2021年05月31日

人気のJTB、過去最大赤字 コロナ後の旅行需要回復に期待も【週間ニュースまとめ5月24日~30日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 旅行業界最大手のJTBの2021年3月期決算は、最終赤字が1051億円に上る厳しい内容になりました。コロナ禍で海外旅行需要がほぼなくなり、国内旅行需要も大幅に減ったのですから当然といえば当然ですが、それにしても1年ちょっとでこんなにも変わるのかと驚いてしまいます。JTBは就職人気の高い企業です。学情のここ10年の就職人気企業ランキングを見ても、10年すべてでベスト10に入っています。そんな企業はJTBと伊藤忠商事の2社しかありません。2013年卒対象、2015年卒対象の調査では1位でした。コロナ禍の昨年12月に発表した2022年卒対象の調査でも9位に入っています。こんな状況でも旅行業のトップ企業が大学生に魅力的に映っていることがわかります。21世紀に入ってから大学に新設される学部や学科にも観光関係の名前をつけたものが目立ちます。国公立大学では和歌山大学琉球大学長野大学にありますし、私立大学では立教大学東洋大学東海大学大阪観光大学など多くの大学にあります。こうした学部学科を卒業する人は、旅行業界、航空業界、ホテル業界などへの就職を希望するのでしょうが、旅行業界や航空業界の多くは2022年卒の採用を見送る方針で、厳しい就職戦線になっていると思います。ただ、ワクチン接種が進み、感染の終息が見えてくると、旅行需要は一気に盛り上がるものと思われます。そうした時には企業の採用意欲も急激に高まるでしょうから、旅行業界で働く希望を持ち続けるのも選択肢としてあっていいように思います。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、緊急事態宣言で臨時休業となったJTBの店舗=2021年5月、東京都新宿区)

【国際】EU「国家によるハイジャック」 ベラルーシ間空路遮断(5/24.Mon)

 ベラルーシ当局が領空を通過中の民間機を緊急着陸させ、反体制派ジャーナリストを拘束した問題で、欧州連合(EU)は24日、同国の航空会社にEU域内での発着と上空通過を禁じる方針を決めた。EU空域からベラルーシを閉め出すほか、加盟国の航空会社にも同国上空を飛ばないよう求める。一般乗客を巻き込んだ強引な手法を「国家によるハイジャック」と激しく非難。ルカシェンコ政権に対し強い制裁措置を打ち出した。緊急着陸させられたアイルランドのライアンエア機は23日、18カ国の約120人を乗せてギリシャからリトアニアへ向かった。ベラルーシは「爆弾が仕掛けられたとの情報がある」と、戦闘機も発進させて航路変更させたが、爆弾は見つからなかった。同国外務省は緊急着陸を「国際法に従った」とするが、ライアンエアのオリアリー最高経営責任者(CEO)は24日、メディアに「国家による空の海賊行為だった」と述べた。

【文化】北海道・北東北の縄文遺跡群、世界遺産へ 諮問機関勧告(5/26.Wed)

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に、国の特別史跡三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)をはじめとした「北海道・北東北の縄文遺跡群」が登録される見通しとなった。事前審査する諮問機関が「登録」を勧告した。7月16日からオンラインで開かれる世界遺産委員会で最終的に判断される。パリのユネスコ世界遺産センターが26日、諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」の勧告内容を日本政府に伝えた。登録されれば紀元前の遺跡として国内初の世界遺産となる。縄文遺跡群は、北海道と青森・岩手・秋田の3県の17遺跡で構成。世界最古級の土器片が見つかった「大平山元遺跡(おおだいやまもといせき)」(青森県外ケ浜町)▽大規模な集落跡で、土偶の出土など祭祀(さいし)・儀礼の発展もわかる縄文中期の「三内丸山遺跡」(青森市)▽ストーンサークルを主体とした祭祀遺跡「大湯環状列石」(秋田県鹿角市)――などがある。

【環境】石油大手に「脱炭素」迫る オランダで異例の判決(5/26.Wed)

 世界的な大手石油会社に「脱炭素」に向けた圧力が高まっている。オランダの裁判所は26日、欧州のロイヤル・ダッチ・シェルに、2030年までにCO₂(二酸化炭素)の排出量を2019年比で45%削減するよう命じた。米エクソンモービルの26日の株主総会では、環境対策を重視する取締役候補2人が選ばれた。異例の判決の背景には、環境対応の遅れは許されないという危機意識の広がりがある。シェルも再生可能エネルギーの事業に力を入れており、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げる。だが裁判所は「方策が具体性に欠ける」とみている。地球温暖化を抑えるための「パリ協定」に沿った対策をとる責任が、個別企業にもあると判断した。

【政治】自民、LGBT法案の提出断念 今国会で日程確保できず(5/28.Fri)

 LGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案について、自民党の佐藤勉総務会長は28日、今国会への提出を断念する意向を示した。国会会期末が6月16日に迫っており、28日開かれた党内手続きの最終関門である総務会で、審議日程が確保できないと結論づけた。党内では、同法案について保守系議員から否定的な意見が続出。今回の決定は、反対派議員への配慮もありそうだ。同法案をめぐっては、自民が2016年に法案概要をまとめ、国政選挙の公約集でも「理解増進を目的とした議員立法の速やかな制定」を掲げてきた。五輪憲章が性的指向を含むいかなる差別も受けない権利と自由をうたっていることもあり、党の「性的指向性自認に関する特命委員会」(委員長=稲田朋美・元防衛相)は夏の東京五輪前の成立をめざす意向だった。

【経済】JTB、過去最大1051億円の赤字 コロナで旅行低迷(5/28.Fri)

 JTBが28日発表した2021年3月期決算は売上高が3721億円(前年比71.1%減)、最終的なもうけを示す純損益が1051億円の赤字(前年は16億円の黒字)だった。赤字幅は過去最大。新型コロナウイルスで海外旅行需要がほぼなく、国内旅行も低迷した。2022年3月期は「現時点では合理的な算定ができない」としながらも、ワクチン接種が進み、海外旅行の渡航制限が解除されれば、「黒字化は実現可能」とした。

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