2020年12月21日

菅内閣の支持率急落 世論調査は変化値が大事【週間ニュースまとめ12月14日~20日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 菅義偉首相の新型コロナウイルスの対応に批判が出ています。肝いり政策の「Go To トラベル」を年末年始には全国一斉停止すると決めましたが、「遅すぎる」という声が強いようです。ほかにも、出演したネット番組の冒頭で「ガースーです」と自己紹介したことや8人でステーキ忘年会をしたことも批判されています。こうした世の中の空気を数字で計るのが、各メディアがやっている世論調査です。この週には朝日新聞の世論調査が行われ、その結果が公表されました。これは毎月やっている定期調査ですが、菅内閣の支持率は11月に比べて17ポイントも下がって39%、不支持率は15ポイントも上がって35%になりました。世論調査の結果を見るうえで、知っておきたい点がいくつかあります。まずひとつは、ネットなどで行われているアンケート調査とは違うということです。無作為に抽出した電話番号から固定電話、携帯電話にかけて答えてもらいます。できるだけ有権者の縮図に近づける工夫がされていますので、アンケート調査よりは偏りがずっと少なく、正確な世論に近くなっています。もうひとつはメディアによって聞き方が違うことです。たとえば内閣を支持するかどうかを聞く場合、朝日新聞は「どちらでもない」をそのままカウントしていますが、ほかのメディアでは、そう答えた人に「どちらかといえば」と重ねて聞くところがあります。つまり、朝日新聞の場合は支持率も不支持率も低めの数字になりますが、重ね聞きをするメディアでは高めの数字になります。ですから、世の中で議論をする場合、支持率、不支持率が何パーセントかという絶対値よりも、前月よりどれだけ下がったか上がったかという変化値が大事になります。菅内閣は支持率の下がり方、不支持率の上がり方がとても大きくなっていますので、世の中の期待が急速にしぼんでいる状況を示しています。このトレンドがさらに続くのか、このあたりで持ちこたえるのか、政治の注目点です。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(グラフは、菅内閣の支持率の推移 )

【政治】GoToトラベル、全国一斉に一時停止へ 菅首相が表明(12/14.Mon)

 菅義偉首相は14日、観光支援策「Go To トラベル」をめぐり、28日から来年1月11日にかけて全国一斉に停止する、と表明した。東京都や名古屋市での停止や自粛要請を検討していたが、年末年始を集中的に感染拡大を抑える期間と位置づけ、一気に対象地域を広げた。首相は14日夕、新型コロナウイルスの政府対策本部で「全国の感染者数は高止まりの傾向が続き、感染拡大地域が広がりつつある」との認識を示した。そのうえで、感染拡大阻止や医療機関の負担軽減を挙げながら「最大限の対策を講じる」として、全国一律の停止を表明。1月12日以降については「その時点での感染状況などを踏まえ、改めて判断する」とした。

【経済】洋上風力、目標引き上げで官民合意へ 最大原発45基分(12/15.Tue)

 再生可能エネルギー切り札として期待される洋上風力発電について、日本は2040年までに3000万~4500万キロワットの導入をめざす。発電能力原発30~45基分に相当する。政府と民間企業でつくる協議会で合意し、15日に発表する。菅政権が掲げた「2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロ」実現に向け、年末にもまとめるグリーン成長戦略の実行計画に盛り込む。再生エネは2030年度までに総発電量に占める割合を22~24%にするとの目標がある。洋上風力を増やすことで、再生エネ全体の目標引き上げを求める声も強まりそうだ。

【社会】公立小の1学級35人以下に 来年度にも、政府最終調整(12/17.Thu)

 政府は、公立小学校の1クラスの上限人数を現行の40人(1年生は35人)から35人に段階的に引き下げる方向で最終調整に入った。2025年度までに小学校の全学年で35人学級の実現を目指す。萩生田光一文部科学相と麻生太郎財務相が17日に協議し、年明けの通常国会での法改正を目指す。学級編成は、2011年度に小学1年生だけ35人以下となった。萩生田氏は来年度予算編成にあたり、新型コロナウイルスへの感染対策や、今年度中に小中学生に1人1台のパソコンやタブレット端末が配備される見込みであることから、小中学校の30人学級を求めていたが、財務省は強硬に反対。小学校に限って35人学級を実現する方向で調整している。

【社会】大雪で車1000台が立ち往生、搬送車も 食料や毛布を配布(12/17.Thu)

 師走の大雪が17日、北日本から西日本の日本海側で続き、各地に混乱をもたらした。新潟県の高速道路では約1000台の車が動けなくなり、救急搬送された人も。復旧の見通しが立たない中、現場では巻き込まれた人たちへの食料配布などが行われた。NEXCO東日本立ち往生している車を重機で移動させたり、除雪を続けたりした。また、関越道や一時通行止めとなった上信越道のサービスエリアなどで、動けない車の運転手らにおにぎりやパン、簡易トイレを提供。社員十数人が路上を歩いて食料や毛布などの配布もした。

【政治】内閣支持率39%に急落 GoTo停止「遅すぎ」79%(12/20.Sun)

 朝日新聞社は19、20日に全国世論調査(電話)を実施した。菅内閣の支持率は39%(前回11月は56%)に急落した。不支持率は35%(同20%)に増えた。菅義偉首相が政府の観光支援策「Go To トラベル」を年末年始に全国で一時停止することを決めたタイミングについて聞くと、「遅すぎた」が79%だった。男性は支持43%、不支持38%。女性は支持36%、不支持33%だった。支持はすべての年代で5割を切った。50代以上は不支持が、支持を上回った。新型コロナウイルスに対する政府の対応を「評価しない」は56%で、11月の40%から大きく増えた。「評価する」は33%だった。菅首相が新型コロナ対策で指導力を「発揮していない」は70%に対し、「発揮している」は19%だった。

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