2013年12月17日

新卒採用倍増600人!「パナソニック、攻めます。」

テーマ:経済

ニュースのポイント

 パナソニックが2015年春に入社する国内新卒者の採用を倍増させます。同社は一時の苦境から脱して変身しようとしており、採用でも「攻め」に転じます。個性的な人材を求める「型破り選考」も実施します。巨大企業の積極採用方針は、就職戦線全体にも明るい話題です。

 今日取り上げるのは、経済面の「シューカツ/パナ、新卒採用倍増/再来年春は700人/リストラ一区切り」です。
 記事の内容は――パナソニックは2015年春に入社する新卒採用を倍増させて700人にする。プラズマテレビ撤退などのリストラに一区切りつき「経営環境が改善し、成長分野に攻勢をかける」(広報)ため。大学・大学院生の採用は600人(前年350人)。選考方法も見直し、大胆な発想を求める「型破り選考」も導入する。アフリカ大陸横断と言った特殊な経験をした学生を念頭に、「異質、異能な人材を積極的に採用したい」(広報)。技術系の一部には「チャレンジ選考」を採り入れ、事業に関連した技術を学んだ人材だけでなく、潜在能力や意欲の高い学生も採用する。2年連続の巨額赤字を記録した同社は、家電中心から、自動車や住宅など法人向けにも事業を広げる計画を掲げる。新規事業を生み出すため新卒者を戦略的に配置する方針。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 パナソニックについては、11月26日の今日の朝刊「『変身』なるか? パナソニックの新戦略に注目!」で、この数年の苦境を脱するためリストラに加え、従来の「BtoC」(Business to Consumer、一般消費者向け)中心から「BtoB」(Business to Business、企業間取引)を軸にした企業に変身しようとしている様子を書きました。

 同社の採用ホームページを開くと「パナソニック、攻めます。」の大きな文字。さらに「培ってきた家電のDNAを受け継ぎながら、家の中から、オフィス、店舗、自動車、航空機、さらに街まで、お客様が活動する様々な空間において、『いいくらし』を拡げる存在になれる。そう私たちは信じています。パナソニック=家電メーカー、そんなイメージを過去のものとして、新たなフィールドで既存の枠を超えた大きな価値を生み出すために。私たちは、『攻め』の姿勢で道の世界を切り拓いていく覚悟です」とのメッセージが。大卒600人採用は2003年以来の多さです。巨大企業だけに、今後、他の企業の採用戦略にも影響を及ぼしそうです。

 さらに、「型破り選考」「チャレンジ選考」にも注目です。まだ選考方法など詳細はわかりませんが、起業をするなど大胆な発想や経験を持った学生を求める方針です。「人事のホンネ」のインタビューでは、ベネッセコーポレーションが「ビジネス志向のアグレッシブな人」、凸版印刷も「ベンチャー的気質を持った人」を求め、選考方法を工夫していると話していました。大企業は古めかしい、つまらなそうと思っている人もいるかもしれませんが、時代によって企業も変化しています。「人事のホンネ」を読んだり、OB・OG訪問をしたりして、企業が今どんな人を求めているのか調べてみましょう。
                                  
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