2013年08月28日

ホンダ、F1のDNAで軽自動車復活

テーマ:経済

ニュースのポイント

 ホンダの軽自動車が快調です。世界最高峰のカーレース「フォーミュラ―1(F1)」で培ったDNA(企業遺伝子)を軽自動車に生かした結果です。各企業には、脈々と受け継がれたDNAがあります。ぜひ社員に直接会って肌で感じとってください。

 今日取り上げるのは、経済面(7面)の「けいざい神話/ホンダ 挑戦の系譜①/軽復活 F1のDNA」です。
 記事の内容は――ホンダの軽自動車NBOX(エヌボックス)は、2011年末の発売直後から大ヒットし、販売台数は12年度23万台を超え、看板車種に成長した。三重県鈴鹿市の鈴鹿製作所では、2本の生産ラインのうち1本はNBOXで埋まった。生みの親の浅木泰昭・本田技術研究所執行役員は「いずれ鈴鹿を軽で埋め尽くしたい」と言う。1980年代、黄金期のホンダF1のエンジンチームにいた浅木氏は4年前に軽自動車の担当を打診されたとき、「俺が軽? なんで?」と思った。当時、ホンダの軽事業は右肩下がりが続き10年以上連続の赤字。浅木氏は軽ユーザーに多い主婦層の意見を集め、子どもの自転車を荷台に載せられる軽を作ることに。室内を広くするためエンジンの新たな構造を開発し、エンジンルームを9センチ縮めることに成功。浅木氏は「決められた規格で勝負するのは、F1も軽も同じ」と言う。7年ぶりのF1復帰を決めた伊東孝紳社長は「量産車の開発に加わったF1元技術者たちがホンダの競争力を高めた」と語る。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 長年培われたDNAが脈々と受け継がれている企業があります。企業理念のようにはっきり掲げている会社はあまりないでしょうが、社長さんはよく「我が社のDNAを受け継ぎ……」などと言いますよね。その企業らしさ、企業文化のようなものです。歴代社長らの言葉から拾うと、ホンダでは「新しいことに挑戦する」ことでありF1参戦がその象徴です。トヨタ自動車の場合は「働く人が自らの意見で職場を絶え間なくカイゼンすること」、サントリーの「やってみなはれ」の精神もDNAでしょう。パナソニック創業者の松下幸之助氏が「電化製品を水道水のように安く大量に普及させ、人々を幸せにする」として提唱した「水道哲学」も同じです。こうしたDNAが、堅実な社風、チャレンジ精神などとして浸透し、企業の日々の活動の底流を支えています。

 企業のDNAを知るにはどうしたらよいでしょうか。自然に受け継がれ、社内で共有されている価値観のようなものですから、やはり社員に会って話をするのが一番です。まだまだこれからインターンシップを実施する企業は多くあります。朝日学情ナビのトップページにはたくさんの企業のインターンシップ情報が載っています。OB・OG訪問にも積極的に取り組んでください。できれば12月の企業の広報活動解禁までの間に、できるだけ多くの社員に会って、話の内容、話しぶり、雰囲気などから、DNAを感じとってみてください。

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