就活に大切なキーワードがいくつも出てきます。自分のやりたい仕事の「原点」、自分で行動し社員の話を聞いたことで得た「自信」や「やりがい」「納得」といった言葉です。就職情報サイトは就活の入口としてはとても便利なツールです。ただ、その情報に振り回されず、ときに原点に立ち返り、自分の目と耳と足で切り開いて自信を持ち、やりがいを見つけ、納得のいく就活をめざしてください。
(東京本社発行の朝刊最終版から)
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