2024年06月10日

トヨタ会長 当事者意識に欠ける「ブルータス、お前もか」発言【週間ニュースまとめ6月3日~9日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週には、自動車メーカーの認証不正問題が大きなニュースになりました。ダイハツ工業で昨年発覚した認証不正をきっかけに国土交通省が他メーカーに調査を求めたところ、トヨタ自動車など5社で不正があったことがわかったのです。今回の5社以外にも過去に同じような不正が発覚したメーカーはいくつもあり、日本の自動車メーカーのほとんどが発覚するまで法規で定められたやり方を守っていなかったことになります。

 トヨタ自動車の豊田章男会長は会見で「ブルータス、お前もか」という、当事者意識に欠ける言葉を口にしていました。おそらく、認証基準を厳密に守らなくても安全性に問題はないという軽い気持ちが根底にあったのでしょう。確かに少々違う方法でも安全性を確認できるのかもしれませんが、それがどんどん緩んでくると、欠陥車が市場に出てくる可能性があります。どんな分野でも決まりをやぶる時には「これくらいいいだろう」という気持ちから始まることが多いと思います。ただ、「これくらい」の範囲が広がっていくと、大きな問題につながります。当たり前のことですが、決まりはきちんと守らないといけません。決まりがおかしければ、決まりを変えるための声を上げなければなりません。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・会見で報道陣の質問に答えるトヨタ自動車の豊田章男会長=2024年6月3日/朝日新聞社)

【国際】メキシコ初の女性大統領が誕生 現職の側近、シェインバウム氏大勝へ(6/3.Mon)

 メキシコで2日、左派ロペスオブラドール大統領の任期満了に伴う大統領選があり、同氏が率いる与党「国家再生運動」(モレナ)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(61)が初当選を果たした。選挙管理当局が明らかにした。「マチスモ(男性優位主義)」が根強いといわれるメキシコで、初めて女性大統領が誕生する。選挙管理当局によると、3日午前5時時点(開票率71.89%)で、シェインバウム氏の得票率は58・56%、野党連合のソチル・ガルベス上院議員(61)が28.45%。選管の幹部によると、シェインバウム氏は最終的に58.3~60.7%を得票し、大勝を収める見通しだ。

【経済】トヨタ、マツダなど5社に国交省が立ち入り検査へ 車両認証不正(6/3.Mon)

 国土交通省は3日、トヨタ自動車など5社で、車の大量生産に必要な「型式指定」の手続きを巡る認証不正があったと発表した。不正が認められたのは現行生産車で計6車種、生産終了車で計32車種。国交省は道路運送車両法に基づき、4日にトヨタ本社を立ち入り検査する。ほかの4社に対しても順次実施する。不正があったのは他にマツダヤマハ発動機ホンダスズキの4社。
 トヨタ自動車は3日に記者会見を開き、豊田章男会長が「日野、ダイハツ、豊田自動織機に続き、グループ内で問題が発生しておりますことに対し、トヨタグループの責任者として、お客様、車ファン、ステークホルダーの皆様に心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。(6/3.Mon)

【社会】出生数・出生率ともに過去最少に 昨年生まれた子は72万7277人(6/5.Wed)

 2023年に生まれた日本人の子ども(出生数)は72万7277人で、統計がある1899年以降過去最少だった。1人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数を示す「合計特殊出生率」も1.20で、統計がある1947年以降過去最低。厚生労働省が5日、人口動態統計を発表した。少子化に歯止めがかからない状況だ。出生数は前年より4万3482人(5.6%)の減少。合計特殊出生率は前年の1.26より0.06ポイント低下した。いずれも8年連続の減少だった。

【経済】中小企業の賃上げ3.62%、日商が初調査 大企業との格差鮮明に(6/5.Wed)

 日本商工会議所は5日、今年度の中小企業の賃上げに関する調査結果を発表した。定期昇給と賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)を合わせた正社員の賃上げ率は3.62%だった。経団連が先月発表した大企業の今春闘の賃上げ率(1次集計、5.58%)を大きく下回り、企業規模による賃上げ格差が鮮明になった。日商が中小企業の賃上げ額や賃上げ率を調査・公表するのは初めて。物価上昇や人手不足を背景に雇用の7割を占める中小企業への賃上げの波及が課題になる中、中小企業の賃上げの実態を詳しく把握しようと、4月19日~5月17日に調査を実施。昨年4月時点で在籍し、その後雇用形態や労働時間に変更がない従業員を対象に調べた。全国の会員企業1979社から回答を得た。

【宇宙】米ボーイングの新型有人宇宙船打ち上げ スペースXに続き民間2社目(6/5.Wed)

 米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人を乗せた米航空大手ボーイングの新型宇宙船が5日、米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられた。初の有人飛行で、約25時間半後に国際宇宙ステーション(ISS)に到着する予定。米国はISSへの飛行士の輸送手段を2種類、確保することになる。新型宇宙船「スターライナー」は米東部時間5日午前10時50分ごろ(日本時間5日午後11時50分ごろ)、アトラスVロケットで打ち上げられた。約30分後、地球を周回する軌道に入った。

◆朝日新聞デジタルのベーシック会員(月額980円)になれば毎月50本の記事を読むことができ、スマホでも検索できます。スタンダード会員(月1980円)なら記事数無制限、「MYキーワード」登録で関連記事を見逃しません。大事な記事をとっておくスクラップ機能もあります。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別