2023年01月10日

「異次元の少子化対策」には巨額財源必要…どうする文雄【週間ニュースまとめ1月4日~9日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 岸田文雄首相は4日の年頭の記者会見で「異次元少子化対策に挑戦する」と述べました。東京都の小池百合子知事は同じ日、少子化対策としてこども1人あたり月5000円程度の給付を検討していることを明らかにしました。首相と都知事が相次いで少子化対策を打ち出した背景には、2022年の出生数が77万人台になるとの推計があります。出生数は長く減少傾向にありますが、77万人台という数字は政府の想定より11年も早く、少子化のペースが加速していることを表しています。国の経済は人口構成とかかわりが深く、若年人口が相対的に多ければ成長にプラスとなり、若年人口が相対的に少なければ成長にマイナスとなる傾向があります。つまり、少子化が進めば、日本経済は衰退していく可能性が高いということです。将来の日本経済を見据えた時、少子化を食い止めることがとても重要であることは間違いありません。首相が「異次元の少子化対策」という表現を使ったのも強い危機感の表れであり、その問題意識は正しいと思います。ただ、少子化対策といえばおカネを給付したり教育費を肩代わりしたりすることが中心にならざるを得ません。異次元というからにはかなり巨額の財源が必要になるはずです。それを生み出すには、増税か借金かほかの予算を大胆に削るか、くらいしかないでしょう。いずれも国民の強い抵抗が想像されます。大河ドラマのタイトルではありませんが、「どうする文雄」です。(ジャーナリスト・一色清)

【政治】岸田首相「賃金が毎年伸びる構造つくる」 具体策は十分に示さず(1/4.Wed)

 岸田文雄首相は4日、三重県伊勢市で年頭の記者会見を行い、成長と分配の好循環を実現するため、今年の春闘で「インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」と述べた。今年の課題として「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明。主要7カ国(G7)議長国として、9日から欧米5カ国を訪問するとし、バイデン米大統領との会談で「日米同盟の一層の強化を内外に示す」と語った。首相は会見で「先送りできない問題への挑戦を続けていく」と述べ、賃上げと少子化対策を重点的に取り組むとした。
 東京都の小池百合子知事は4日、少子化対策として、都内の0~18歳に対し、1人あたり月5000円程度の給付を検討していることを明らかにした。2023年度からの支給をめざしている。都関係者によると、所得制限は設けない方針という。小池知事が4日午前にあった職員向けの新年あいさつで明らかにした。(1/4.Wed)

【経済】ソニーとホンダ、EV「AFEELA」初公開 2025年に先行受注(1/5.Thu)

 ソニーグループとホンダが出資する電気自動車(EV)の会社「ソニー・ホンダモビリティ」は5日(現地時間4日)、自社開発したEVのプロトタイプ(試作車)「AFEELA(アフィーラ)」を米国で初公開した。自動車の価値が走行性能や燃費から「車内でいかに楽しめるか」に移る自動運転の時代を強く意識した車だ。米国・ラスベガスで5日(日本時間6日)に始まる技術見本市「CES」を前に開いた会見で、新しい車両をお披露目した。2025年前半に先行受注を始め、26年春から北米へ出荷する。車内でのエンターテインメントに関し、人気オンラインゲーム「フォートナイト」の開発元である米エピックゲームズと協業することも発表した。

【国際】米下院議長選、15回目で決着 共和党の造反組、説得に応じる(1/7.Sat)

 100年ぶりの再投票に突入していた米下院議長選は7日未明、通算15回目の投票でついに決着した。多数派の共和党で造反していた議員らが説得に応じ、ケビン・マッカーシー下院院内総務が過半数の支持を得て、正式に議長に選出された。下院議長選が再投票にもつれこんだのは、1923年以来100年ぶり。投票が15回も続くのは、164年ぶりという歴史的に異例の事態だった。下院は機能不全が続いてきたが、ようやくほかの議事に進むことが可能となる。下院(定数435、欠員1)では、共和党222人のうち6人の強硬派が最後まで造反を続けていた。だが7日未明に実施された15回目の投票では、6人の全員が、どの候補も支持しない白紙投票にあたる「出席」を宣言。これを除き、有効票428票のなかで、マッカーシー氏が216票を獲得し、初めて過半数に届いた。

【医療】国内死者数が6万人超える 新規感染は18万8610人 新型コロナ (1/8.Sun)

 新型コロナウイルスに感染し、国内で亡くなった人の累計(クルーズ船を含む)が8日、6万人を超えた。午後7時時点で新たに301人の死亡が確認され、6万206人となった。国内の死者数は2021年4月に1万人に達し、その後は1万人ごとに3~10カ月のペースで増えてきたが、5万人を超えた先月1日から1カ月余りで6万人に達した。この日の国内の新規感染者数は18万8610人で、前週の同じ曜日(1月1日)より10万2115人多かった。都道府県別では最多の東京都が1万5124人。大阪府の1万2542人、福岡県の1万1705人と続いた。茨城県は5542人で過去最多だった。

【国際】ブラジル前大統領の支持者5000人、大統領府に突入 400人を拘束 (1/8.Sun)

 ブラジルの首都ブラジリアで8日、昨年に落選したボルソナーロ前大統領の選挙をめぐる「不正」を訴え、軍の介入などを求めたデモ参加者ら約4000人が暴徒化して、大統領府や国会議事堂、最高裁判所に侵入した。ブラジリア当局によると数時間で鎮圧され、約400人が拘束された。ボルソナーロ氏は在任時から、選挙の電子投票の「不正」を根拠を示さずに主張してきた。その訴えに共鳴した支持者らが8日午後3時ごろ、ブラジル国旗などを身にまとい、大統領府や議事堂の窓ガラスを割って内部に押し入った。地元メディアによると、支持者らは大統領府にある歴代大統領の肖像画を壊し、議事堂でも、屋根の上で旗を振ったり議員席でポーズを取ったりした。警察は放水砲を使って押し戻したり、上空からヘリコプターで催涙ガスをまいたりしたという。警察はゴム弾も使用したとみられている。

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