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記事は2本立てで構成されています。
1本目の内容は――経営再建中のシャープは、フルハイビジョンを上回る高画質の「4K」テレビを今夏、相次いで投入する。4Kテレビの市場では他社にリードされ、テレビ全体では価格競争が激しく利益を出しづらくなっている。4Kの新製品投入で、もうけもシェアも上げていく考えだ。
2本目の内容は――日本マクドナルドは21日、野菜をパティに練り込んだ「ベジタブルチキンバーガー」を25日から全国で売り出すと発表した。「バリューセット」では、サラダを追加料金なしで選べる。期限切れ鶏肉や異物混入の問題で女性や家族連れの客足が落ちており、健康志向に訴えて回復を狙う。
就活アドバイス
シャープもマクドナルドも経営が悪くなっています。シャープは液晶への過剰な投資が重荷になって、大リストラ中です。マクドナルドは、仕入先である中国の鶏肉工場の不衛生が中国メディアに告発されたうえ、異物の混入が相次ぎ表面化し、消費者離れが起きています。両社とも、後ろ向きのニュースになることが多い昨今ですので、世間に対しても就活生に対しても社内の士気のためにも、前向きの明るいニュースで、消費者の信頼を取り戻したいところです。
ただ、それがうまくいくかどうかは分かりません。うまくいかなかった極端な例をわたしの経験からご紹介しましょう。もうずいぶん昔ですが、食品業界などを担当する記者クラブに在籍していた時、ある乳製品メーカーが新製品発表のリリースを持ってきました。結構画期的な製品だったように記憶しています。ふだんはほとんど発表などない小さな会社ですが、商品が面白かったのと名前は聞いたことがあったので、新商品紹介の欄に小さな記事を書きました。ところが驚いたことに、その会社は間もなく倒産しました。新商品発表は倒産寸前の「最後の賭け」だったのです。銀行に融資を続けてもらうための発表だったのかもしれません。不明を恥じるばかりですが、「万歳突撃」のような反転攻勢もあるのです。
一方、大成功した反転攻勢もあります。古くは、アサヒビールの大復活です。わたしがビール業界を担当していた1980年代半ばは、アサヒビールのどん底時代でした。シェアは、サントリーに抜かれて最下位に落ちました。浅草にあった工場を東京都に売ったのもこのころです。それが、反転攻勢に出ます。ビールの顔ともいえるラベルを変え、会社のロゴも変え、そして味も変えました。「スーパードライ」と名付けたビールは爆発的に売れ、なんと絶対王者キリンと首位争いをするまでに復活しました。浅草の工場跡地は東京都から買い戻し、斬新な本社ビルを建てました。かつていつも胃の痛そうな顔をしていた広報部長が専務に昇進し、その本社ビル最上階に私を案内してくれたことがありました。窓から外を見降ろしながら、昔の苦労をしみじみと話してくれたのを思い出します。
最近では、自動車メーカー、マツダの復活が印象に残ります。マツダは、リーマンショックのあと大赤字に陥りました。アメリカのフォードが大株主でしたが、2010年にはフォードはほとんどの株を売ってしまいました。その頃、自動車業界はハイブリッドエンジン、電気自動車、燃料電池車などガソリン車に代わる新しいエネルギーで走る車の開発にしのぎを削っていました。それには莫大な開発費がかかるため、提携相手もいない弱小のマツダは一段と苦しくなるだろうと言われていました。しかし、マツダはその2010年にスカイアクティブ・テクノロジーという独自の技術を発表し、ガソリン車だけれども低燃費の車の開発に賭けました。そして、最新の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したデミオやCX-3などのヒット車を出しました。2012年度まで続いた赤字も今では大幅な黒字になり、見事復活を遂げました。(マツダについては5月19日の今日の朝刊「個性で勝負!マツダみたいな会社、各業界で探そう」でも取り上げています)
反転攻勢が成功するかどうか、どう見たらいいでしょうか。わたしは、その会社に基本的なポテンシャルがあるかどうかだと思います。アサヒビールにしてもマツダにしても、技術力には定評がありました。それが、販売力や宣伝力の弱さ、おっとりした社風に足を引っ張られて苦しんでいただけです。ただ、一番基本になる技術力があったため、土壇場の冒険によって、生かし切れていなかった技術力が存分に発揮されたのだと思います。
メーカーでない場合は、ポテンシャルは様々ですが、突き詰めれば人になります。どれだけいい人材を抱えているか、ではないでしょうか。
就活の企業選びで、経営状態が悪くなっている会社をどう見ればいいのか、迷いますよね。確かに少々賭けの部分はありますが、技術力があったり、人材の層が厚かったりする会社は大復活の可能性があると思います。OB・OG訪問や資料研究の際に、意識して聞いてみたり調べてみたりすればいいと思います。シャープや日本マクドナルドも、まだまだ大復活の可能性あり、とわたしは思いますが、どうでしょう。
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