2024年03月04日

出生数が8年連続減少 減少ペースが予想より早く【週間ニュースまとめ2月26日~3月3日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 生まれてくる子どもの数が減っています。2023年の出生数は75万人余りで、8年連続の減少となったことがわかりました。減り方は予想より早く、21世紀半ばすぎには日本の人口が1億人を割るという国の機関の予測は、さらに早まる可能性が出ています。

 人口が減り続けると、国内の需要が減るとともに働き手も不足するようになり、経済規模は縮小していきます。日本が相対的に貧しい国になっていくことが想像できるわけで、それは大問題です。出生数減少の理由は教育費などの子育て費用がかかりすぎること、キャリアアップとの両立が難しいこと(特に女性)、男女が出会う機会が少ないことなど複数指摘されています。政府や自治体や企業もそうした理由はわかっていて、子どもへの給付金を増やしたり、男性の育児休業取得を促したり、出会いの場を提供したりする政策を打ち出しています。それでも結婚数と出生数の減少トレンドは変わりません。移民を積極的に受け入れるという対策も考えられますが、まだ現状、世論は熟していません。今はもっともっと「結婚することや出産することが得だ」と思わせる政策を打ち出していくことが必要と思います。(ジャーナリスト・一色清)

(写真はPIXTA)

【国際】スウェーデン、NATO加盟へ 32カ国目 ハンガリー議会が承認(2/26.Mon)

 スウェーデン北大西洋条約機構(NATO)加盟が2月26日決まった。加盟国で唯一承認していなかったハンガリーの議会が同日、加盟を認める法案を可決した。ロシアのウクライナへの侵攻を機に、加盟へとかじを切ったフィンランドとスウェーデンが加わることで、ロシアはバルト海を挟んでNATOと直接対峙(たいじ)することになる。ロシアにとっては侵攻が裏目に出た形だ。スウェーデンは19世紀初頭以来200年近くにわたって軍事非同盟・中立の外交方針を取ってきたが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に転換。隣国のフィンランドとともに同年5月、NATOへの加盟を申請していた。すでに昨年加盟していたフィンランドに続き、スウェーデンの加盟でNATOは32カ国体制となる。

【社会】2023年の出生数75万人 減少加速 婚姻は戦後初の50万組割れ(2/27.Tue)

 2023年に生まれた子どもの数(外国人を含む出生数)は、75万8631人で8年連続で減り、過去最少となった。婚姻数は48万9281組で、戦後初めて50万組を割った。出生数は前年に初めて80万人を下回ったが、減少スピードに拍車がかかっている。厚生労働省が2月27日に公表した2023年の人口動態統計(速報)で明らかになった。出生数は、前年比で4万1097人減。速報値ベースで出生数が100万人を切ったのが2017年。以来、3~5%程度で減少し、2022年には80万人を割った。2023年の減少率は前年比5.14%で、2022年(同5.12%減)よりわずかに拡大した。
 韓国の2023年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数)が0.72(暫定値)となった。韓国統計庁が2月28日発表した。前年の0.78をさらに下回り、同様に少子化に直面する日本(2022年に1.26)と比べても低い。世界的にも異例の「超少子化」が続いている。(2/28.Wed)

【経済】ウエルシアとツルハ、経営統合へ 売上高2兆円超の巨大連合誕生へ(2/28.Wed)

 ドラッグストア首位のウエルシアホールディングス(HD、東京都)と2位のツルハHD(札幌市)は2月28日、2027年12月末までに経営統合すると発表した。イオンがツルハの株式を追加取得したうえで、イオンの子会社であるウエルシアがツルハの傘下に入る。統合後は売上高2兆円超のドラッグストアの巨大連合が誕生する。統合すれば、両社合わせて国内約5千店舗を抱える国内最大のドラッグストア連合になる。店舗のブランドはそれぞれ維持する考えだが、具体的には3社で協議する。統合後の会社のトップには統合時点のツルハの代表者が就く見通しだ。

【経済】大手損保4社、役員132人処分 カルテル問題で業務改善計画を提出(2/29.Thu)

 企業向け保険料の事前調整行為をめぐり、大手損害保険4社は2月29日、業務改善計画を金融庁に提出した。経営責任として、4社合計で、社長を含む経営陣132人を処分した。取引先との関係維持のために持つ「政策保有株」を、段階的にすべて売却する方針も示した。損害保険ジャパンは、西沢敬二会長が3月末に退任することも発表した。同社は、中古車販売大手ビッグモーターによる不正請求問題でも金融庁から業務改善命令を受けており、自ら退く意向を示したという。

【政治】政倫審、実態解明にはほど遠く 岸田首相はこれまでの説明繰り返す(2/29.Thu)

 自民党派閥による裏金事件を受け、岸田文雄首相が出席する衆院政治倫理審査会が2月29日、開かれた。政倫審に現職の首相が出席するのは初めて。首相は、悪質な事例では会計責任者だけでなく政治家本人も責任を負うよう法改正に向けて意欲を示した。一方、安倍派や二階派での組織的な裏金作りの実態についてこれまでの説明を繰り返し、野党からは「何のための弁明か」との批判が上がった。

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