2021年07月26日

トラブル続きの東京五輪開幕 「若気の至り」ですまぬSNS時代【週間ニュースまとめ7月19日~25日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 東京オリンピックが開幕しました。招致が決まってからの8年、開幕にこぎつけるまでにはたくさんのゴタゴタがありました。特に、開会式直前にあった開会式の楽曲の作曲担当者が辞任、開閉会式のディレクターの解任は衝撃的でした。組織委員会の理事たちから開会式の中止論まで出る始末でした。作曲担当者は学生時代の凄惨ないじめを武勇伝のように語った雑誌記事、ディレクターは若手芸人時代のコントの中で使ったナチスによるユダヤ人虐殺に関するセリフが問題にされました。ともに「多様性と調和」を掲げるオリンピックの開会式で重要な役割を務めるにはふさわしくない過去です。辞任や解任は当然だと思います。ただ、問題視された雑誌の記事やコントは二十数年前のものです。それがここにきて一気に広がったのはSNSの発達によるものです。過去の言動でもだれかが火をつければ、内容次第であっという間に燃え広がります。「若気の至り」という言葉があります。若いときの過ちを若さゆえの思慮不足として振り返って反省するときなどに使います。SNS時代には「若気の至り」が通用しにくくなる面があります。みなさんが社会人になって大きな仕事をしようとしたとき、学生時代にアップしたふざけすぎた動画や書き込みなどが問題になるかもしれません。そういう時代に生きていることを自覚して行動するようにしましょう。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、東京五輪の開会式=2021年7月23日、国立競技場)

【社会】小山田さん、組織委に辞任申し出 「配慮に欠けていた」(7/19.Mon)

 東京オリンピック(五輪)の開会式で楽曲の作曲を担当すると発表されていたミュージシャンの小山田圭吾さん(52)が、過去に同級生や障害者をいじめた経験をインタビューで語っていた問題で、小山田さんが19日、大会組織委員会へ辞任を申し出たと自身のツイッターで明らかにした。組織委は同日、辞意を受け入れると発表し、「混乱を招いたことを心からおわびします」と謝罪した。
 東京五輪の大会組織委員会は22日、開閉会式のディレクターを務める小林賢太郎氏(48)を解任したと発表した。組織委によると、小林氏は演出全体の調整役を務めていた。小林氏はお笑いコンビ「ラーメンズ」として活動し、現在は舞台作品などの企画・脚本を手がけている。ラーメンズ時代のコントで「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」というセリフを用いた動画がインターネット上で拡散し、批判が集まっていた。(7/22.Thu)

【科学】ベゾス氏ロケット打ち上げ成功 10分間、初の宇宙旅行(7/20.Tue)

 米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が立ち上げた宇宙企業「ブルー・オリジン」が20日、米テキサス州から、4人が乗った宇宙船を自社のロケットで打ち上げ、顧客を乗せた世界初の宇宙旅行に成功した。搭乗したのは、ベゾス氏と弟のマーク・ベゾス氏、1960年代に女性飛行士候補だったウォリー・ファンクさん(82)。そして、残る1席のオークションに参加したオランダの投資会社の創業者の息子オリバー・デーメンさん(18)が、旅費を払う初の顧客となった。2人は宇宙に行った最年長と最年少となる。4人が乗る宇宙船は日本時間20日午後10時すぎ、新型ロケット「ニューシェパード」で打ち上げられた。約3分後に切り離され、放物線を描きながら地上100キロを超えて宇宙空間に到達した。船内は無重力になった。その後、大気圏に再突入し、打ち上げから約10分後、パラシュートを開いて砂漠地帯に軟着陸した。

「2021年宇宙の旅」が実現 宇宙ビジネスの今とこれから【時事まとめ】も読んでみてください

【経済】再エネ比率36~38%へ 30年度、基本計画素案公表(7/21.Wed)

 経済産業省は21日、改定する「エネルギー基本計画」の素案を公表した。脱炭素社会に向け太陽光発電など再生可能エネルギーを増やす。2030年度の電源構成の目標は、再生エネの比率を2019年度実績の約2倍の「36~38%」とする。原発は「安全性の確保を大前提に必要な規模を持続的に活用していく」とした。電力業界などが求めていた建て替え(リプレース)や新増設については、明記しなかった。原発の比率は「20~22%」を維持する。燃焼時に二酸化炭素を出さない水素アンモニア発電は1%を見込む。これらの「脱炭素電源」で59%を占めることをめざす。天然ガス石炭などの火力発電は「41%」とし、2019年度の実績(76%)の半分近くに減らす。

【社会】大会関係者がため息交じりの五輪開幕 祈る組織委幹部(7/23.Fri)

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、国内の夏季五輪としては57年ぶりとなる東京オリンピック(五輪)が23日、幕を開けた。開幕直前までトラブルが続発する中、感染対策との両立ができるのか。23日午後8時。白紙撤回を経て新装された無観客の国立競技場に、数日前に作り直されたオープニング曲が流れた。「待ちに待ったという高揚感は、まったくない」。ある大会関係者は、ため息交じりにつぶやいた。別の関係者は言う。「追い込まれて、後手に回る。この繰り返しだった」

【社会】全国で5020人が感染 沖縄は6月以来の200人超え(7/25.Sun)

 新型コロナウイルスの国内感染者は25日午後8時現在、新たに5020人が確認された。東京都の新規感染者は1763人。前週の日曜(18日)より755人多く、日曜としては過去最多となった。25日までの1週間の新規感染者数を1日あたりでみると、平均1453.6人。前週比で136.1%となり、感染拡大が続いている。このほか神奈川県が531人、埼玉県が449人、大阪府が471人だった。沖縄県では209人の感染が確認され、1日の感染者数が200人を超えたのは6月5日以来となった。

◆人気企業に勤める女性社員のインタビューなど、「なりたい自分」になるための情報満載。私らしさを探す就活サイト「Will活」はこちらから。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別