ニュースのポイント
大学4年生の就活は大手人気企業の採用は一段落したところですが、大手でもまだエントリーを受け付けている企業が多数あるうえ、中堅・中小企業の採用はこれからが本番です。まだ内々定(内定)を得ていない人はもちろん、内定は得たものの「行きたい会社じゃない」という人も、自分が納得できるまで就活を続けてみてください。(編集長・木之本敬介)
今日は新聞の発行がお休みのため、16日(土)朝刊の記事を取り上げます。教育面(31面)の「短期決戦 内定後も就活/研究不足/『適性 合うか』『年収が』…」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。
内定得ても就活続ける
記事によると、6月末までに内定を得た学生は65.3%ですが、全体の6割近くがまだ就活を続けています(マイナビ調査)。7月4日から9日に大都市圏(関東、東海、関西)で実施した学情の調査では、私立文系学生の内定率は83.8%、就活を続けている活動率は45.9%でした。ただ、内定率と活動率は大学によって差があり、上位校は内定率86.7%、活動率33.3%なのに対し、中堅校は内定率80.0%で活動率67.5%。内定率はさほど変わらないのに、活動率は倍の開きがありました。志望企業から内定をもらった学生は就活を終えた一方、内定を得ても続けている学生が中堅校にはまだたくさんいるんですね。
今年の就活は、経団連の指針で面接などの選考が昨年の8月から6月スタートに早まったため、「短期決戦」と言われています。3月の説明会解禁から3カ月しかなかったため、企業研究が不十分な学生が目立ち、内定を得た後もほかの業種を探す学生が多数います。
選考終了企業はまだ少数
企業側はどうでしょうか。東洋経済オンラインに「採用計画の半分にも満たない企業がドッサリ」という記事が載っています。人材関連の調査機関「HR総研」の調査では、6月後半時点で採用計画数に対する内定者の割合(内定充足率)が60%未満の企業が58%。すでに選考を終えた企業はメーカーで19%、メーカー以外では13%しかありません。業界別にみると、大手商社はほぼ選考を終えていますが、専門商社はまちまち。大手電機や自動車メーカーの採用は終盤に向かっていますが、採用人数が多いメガバンクやIT系メガベンチャーは今もエントリーを受け付けています。
BtoBと中堅・中小に目を向けよう
朝日新聞の記事によると、7月4~6日に開いた法政大の学内説明会(写真)に連日約300人の学生が訪れました。藤野吉成キャリアセンター部長は内定ゼロの学生と内定を持って活動する学生が半々とみています。藤野さんは「優良なBtoB(企業間取引)企業を学生に知ってほしかった」と言います。日本には、一般には有名ではなくても優良なBtoB企業、中堅・中小企業がたくさんあり、その多くがまだ選考を続けています。
記事で、就活コンサルタントの千田琢哉さんは「少しでもピン!ときた会社はどんどんエントリーしてください」とアドバイスしています。あさがくナビなどの就活サイトのほか、合同企業説明会などでピンとくる企業を探しましょう。あさがくナビの合同企業セミナー「就職博」も、福岡(19、20日)、名古屋(20、21日)、東京(25、26日)、大阪(27、28日)、仙台(8月3、4日)と各地で開かれます。
知らない企業の話を積極的に聞いてみて、ここで働いてみたいと思えるところを探してください。
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