2020年11月09日

米国のこともっと知ろう…州の権限の強さ、建国時の制度維持【週間ニュースまとめ11月2日~8日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 アメリカ大統領選挙は投票日から5日目でようやく一応の決着がつきました。アメリカ国内がまっ二つに分かれて、どちらの候補が勝つのか予断を許さない時間が続きました。日本での関心も高い選挙だったので、この間、みなさんもアメリカという国について感じることがいろいろあったと思います。中でも選挙制度について、全米で一番多く得票した人が当選するというシンプルなやり方にすればいいのに、と思いませんでしたか。実際は州ごとに人口比で割り当てられた選挙人の数を取り合う選挙です。しかも、ほとんどの州は得票数の多い候補者が選挙人を総取りしますが、2州だけは得票数に応じて配分するというややこしい方式です。このことからアメリカという国が持つふたつの特徴がうかがえると私は思います。ひとつは、州の自治権の強さです。日本なら選挙制度は基本的に全国一律ですが、アメリカでは州ごとにやり方を決めることができます。州政府という言葉があるように、アメリカの州は国に近い権限を持つ自治体なのです。もうひとつは、アメリカは比較的新しい国ですが、伝統を大事にするところがあるということです。選挙人を選ぶというやり方は、200年以上前の建国のころの状況を表しています。メディアが発達していない時代なのできちんとした情報を得ている人は少なく、また交通が発達していないため全国で同時に投票することも難しい状況でした。そのため、選挙人という州の代表者をまず選んで、その代表者に大統領を選んでもらうやり方にしたのです。それがメディアも交通も発達した今も続いているわけです。アメリカ大統領選は、アメリカという国を考えるきっかけになります。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、バイデン氏の勝利宣言を演説会場の外で見守り、歓声をあげる支持者ら=2020年11月7日夜、米デラウェア州ウィルミントン )

【国際】中国、「科学技術強国」へ宣言 AIや生命科学など重点(11/3.Mon)

 中国共産党は3日、先月の党第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が採択した第14次5カ年計画案と2035年までの長期目標案の概要を公表した。米国などとの技術覇権争いが激しさを増すなか、「科学技術強国」の建設を急ぎ、人工知能(AI)など先端分野の研究に国を挙げて取り組むと宣言。習近平(シーチンピン)国家主席は技術革新(イノベーション)を核に成長し、同年までに国内総生産(GDP)か1人当たり収入を2倍にできると強調した。

【経済】トヨタ、純利益予想を1.4兆円に上方修正 販売が回復(11/6.Fri)

 トヨタ自動車は6日、今年度(2021年3月期)の業績予想(国際会計基準)を上方修正し、最終的なもうけを示す純利益が1兆4200億円になりそうだと発表した。前年比30.3%減の水準だが、新型コロナウイルスの影響で急減した世界販売が中国や米国を中心に想定以上のペースで回復。従来予想を6900億円引き上げ、1兆円台の黒字確保の見通しとなった。トヨタの世界販売台数は新型コロナの影響が直撃した4月はほぼ半減したが、5月以降は想定を上回るペースで回復。いち早く経済が再開した中国は春先から前年超えの水準が続き、夏以降は米国や日本など主要市場でも回復ペースが加速。9月は前年を上回った。「RAV4」や「カローラ」などの売れ行きが好調だ。

【経済】日経平均、29年ぶり高値 2万4300円台まで上昇(11/6.Fri)

 6日午前の東京株式市場は、日経平均株価が2万4300円台まで上昇した。1991年11月以来、29年ぶりの高水準。前日5日の米国市場で、主要株価指数がそろって上昇した流れを引き継いだ。新型コロナウイルスの感染拡大により、日経平均は3月に1万6000円台まで暴落した。その後、日本銀行をはじめ世界各国の中央銀行が実施した大規模な金融緩和で市場に資金があふれ、株価は急回復。企業業績が想定より早く改善していることも押し上げる要因となった。

【社会】東京、大阪、愛知、8月並みの高水準に 感染拡大の傾向(11/7.Sat)

 北海道は7日、新型コロナウイルスの感染者が新たに187人確認されたと発表した。このうち札幌市が141人を占める。道内の感染者は3日連続で100人を超え、札幌市とともに過去最多を更新。感染拡大を受け、道は独自に定めた5段階の「警戒ステージ」を現在の「2」から「3」へ引き上げた上で、感染が目立つ札幌・ススキノ地区で接待を伴う飲食店などに深夜の営業自粛を求めた。この日は神奈川県でも過去最多の137人が確認され、東京、大阪、名古屋の三大都市圏でも約3カ月ぶりの高水準を記録。全国では午後9時現在で1332人となり、寒さが増す中で、再び感染が拡大する傾向を見せている。

【国際】バイデン氏が大統領選当選確実 ペンシルベニア州を制す(11/8.Sun)

 米大統領選で7日(日本時間8日未明)、民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)が激戦州の東部ペンシルベニア州で勝利を確実にし、当選を確実にした。CNNなど、米メディアが報じた。共和党のドナルド・トランプ大統領(74)は「選挙をめぐる不正が起きている」と主張し、選挙をめぐる訴訟も起こしているが、不正の証拠は示しておらず、裁判闘争の勝ち目は見えていない。3日から開票が始まった大統領選では、バイデン氏が民主党の地盤のカリフォルニア州ニューヨーク州で、トランプ氏は共和党が強いテキサス州オハイオ州で勝利を確実にした。選挙を左右する激戦州のうち、トランプ氏はフロリダ州を制したが、ペンシルベニア、ミシガンウィスコンシンと東部から中西部に広がる「ラストベルト(さびついた工業地帯)」にある3州でバイデン氏が勝利し、選挙人の過半数を得た。バイデン氏が勝利すれば、副大統領は、女性初となるカマラ・ハリス上院議員(56)が就任する。

●米大統領選の仕組みについては、米大統領選「基本のき」…仕組みは?共和・民主どう違う?【時事まとめ】を読んでください

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