2023年01月16日

中国が日本人向けビザ発給停止 両国の経済にマイナス【週間ニュースまとめ1月10日~15日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 日本と中国の関係がまたぎくしゃくしています。中国が日本人向けのビザの発給を停止したのです。中国にはビザをもらわないと行けないので、事実上の入国禁止措置になります。新型コロナの感染が急拡大した中国からの渡航者に対し、日本政府が水際対策を強化したことへの対抗措置のようです。日本は中国人の訪日ビザ発給制限まではしていないのにこうした措置をとるのは相互主義に反しますし、同様の水際対策をとる欧米諸国にはビザを発給していることからもおかしな対応だと思います。外務省の海外在留邦人数調査によると、2022年10月1日現在、中国には10万2000余人の日本人が住んでいます。国別では41万人余が住むアメリカに次いで2番目に多い数です。コロナ禍前の2019年よりは1万4000人ほど減っていますが、それでも10万を超す日本人がまだ住んでいます。多くはビジネスパーソンと家族で、そうした人たちの活動が日中両国の経済成長に寄与しています。しかし、ぎくしゃくした関係が続き、人の往来が減れば、両国の経済にはともにマイナスになります。日本と中国は政治体制が違いますが、経済的にはとても結びつきが強いわけで、中国政府には一刻も早くビザ発給を再開してほしいものです。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・中国からの入国者に義務づけられた抗原検査の列に並ぶ旅客=2022年12月30日、成田空港)

【経済】東京23区の物価指数、昨年12月は4%上昇 40年ぶりの上昇率(1/10.Tue)

 総務省が10日発表した2022年12月の東京都区部の消費者物価指数(速報値)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞいた総合指数(2020年=100)が103.9で、前年同月より4.0%上がった。上昇は16カ月連続で、上昇率が4%台となるのは1982年4月以来40年8カ月ぶり。世界的な原油高や資源価格の高騰を受け、電気代やガソリンなどのエネルギー関連に加え、生鮮食品をのぞく食料が7.5%上がるなど上昇が加速している。総務省が同日発表した2022年平均の都区部の指数は101.9で、前年より2.2%上がった。上昇は3年ぶりで、消費増税のあった2014年以来の上げ幅となった。消費増税の影響をのぞけば、1992年以来30年ぶりの高い伸びとなった。

【国際】中国、日本人向けビザ発給の一時停止を発表 水際対策強化に対抗か(1/10.Tue)

 在日中国大使館は10日夜、日本人に対するビザの発給を同日から一時的に停止すると発表した。再開の時期については、改めて通知するとしている。中国からの渡航者に新型コロナウイルスの陰性証明を求めるなど、日本政府が水際対策を強めていることへの対抗措置とみられる。「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和後、中国では新型コロナの感染が爆発的に拡大。日本政府は昨年12月30日から、中国から渡航した人は入国時に全員、検査する措置をとった。陽性の場合は、待機施設で原則7日間隔離としている。今月8日からは、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提出を求めている。中国外務省の汪文斌副報道局長は10日午後の定例会見で日本でのビザ手続きについて問われ、「一部の国が科学的事実と自国の実態を無視して、中国に対し差別的な入国制限措置を取っている」と指摘。その上で「中国は断固として反対し、対等な措置を取る」と述べた。日本と明言しなかったが、入国制限への対抗措置だとにじませていた。

【労働】ユニクロ、国内正社員の年収を最大4割アップ 初任給は30万円に(1/11.Wed)

 衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは11日、3月から国内の正社員約8400人の賃金を上げると発表した。ボーナスも含む年収の引き上げ幅は数%~40%ほどになる見込み。同社は欧米の正社員の年収が日本に比べて高い傾向があり、差を縮めるのがねらいだという。平均の賃上げ幅は明らかにしていない。新入社員の初任給は月25万5000円から30万円に、入社1~2年目で就任する店長の収入は月29万円から39万円になるという。国内の人手不足が続くなかで優秀な人材を確保するため、好待遇をアピールするねらいもある。

●詳しくは、ユニクロ最大4割賃上げ、初任給30万円 どこまで広がる?【イチ押しニュース】を読んでください

【社会】山上容疑者を殺人と銃刀法違反の罪で起訴 奈良地検、裁判員裁判へ (1/13.Fri)

 安倍晋三元首相の銃撃事件で、奈良地検は13日、山上徹也容疑者(42)を殺人と銃刀法違反(発射、加重所持)の罪で起訴した。約5カ月半の鑑定留置を踏まえ、心神喪失などの状態にはなく刑事責任能力を問えると判断した。裁判員裁判で審理される見通し。捜査関係者によると、山上容疑者は、宗教法人「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」に入信した母が多額の献金をしたことで破産し、生活が困窮したと説明。教団を恨み、「教団と深い関わりのある安倍氏を撃った」と供述しているという。事件を機に、教団側と政治家の接点が次々に判明。教団をめぐる高額献金の実態や、信者の親を持つ「宗教2世」の窮状にも注目が集まり、悪質な寄付の勧誘などを規制する不当寄付勧誘防止法(被害者救済新法)が昨年末の臨時国会で成立、5日施行された。

【国際】日米首脳会談で共同声明 安保3文書改定「日米関係を現代化する」 (1/13.Fri)

 岸田文雄首相は米ワシントンで13日午前(日本時間14日未明)、バイデン大統領と会談した。首相は敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や防衛費の大幅増を決めたことを説明。バイデン氏は全面的な支持を表明した。共同声明では日本の取り組みについて「インド太平洋及び国際社会全体の安全保障を強化し、21世紀に向けて日米関係を現代化する」と評価した。首相は2022年5月、東京でバイデン氏と会談した際、「防衛力の抜本的な強化」と「防衛費の相当な増額」を約束した。昨年12月には国家安全保障戦略など安保関連3文書を改定。相手の領域内にあるミサイル発射拠点などを直接攻撃する「敵基地攻撃能力」の保有や米国製巡航ミサイル「トマホーク」の導入を決めた。防衛費も2023年度以降の5年間で、これまでの1.5倍の約43兆円と大幅に増額。戦後日本の安全保障政策を大転換させた。バイデン氏は会談の冒頭、「日本による防衛費の歴史的な増額や新たな国家安保戦略に基づき、我々は軍事同盟を現代化している」と評価。首相も「地域の平和や繁栄に貢献し自らの国の安全を守るため、新しい戦略を策定した。日米同盟の抑止力、対処力を強めることにつながる」と述べた。

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