2016年11月22日

部活マネジャーや補欠…高校の体験もアピールして!

テーマ:就活

ニュースのポイント

 高校時代に体育会系でも文化系でも、部活や委員会活動に携わった人は多いと思います。中心選手として活躍した人だけでなく、補欠でもマネジャーでも、一生懸命に取り組んだ経験は就活のESや面接での立派なアピールポイントになりますよ。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、スポーツ面(18面)の月刊高校野球11月号「白球百景/マネジャーこそ 私の人生」「どくしゃから」「しまっていこ→球児を追う/やっぱり憧れ 転部を決めた/2人で記録員デビュー」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)です。
(写真は、愛知県・中京大中京高校野球部の1年生マネジャー、木村彩乃さん=左=と高橋明里さん)

語れることいっぱい!

 今日の記事には、現役の高校生だけでなく社会人も含め、野球部マネジャー経験者が何人も登場して、その魅力や苦労を語っています。記事からマネジャーの仕事を拾い出すと――練習メニューの組み立て、選手の生活指導や体重管理、部室の掃除、球拾い、バッティング練習のトス上げ、遠征バスの手配、宿の手配、記者対応、試合ではスコア付け、監督代行のサイン出し、野球場でのアナウンス……。こまごまとしたものを含めると、ほかにもたくさんの仕事があるのでしょうね。

 こうしたコツコツと取り組んだ経験こそが、ESや面接でアピールする材料になります。中でも練習メニューの組み立てや生活指導など、監督や主将を補佐する仕事はマネジメント(経営・管理)そのもの。バッティングや守備、投手力などチーム力を分析し、試合に勝つために強みを高め、弱点を補うよう工夫するわけですね。実は、会社に入ってからの仕事も同じです。課題があって、それを解決するために分析し、企画を練って、実践し、さらに工夫を重ねて実績を上げる、これが仕事ですから。

 だから多くの会社は、こうして自分の頭で考えて成長してきた人を求めています。このため、面接では体験をどんどん深掘りして具体的に聞かれますが、本気で語れることなら心配いりません。ただし、相手にしっかり伝えるには「準備」も肝心です。
(写真は、球場でのアナウンスを練習する岩手県・釜石高校野球部マネジャーの菊地一花さん=奥)

どんな活動でもOK

 1950年代に徳島県の鳴門高校野球部マネジャーで、卒業後、徳島バスに就職し、鳴門市議を4期勤めた斉藤達郎さん(取材後の10月30日に78歳で急逝)は、「マネジャーをしたから私の人生がある」と語りました。「休みは正月とお盆だけで、どっぷりと3年間つかった」という発言も載っています。高校時代の貴重な時期に打ち込んだ経験は、何物にも代え難い人生の宝物です。

 記事には「野球は決して1人ではできない。剛腕投手、バントの名手、ムードメーカー。マネジャーもまた、欠かせない存在だ」という表現が出てきます。主力選手としてグラウンドで活躍した人だけでなく、補欠でも頑張り続けた人も貴重な体験をたくさん積んでいるはず。もちろん、どんな部活でも、委員会活動でも同じです。

「ガクチカ」につなげて!

 ESの3大テーマは、①自己PR ②学生時代に力を入れたこと ③志望動機――ですが、「ガクチカ」とも呼ばれる②に、中学や高校の体験ばかりを書いてくる就活生がいます。でも、「学生」は大学生や大学院生のこと。ふつうは中高生は「生徒」、小学生は「児童」と呼びますから、「ガクチカ」で求められているのは大学時代の経験です。この欄が高校時代の経験に終始してしまったら、質問に答えていないことになるので注意してください。高校時代のことは、まずは①で思いっきりアピールしましょう。②に書く際には、高校時代の経験を生かして今もこうしたことを続けている、あるいはその経験が今このように生きているとアピールして、大学時代につなげてください。

 ESや面接には、適切な「準備」が必要です。朝日新聞社主催の就活セミナー「朝日学生キャリア塾」では、その準備をがっつりお手伝いします。私を含めた新聞記者経験者が学生の体験を個別に聞いて良さを引き出します。いま12月講座(17、18の2日間)の受講生を募集中。何から始めたらいいか分からない人、自分の体験に自信がない人、もっと自分を高めたい人……ぜひホームページをご覧ください。

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