2022年01月24日

中国「ゼロコロナ」で経済減速+高齢化 日本企業にも影響大【週間ニュースまとめ1月17日~23日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 中国の経済成長が鈍っています。2021年10~12月期の成長率は4.0%で、中国にしては異例の低成長となりました。北京冬季五輪を前に「ゼロコロナ」を掲げて国民に厳しい行動制限を課していますが、それが成長率を押し下げている一因のようです。ただ、中国は長期的にも経済成長が鈍っていくとみられています。大きな要因は、少子高齢化です。中国の2021年の出生数は1949年の建国以来最低となりました。政府はかつての一人っ子政策を改め3人目の出産を認めるようになりましたが、都市化や高学歴化により子育てに費用がかかるため、出生数が増える兆しは見えません。一方、高齢化は進み、2021年末の65歳以上の比率は14.2%となり、年々上昇しています。2021年は出生数が死亡者数を上回ったため、人口はわずかに増えましたが、早ければ2022年に人口が減る時代に入るとみられています。少子高齢化は労働力も消費力も減るということですから、経済成長にはマイナスになります。中国が強大な国になるのは日本にとって脅威ですが、中国の経済成長が鈍るのは日本の経済にとってはいいことではありません。日本企業は中国に進出し、安価な労働力と市場拡大の恩恵を受けてきました。労働力が高価になり、市場が拡大しなくなれば、そうした企業の業績は悪くなります。日本と中国は領土問題や人権問題などで相容れないところがありますが、経済面ではパートナーでもあります。こうした複雑な関係性を念頭に置きながら、中国経済の行方を注視してほしいと思います。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、「ゼロコロナ」政策の影響でシャッター街になった世界文化遺産・鼓浪嶼の中心街=1月15日、中国・福建省アモイ市)

【国際】中国の2021年実質GDPは8.1%増、足元では減速感 出生数は最少(1/17.Mon)

 中国国家統計局が17日に発表した2021年の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質成長率は前年比で8.1%だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が色濃かった2020年の反動増の側面が大きい。足元では減速感が強まっている。また、2021年の出生数が1949年の建国以来過去最少の1062万人に減少した。2021年の成長率が高い数字となったのは、2021年1~3月期の成長率が前年のコロナ禍からの反動で18.3%だったことが大きい。その後の4~6月期は7.9%、7~9月期は4.9%。17日に同時に発表した2021年10~12月期の成長率は4.0%とさらに減速した。

【経済】システム障害のみずほFG、新体制と改善計画を発表 3トップが交代(1/17.Mon)

 みずほフィナンシャルグループ(FG)は17日、昨年来の一連のシステム障害を受け、引責辞任する坂井辰史社長(62)の後任に木原正裕執行役(56)を昇格させることを柱とした新たな経営体制を発表した。同日、システム部門の増強策などを盛り込んだ業務改善計画も金融庁に提出。新体制のもと経営改革に取り組み、信頼回復を急ぐ。木原氏の就任は2月1日付。当初、4月を予定していたが早める。退任する佐藤康博会長(69)の後任には今井誠司副社長(59)、引責辞任するみずほ銀行の藤原弘治頭取(60)の後任には、加藤勝彦副頭取(56)をあてる。今井、加藤両氏は4月1日付で就く。みずほは昨年2~9月にかけて8回のシステム障害を起こし、金融庁から2度の業務改善命令を受け、「経営陣の責任は重大」と断じられた。このため、3トップがそろって交代することで経営責任を明確にし、新たな布陣で再発防止をめざす。この日提出した改善計画では、基幹システムの安定稼働に向けて、システム部門の人員を今年3月までに増やすとした。金融庁から「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と批判された縦割り意識などの企業風土については経営陣と社員との座談会をしたり、現場の社員が経営陣に直接意見を伝える仕組みを設けたりして改革するとした。

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【経済】2022年度の消費者物価、1.1%増の見通し 資源価格高騰で引き上げ(1/18.Tue)

 日本銀行は18日、2022年度の消費者物価指数の上昇率の見通しを前年度比1.1%とし、2021年10月の前回見通しより0.2ポイント引き上げた。資源価格の高騰などが理由だ。しかし、2023年度でも目標の2%には届かないとみて、国債の大量購入などの大規模な金融緩和の枠組みは維持するとした。見通しを変えた最大の理由は、欧米経済の回復で原油などの資源価格が高騰していることだ。今後、様々な商品やサービスの値上がりにつながるとみている。昨春以降、物価上昇率を1.1%幅ほど押し下げていた国内の携帯電話の通信料値下げの影響が2022年4月以降なくなることも要因だ。

【社会】統計不正問題、国交省が次官ら10人を処分 国交相は給与を自主返納(1/21.Fri)

 国土交通省基幹統計「建設工事受注動態統計」を書き換えて二重計上していた問題で、同省は21日、事務方トップの山田邦博・事務次官や当時の幹部ら計10人を処分した。同省は検証チームなどを設け、再発防止策や書き換えられたデータの復元方法を検討する。今後、処分の対象が広がる可能性がある。今回の処分は、第三者による検証委員会の報告書で特に厳しく指摘された二重計上に関わった幹部らの責任を重視。2019年12月までに二重計上を認識しながらも、不正な調査結果を公表し続けた当時の政総審議官と元室長を、最も重い減給3カ月とした。元審議官は退職しており、相当額の自主返納を求める。

【政治】名護市長選、政権推す現職の渡具知氏再選 辺野古移設反対の新顔破る(1/23.Sun)

 沖縄県名護市の市長選が23日投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を進める岸田文雄政権が推した現職の渡具知武豊(とぐち・たけとよ)氏(60)=自民、公明推薦=が、移設に反対する玉城デニー知事が支援した前市議で新顔の岸本洋平氏(49)=立憲民主、共産、れいわ、社民、沖縄社会大衆推薦=を破り、再選を果たした。渡具知氏は移設について賛否を明言せず「黙認」しており、政府は引き続き工事を進める。辺野古の海の軟弱地盤判明で政府が出した設計変更について、玉城知事が不承認とし、4分の3の区域で埋め立てが進められない状態にあるが、最大の山場となる秋の知事選に向けて、玉城知事や、支持勢力「オール沖縄」にとって厳しい結果となった。渡具知氏は移設について「国と県の裁判を見守る立場」を維持。一方で、「移設反対」の前市長時には交付されなかった国の米軍再編交付金を受け取り、学校給食費や子ども医療費などの無償化にあてた。選挙戦でも移設問題をほぼ語らず「子育て支援」を実績として訴えた。財源にはふれず、「国と交渉して実現させた」と政権との協調路線を強調した。

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