2015年04月08日

人気1位はANA!企業ランキングは業界研究の「入り口」に!

テーマ:就活

ニュースのポイント

 就活をしていると、マスコミや大学、就活本などで取り上げられる企業ランキングが気になりますよね。一般的に「人気企業」ランキングとは、就活中の学生に志望する企業を挙げてもらい、ランク付けしたもの。一方、「ホワイト企業」「優良企業」「働きやすい会社」といったランキングは、マスコミ自身や情報会社などが企業へのアンケートや公表している数字などをもとに格付けしたものです。
 今日はこの企業ランキングの活用方法を一緒に考えてみましょう。(副編集長・奥村 晶)

 今日取り上げるのは、経済面(8面)の「商社・銀行↑鉄道・サービス↓/学生の就職人気」です。
 記事の内容は――就職情報会社の学情が2016年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生を対象にした「就職人気企業ランキング」を発表した。回答者は約1万3000人。1位は前年の3位からランクを上げた全日本空輸(ANA)だった。順位を上げた業界は、総合商社や銀行、メーカー。米蒸留酒大手を買収したサントリーホールディングスが32位から8位に浮上、鉄道会社やサービス業の多くは順位を落とした。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 この調査は2015年2~3月にインターネットや合同企業説明会の会場で就活生向けに実施したもの。就活が本格的にスタートした前後の時期ですから、就活生が企業の業務内容や実態を詳しく知った上で回答したものではないでしょう。上位の多くは学生にとっても身近な、一般消費者をサービスの対象とするBtoC(Business to Consumer)企業です。紙面には10位までしか掲載されていませんが、学情では「総合ランキング」は200位まで、「文理別」「男女別」でそれぞれ50位まで発表しています。あさがくナビのHPにも「総合ランキング」の100位まで掲載されています。50位前後まで見ると、ようやく企業、法人を顧客としたBtoB(Business to Business)企業が登場してきます。

 学生と話すと、「ランキングの上位は競争率が高くて超難関なので、下位の知名度の低い企業の中から良さそうな、穴場企業を狙う」という人がいます。実は日本には非上場も含めると約400万社の企業があると言われています。上場企業に限っても約3500社です。下位でもランキングに掲載されている時点で、穴場どころか、ほんの一握りの“人気企業”なのです。

 こういった企業ランキングは志望企業を選ぶときの「入り口」と思って、ここから企業研究をスタートしましょう。ランキングを見て、気になる企業があれば、その企業だけでなく、その業界全体を調べてみましょう。市場でのシェアはそれぞれどれくらいなのか、各社の収益の柱になっている商品や事業、サービスはなんなのか。そうすればランキング外でも、自分が興味のもてる企業が見つかるかもしれません。BtoB企業などの場合、知名度が低くても世界的に高いシェアを持つ企業があります。BtoB企業の探し方は、過去の「今日の朝刊」でも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
 またランキング内で興味をもった企業名で最近のニュースを検索すれば、企業の業績とともにその業界の課題、関係の深い別の業界など、いわば「芋づる式」にさまざまな情報に触れることができます。伸びている業界、低迷している業界も自ずと見えてきます。その情報をもとに就活の幅を広げつつ、最後は自分の目で、どこが自分の働く場所としてふさわしいか、じっくり見極めていきましょう。

※朝日新聞デジタルの無料会員は1日3本の記事全文を、有料会員になればすべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。ぜひ登録してください。

アーカイブ

テーマ別

月別