2020年11月02日

ANA最大赤字へ、ソニーは増益 決算で「企業の今の姿」見よう【週間ニュースまとめ10月26日~11月1日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 企業の中間決算の発表がピークを迎えました。決算には、1年のまとめとなる本決算、半期の決算となる中間決算、4分の1の期間の決算となる4半期決算があります。だれでも株式を買うことができる上場企業は、投資家に正確な情報を伝えるために決算発表が義務づけられています。日本の企業は4月から3月までの1年間を決算期とするところが多く、4~9月までの中間決算をまとめて発表できる形になるのが早くても10月下旬になるため、中間決算はこの時期に集中することになります。今回の中間決算には新型コロナウイルスの影響がはっきり出ました。中でも、航空会社や鉄道会社は影響を激しく受け、大赤字になりました。一方で、ソニーのようにゲーム関係が巣ごもり需要で伸びて利益を大きく増やした企業もあります。企業の今の姿を見るのに一番いいのは決算です。各企業のホームページを見ると、決算を見ることができます。決算発表から少したつと、有価証券報告書といって決算のもっと詳しい内容もまとまり、たいてい見ることができます。難しい用語が多く、内容も数字ばかりで最初は頭が痛くなるかもしれませんが、ちょっと勉強して読み方を覚えれば、あとはおもしろくなります。就活を機に決算を読み解く力をつけるといいと思います。社会に出てからも役に立つこと請け合いです。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、左から、東京・品川のソニー本社が入るビルと、成田空港の全日空機の尾翼。両社の中間決算は、新型コロナウイルスの影響で明暗が分かれた)

【政治】「温室ガス、50年までに実質ゼロへ」首相が所信表明(10/26.Mon)

 第203回臨時国会が26日召集され、菅義偉首相は衆院 本会議で、首相就任後初めての所信表明演説を行った。温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を新たに掲げた。自民党総裁選で前面に出した「デジタル庁」創設や不妊治療に対する支援、携帯電話料金の引き下げへの決意も示した。首相は「グリーン社会の実現」を成長戦略の柱に位置づけたうえで、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と「宣言」した。政府のこれまでの目標は「2050年までに80%削減」で、取り組み強化が必要となる。

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【エンタメ】興行収入も「全集中」 鬼滅の刃、最速で100億円突破(10/26.Mon)

 アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃(やいば)』無限列車編」(外崎春雄監督)の興行収入が107億円に達したと、配給する東宝とアニプレックスが26日発表した。公開した16日から25日までの10日間で100億円を突破したのは、日本の上映作品で史上最速という。両社によると、全国403館で上映され、観客動員は798万人を超えた。歴代1位の興収308億円の記録を持つ「千と千尋の神隠し」が100億円を超えたのは25日間で、大台突破の最速記録を「鬼滅の刃」が大幅に塗り替えた形になる。興行通信社によると、日本映画の歴代興収ランキングでも10位に入った。「鬼滅の刃」は、週刊少年ジャンプで連載された吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんのマンガが原作。大正時代の人食いがすむ世界で、家族を鬼に殺された主人公の少年・竈門(かまど)炭治郎(たんじろう)らが、様々な敵との闘いを繰り広げる。2019年のテレビアニメ化で人気に火が付いた。映画の物語はテレビアニメの最終話からの続きを描いている。今年5月に連載が終了したマンガは、単行本の累計発行部数が電子版を含め1億部を超えている。

【経済】ANA、過去最大5100億円赤字見通し 2021年3月期(10/27.Tue)

 ANAホールディングス(HD)は27日、未定としていた2021年3月期決算の業績予想で、最終的なもうけを示す純損益が5100億円の赤字になる見込みと発表した。赤字額は、これまで最大だったリーマン・ショック後の2010年3月期(573億円)を、大きく上回る。前年の純損益は276億円の黒字だった。2020年4~9月期の決算も発表し、売上高は前年同期比72.4%減の2918億円、営業損益は2809億円の赤字(前年は788億円の黒字)、純損益は1884億円の赤字(前年は567億円の黒字)だった。業績を立て直すための構造改革策も発表した。人件費削減のため、外部企業約10社に12月までに約100人を出向させる。ホテルのコンシェルジュや企業の受け付け業務を想定しているという。規模は今後も拡大させ、来春には400人以上を見込む。また所有する飛行機の早期退役などで、2020年度末の機体数を、大型機を中心に当初予定から33機減らす。これらによって、2020年度に1500億円、2021年度に2500億円のコスト削減をめざすという。また、日本航空(JAL)は30日、2021年3月期の純損益(国際会計基準)が、2400億~2700億円の赤字になりそうだと発表した。

【社会】国内の感染者10万人超す 東京が3割、地方でも再拡大(10/29.Thu)

 東京都で29日に新型コロナウイルスの感染者が221人確認され、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客らも含めた国内の感染者が累計で10万人を超えた。1月中旬に国内で初めて感染者が確認されてから9カ月余り。今も全国で連日300~700人ほどが新たに確認されており、感染者の増加に歯止めがかからない状況だ。都道府県別にみると、東京都が3万人を超え、全国の3分の1近くを占める。続いて大阪府が1万2000人、神奈川県が8000人に上り、愛知県で6000人、埼玉、福岡の両県も5000人を超えるなど、大都市やその周辺で感染者の増加が目立つ。

【政治】大阪都構想、反対多数 大阪市存続へ(11/1.Sun)

 大阪市を廃止して四つの特別区再編する大阪都構想の是非を問う住民投票が1日行われ、約1万7000票の僅差(きんさ)で反対多数となった。前回2015年に続く否決だ。大阪維新の会代表の松井一郎市長は2023年4月の任期 満了で政界を引退すると表明した。当日有権者数は220万5730人、投票率は前回を4.48ポイント下回る62.35%だった。松井氏は1日夜に記者会見し「けじめをつけなければならない」と政界を引退する考えを示した。吉村洋文代表代行(府知事)は「僕が都構想に挑戦することはない」と述べた。維新は党のリーダーと看板政策の都構想を同時に失った。

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