2021年06月07日

少子化加速、21年は80万人割れ? 安心子育ての環境整備を【週間ニュースまとめ5月31日~6月6日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 日本と中国で少子化が深刻になっています。この週には、2020年の日本の出生数が統計をとりはじめて最少の84万人になったというニュースと、少し前まで「一人っ子政策」をとっていた中国が3人まで出産を容認する方針を打ちだしたというニュースがありました。経済が発展するためには15歳から65歳の生産年齢人口が増えることが必要だとされています。少子化は将来の経済にマイナスに働く可能性が高いのです。中国は人口減少が予測より早まりそうで、豊かになる前に経済成長が止まるのではないかと心配されています。日本はさらに深刻です。出生数の落ち込みが激しく、人口減少のペースが加速しそうです。2020年の出生数はコロナ禍の影響があったと思いがちですが、ほとんどありません。出産のためには妊娠期間が必要です。妊娠期間の平均は約40週、つまり約10カ月です。日本でコロナ禍が深刻だとはっきり意識されだしたのは昨年の3月くらいからなので、2020年に生まれた子どもの多くはその前からお母さんのおなかの中にいたことになります。つまり、2020年はコロナ禍の影響で減ったのではなく、ふつうに減ったのです。コロナ禍を意識して妊娠を避けたケースは2021年の出生数に表れます。厚生労働省の発表では、2021年1~3月の出生数は前年同期に比べて9.2%も減っています。このペースで減ると、2021年は80万人を大きく割り込むことになります。今の70代前半の「団塊の世代」は1年に二百数十万人も生まれていたのですから、その落差に驚きます。中国のように政府が出産の数をコントロールしようと思っても日本ではできませんし、すべきでもありません。政府ができるのは、安心して子どもを産み育てる環境を整えることです。今、政府がもっとも力を入れなければいけない政策はこれだと、私は思います。(ジャーナリスト・一色清)

【国際】中国「3人まで出産容認」 少子高齢化止まらず制限緩和(5/31.Mon)

 中国共産党は5月31日の政治局会議で、現在の産児制限を緩和し、3人までの出産を認める方針を示した。中国は2016年に「一人っ子政策」を廃止して2人までの出産を認めたが少子高齢化に歯止めがかからず、5年で再び制限緩和を迫られた形だ。中国国家統計局は5月、昨年実施した10年ごとの全戸対象の人口調査結果を発表。全人口は過去最高の14億1178万人となる一方、15~59歳の生産年齢人口が減少したほか出生数も約1200万人と前年比で2割ほど落ち込み、人口減少が想定よりも早まる可能性が指摘されていた。

【環境】大坂なおみ、全仏の棄権表明 「邪魔になりたくない」(5/31.Mon)

 テニスの4大大会第2戦、全仏オープンで記者会見を拒否し罰金処分を受けていた大坂なおみ(日清食品)が31日、大会を棄権する意向を表明した。自身のツイッターに「この状況は私がイメージしたものでも、意図したものでもない。大会や他の選手、私自身の健康を考えると、私が大会を棄権することがベストだと思う。そうすることで、みんながパリで開かれているテニスの大会に集中できる」と書き込んだ。棄権する理由について「私は邪魔になりたくなかった。(記者会見拒否の公表が)理想的なタイミングでなかったことは受け止めるし、もっとメッセージも明確にすべきだった」と説明した。また4大大会初優勝を果たした2018年の全米オープン後からうつ病になり、その後も精神的に苦しんでいるとしている。テニスの4大大会(全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)主催者は試合後に共同声明を発表し、大坂の行動を「違反行為」と認定。全仏側から大坂に1万5000ドル(約165万円)の罰金を科し、繰り返し拒み続けた場合は大会からの失格処分に加え、さらなる罰金や4大大会への出場停止の可能性を通達していた。

【就活】採用面接「解禁」 コロナ禍のなか対面にこだわる企業も(6/1.Tue)

 来春卒業する大学生らを対象にした企業の採用面接が本格化している。1日、政府が要請する就職活動ルールの上で「解禁」された。新型コロナ対策でオンライン面接が定着した一方、対面にこだわる企業も。学生の内定率はすでに5割を超え、コロナで足踏みした昨年に比べて採用活動が早まっているようだ。新型コロナの影響を受けた採用が2年目を迎えた。オンライン面接の定着は進んだが、対面での実施も少なくない。人材サービス会社「エン・ジャパン」が内定を得た学生513人に聞いた調査では、内定先企業の48%で対面の面接があった。すべてが対面だったケースも19%にのぼった。

【政治】出生数、過去最少の84万人 婚姻が急減して戦後最少に(6/4.Fri)

 2020年に国内で生まれた日本人の子どもは84万832人と、前年より2万4407人(2.8%)減って過去最少となった。減少は5年連続で、政府の推計よりも3年早く84万人台に入った。婚姻件数は前年より12.3%減の52万5490組と急減し、戦後最少となった。新型コロナウイルスの影響も重なり、日本の少子化が加速している。厚生労働省が4日、人口動態統計を発表した。2020年の出生数は、90万人を初めて割り込んで「86万ショック」と呼ばれた2019年の86万5239人から、さらに大きく減り、統計がある1899年以降で最少となった。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の直近の推計(2017年)では、84万人台になるのは2023年と見込まれていた。一人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、2020年が1.34と、前年から0.02ポイント下がった。低下は5年連続。都道府県で最も低いのは東京都の1.13。最も高いのは沖縄県で1.86だった。

【経済】半導体の国内供給網の強化へ計画 経産相「国家事業」(6/4.Fri)

 世界的な半導体不足や米国と中国の技術覇権争いを受け、経済産業省は4日、半導体の国内供給網の強化を柱とする計画をまとめた。半導体産業への支援を「一般的な民間事業支援の枠を越え国家事業」として拡充し、海外メーカーとの合弁工場などを国内につくって製造基盤の確保をめざすとした。計画は「半導体・デジタル産業戦略」と銘打った。半導体は「産業の脳」と位置づけ、供給網の確保によって「経済安全保障上の戦略的自律性の強化を図る」と強調。先端半導体の開発や工場誘致に加え、画像処理を担うセンサーなど日本に強みのある半導体についても、既存工場の改修や新たな工場建設などを支援する。次世代通信規格の研究開発のための2000億円の基金や脱炭素に向けた2兆円の基金などを活用する。

●半導体については、最近よく聞く「半導体」って? デジタル化のカギ【イチ押しニュース】も読んでみてください

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