2021年01月18日

就職後、身につけたノウハウ、扱いに注意を【週間ニュースまとめ1月12日~17日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 年が改まり心機一転がんばろうと思っている人もいるかと思います。12日に警視庁不正競争防止法違反容疑で逮捕された楽天モバイルの社員は2019年の大みそかにソフトバンクを退社し、翌1月1日付けで楽天モバイルに入っていました。心機一転がんばろうというつもりだったのかもしれませんが、ソフトバンクの秘密情報を持ち出すというスパイ もどきの違法行為をしていたのなら、そんなさわやかな気持ちにはなれなかったのではないでしょうか。かつて日本の企業社会ではライバル社への転職タブーとする空気がありましたが、だんだん珍しくなくなってきました。もちろん、憲法職業選択の自由がうたわれていますので、どの会社に転職しようが個人の自由です。今は一生同じ会社に勤め続けるほうが珍しいといわれる時代になりつつありますので、業界内での転職はこれからますます増えると思います。そうした転職者の心構えとして大事なのは、一般的な仕事のノウハウや知識と社外秘だったことを自分の中ではっきりと分けることです。身につけた一般的な仕事のノウハウや知識は存分に活用するべきですが、社外秘だったことはふたをしてしまっておきましょう。社外秘だったことを次の会社で口外したり自分の仕事に使ったりしそうな人は、同じ業界内での転職はしないほうがいいかもしれません。違法の可能性があるというだけでなく、本当の実力で勝負しようという気持ちがないと長続きしないと思うからです。就活中の皆さんにはまだ早い話でしょうが、頭の片隅に入れておいてもいいと思います。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、楽天モバイルの本社が入るビル〈左〉とソフトバンクの本社が入るビル=いずれも東京都内)

【社会】SB元社員逮捕、5G情報漏洩か 楽天モバ「誠に遺憾」(1/12.Tue)

 携帯電話大手ソフトバンクの高速移動通信方式「5G」サービスに関する秘密情報を社外に持ち出したとして、警視庁は12日、元社員の合場邦章容疑者(45)=横浜市鶴見区仲通3丁目=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)容疑で逮捕し、発表した。合場容疑者は技術職で、情報にアクセスする権限を持っていたという。漏出したとされる翌日にライバル社の楽天モバイルに転職しており、同庁が関連を調べている。ソフトバンクによると、合場容疑者は通信ネットワーク管理ができる「線路主任技術者」の国家資格保持者で、04年7月から19年12月31日まで同社に勤務し、20年1月1日付で楽天モバイルに転職した。退職後、合場容疑者のパソコンから情報を漏出された形跡を確認し、警視庁に相談した。ソフトバンクは今後、楽天モバイルに漏出情報の利用停止と廃棄を求める訴訟を検討する。合場容疑者にも損害賠償を求める方針という。

【政治】7府県、緊急事態宣言区域に追加 出勤7割減などを要請(1/13.Wed)

 菅義偉首相は13日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象区域に大阪、京都、兵庫の関西3府県と、愛知、岐阜の東海2県、福岡、栃木の両県の計7府県を追加した。対象区域は7日に決定済みの首都圏4都県とあわせて11都府県になる。期間は2月7日まで。対象区域では、飲食店の閉店を午後8時までとする営業の時間短縮(時短)や、企業などの出勤者数の7割削減、住民の不要不急の外出の自粛などを要請する。時短に応じた店への協力金の上限は、現在の1店当たり1日4万円から6万円に引き上げられる。時短の指示に応じない場合は事業者名を公表される場合もある。

【国際】トランプ大統領を弾劾訴追 ペロシ議長「明白な危険」(1/13.Wed)

 トランプ米大統領の支持者が連邦議会議事堂を襲撃した事件をめぐり、下院(定数435、民主党 222、共和党 211、欠員2)は13日、トランプ氏が扇動したとして、弾劾訴追する決議案を賛成232、反対197で可決した。民主党の全議員のほか、共和党議員も10人が決議案に賛成した。トランプ氏は2019年12月にも弾劾訴追されており、米国史上初めて、2回弾劾訴追された大統領となった。採決前の討論で、民主党のペロシ下院議長は「トランプ氏は、我々の愛する国にとって明白かつ現存の危険だ」と決議案に賛成の意見を語った。一方、共和党下院トップのマッカーシー院内総務は「トランプ氏に責任はある」としつつ、間もなく退任することから反対する考えを述べた。

【社会】吉川元農相を収賄容疑で在宅起訴 入院中、身柄拘束見送る(1/15.Fri)

 自民党 衆院議員だった吉川貴盛(たかもり)・元農林水産相(70)=北海道2区、議員辞職=が鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表から過去6年間で計1800万円を受け取った疑いがある問題で、東京地検特捜部は15日、このうち大臣在任中の500万円について、吉川氏を収賄罪在宅起訴し、発表した。アキタ社の秋田善祺(よしき)・前代表(87)も贈賄罪で在宅起訴した。吉川氏は昨年末に心臓の手術をして入院中で、関係先の家宅捜索も済ませたことなどから、証拠隠滅や逃亡の恐れは少なく、逮捕の必要はないと判断した。秋田氏も高齢であることなどから身柄 拘束は見送った。

【就職】大卒内定率82.2% 5年ぶり低水準、下落幅は縮小(1/15.Fri)

 今春卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年12月1日時点で82・2%だったと厚生労働省文部科学省が15日、発表した。前年同期(87・1%)からの落ち込み幅は4・9ポイントで、前回10月1日時点の7・0ポイントから縮小した。新型コロナウイルスの影響による採用選考の遅れが回復してきたとみているが、2度目の緊急事態宣言の影響を懸念する声も出ている。国公立24大学・私立38大学の4770人を抽出して調べた。文系の内定率は81・3%(前年同期比5・6ポイント減)、理系は86・0%(同2・1ポイント減)だった。政府の内定率調査は10月から2カ月ごとに実施しており、12月時点で全体が85%を下回ったのは、5年前の2016年卒の学生以来。

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