2021年01月25日

訪日客激減、百貨店売上45年ぶり低水準…コロナ影響長期化か【週間ニュースまとめ1月18日~24日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 2020年1年間のいろいろな数字がまとまり、ニュースになっています。この週には「自殺者が増えた」「コンビニの売上高が初めて減った」「全国で 廃業解散をした企業数が最多になった」などの暗い数字が報じられています。このまとめ欄では訪日外国人客数が22年ぶりの低水準になったニュースと百貨店の売上高が45年ぶりの低水準になったニュースをとりあげました。こうしたニュースを見ると、新型コロナウイルスの影響がいかに大きかったかが分かります。この週には、「資生堂日用品事業部門を投資ファンド売却することを検討している」ニュースや「電通が本社ビルを売却する検討をしている」ニュースもありました。資生堂の場合はコロナ禍主力の化粧品が売れず業績が悪くなっていることが背景にあります。電通の場合はリモートワークで広いオフィスが必要なくなったことや企業の広告宣伝費が減ったことによる業績悪化が背景にあります。コロナ禍で苦しむ業界はほかにも航空、鉄道、旅行、飲食、アパレル(フォーマル系)などがあります。当初は新型コロナによる経済への影響は一過性のもので2021年にはV字回復すると見られていましたが、最近は長引く恐れが出てきて、楽観的な見方が少なくなっています。今のところ企業の採用意欲はそれほど衰えていないようですが、それがいつまで持つか心配になっている状況です。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、ヘアケアブランド「TSUBAKI」など資生堂の日用品事業の主な商品。同社はこの事業を欧州系の投資ファンドに売却する方向で検討している=同社提供)

【社会】昨年の訪日客、87%減の411万人 22年ぶり低水準(1/20.Wed)

 2020年に日本を訪れた外国人は411万5900人で、前年比87.1%減だった。新型コロナウイルスを受けた世界的な移動の制限で、訪日外国人は2月から激減し始め、3月以降はほとんどいなくなったためだ。東日本大震災があった2011年(621万人)を大幅に下回り、1998年(410万人)以来、22年ぶりの低水準となった。観光庁が20日発表した。日本への入国制限が大幅に強化された3月の訪日客数は前年同月比93%減、4~12月は97~99%減だった。政府は当初、東京五輪・パラリンピック開催を見越し、2020年の目標を4000万人としていたが、目標の約10分の1にとどまった。

【国際】バイデン氏、46代米大統領に就任「民主主義は勝った」(1/20.Wed)

 ジョー・バイデン元米副大統領(78)が米東部時間20日正午(日本時間21日午前2時)前、ワシントンの連邦議会議事堂前の就任式で宣誓し、第46代大統領に就任した。バイデン氏は就任演説で「全ての米国人のための大統領になる。私を支持した人のためと同じように、支持しなかった人のためにも一生懸命闘う」と訴え、分断された米社会の結束を呼びかけた。副大統領にはカリフォルニア州選出の上院議員だったカマラ・ハリス氏(56)が女性、アジア系、アフリカ系で初めて就任した。

【政治】コロナ対応の特措法改正案、閣議決定 入院拒否に懲役刑(1/22.Fri)

 政府は22日、新型コロナウイルス感染症対応の特別措置法改正案などを閣議決定した。開会中の通常国会に提出し、2月初旬の成立をめざす考えだ。新型コロナ対応で政府や自治体などが取る対策の実効性を高めるとし、感染症法改正案などとあわせて閣議決定した。罰則の新設や強化が主な柱だ。特措法では、緊急事態宣言の前段階で、飲食店への休業・営業時間短縮などを要請、命令できる「まん延防止等重点措置」を新たに設け、命令違反に30万円以下の過料をかけられるようにする。感染症法でも、入院拒否や入院先から逃亡した場合に、懲役1年以下または100万円以下の罰金を科せるようにする。一方で、休業要請などに対する支援措置を国などが講じることも明記する。野党は入院拒否に対する懲役刑導入などに反対しており、与党は修正も視野に野党との協議を行う構えだ。

【国際】核兵器禁止条約が発効 51の批准国・地域で初の違法化(1/22.Fri)

 核兵器を史上初めて非人道的で違法とする核兵器禁止条約が22日発効した。1度でも使われれば壊滅的な被害をもたらす核兵器が地球上に1万3000発以上残る中、停滞する核軍縮を加速できるか注目される。核兵器の使用、保有、開発、実験などを一切禁じる内容で、21日現在、批准国・地域は51。核保有国や日本を含む「核の傘」に依存する国々は署名・批准していない。条約を推進した国際NGOは「核は違法」という規範が広がることで、核保有国が非人道的な核を持ち続けていることへの説明責任が強まり、核軍縮にこれまで以上に取り組まざるを得なくなると期待する。

【経済】百貨店売上高、45年ぶり低水準 店舗数200店割れ(1/22.Fri)

 全国の百貨店の2020年の売上高は前年比25.7%減の4兆2204億円となり、1975年(4兆651億円)以来、45年ぶりの低水準となった。日本百貨店協会が22日、発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休業や営業時間の短縮を強いられたことが響いた。2割超の下落幅は、リーマン・ショック後の2009年(10.1%減)を上回って過去最大となる。百貨店の売上高は1991年に約9兆7000億円をピークに減少傾向が続いていたが、昨年1年間だけで約1兆5000億円も減った。また、年末の店舗数は前年より12店少ない196店となり、1070年(192店)以来、50年ぶりに200店を下回った。

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